僕の宝物はみんなの所有物

まつも☆きらら

文字の大きさ
21 / 24

前に進むために

しおりを挟む
「ここって・・・・」

しゅーごくんが、戸惑ったように俺を見た。

今日は5人である場所にやってきていた。

電車で乗り継ぐこと約2時間。

「貴良くんの・・・?」

ナリの言葉に俺は頷いた。

「うん。俺が前に通ってた高校」

1学期の間しかいなかったが、入学してしばらくはクラスメイト達とも仲良くやっていたんだ。

特に誰と仲いいということはなかったけど、クラスの雰囲気も悪くなかったし、俺も溶け込んでいると思ってた。

でも・・・・・





「あれ・・・・志筑?」

校門から、懐かしい人物が出てきて俺を見た。

驚き、戸惑っているような顔。

「西川、久しぶり」

俺がちょっと笑って言うと、西川はちょっと気まずそうにちらりと周囲に視線を走らせ、再び俺を見た。

「・・・・久しぶり。なんでここに?」

「お前に、聞きたいことがあったんだ」

「・・・俺に?」

「うん。あの時・・・・なんで急に俺に対する態度がよそよそしくなったのか」

俺の言葉に、西川は明らかに動揺していた。

俺の後ろにいた4人を、不安そうにちらちらと見ていた。

4人はただ黙って俺たちの様子を見ていた。

「何言ってんだよ、志筑。俺は別に―――」

「ずっと仲良くしてたのに、急に話もしなくなった。話しかけてもいつも適当に相槌だけ打って避けてただろ。その理由を知りたいんだ」

「なんで今更―――」

「親の仕事の都合で引っ越して転校することになって、今の学校では友達もできたし楽しくやってる。だけど、この学校でのことが、どうしても忘れられないんだ。なんで急にクラスのやつらが俺を避けるようになったのか―――その理由がわからないと、俺は前に進めない。だから―――来たんだ」



それは本当に突然だった。

それまで仲の良かったクラスメイト達が急に俺のことを避けだした。

はっきりといじめられていたわけじゃない。

1学期が終わり夏休みが明ける前に転校することが決まり、どうせ会わなくなるのだから忘れてしまえばいいと、そう思っていた。

でも。

今の学校で生徒会のメンバーと出会い仲良くなって、俺にとっても本当に大事な存在になった4人。

その4人の想いに、俺も応えたいと思った。

だけど。

そう思った時に、この学校でのことを思い出したんだ。

仲が良かったと思っていたのに急にその関係が壊れた。

その理由もわからなかったし、聞くこともしなかった。

あの時のことをうやむやにしたまま、俺はこの4人といい関係を続けていくことができるのかなって・・・・。

そう思った。

だから、その理由を知りたくて、ここに来たんだ。

4人と一緒に・・・・
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

もう一度言って欲しいオレと思わず言ってしまったあいつの話する?

藍音
BL
ある日、親友の壮介はおれたちの友情をぶち壊すようなことを言い出したんだ。 なんで?どうして? そんな二人の出会いから、二人の想いを綴るラブストーリーです。 片想い進行中の方、失恋経験のある方に是非読んでもらいたい、切ないお話です。 勇太と壮介の視点が交互に入れ替わりながら進みます。 お話の重複は可能な限り避けながら、ストーリーは進行していきます。 少しでもお楽しみいただけたら、嬉しいです。 (R4.11.3 全体に手を入れました) 【ちょこっとネタバレ】 番外編にて二人の想いが通じた後日譚を進行中。 BL大賞期間内に番外編も完結予定です。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

華麗に素敵な俺様最高!

モカ
BL
俺は天才だ。 これは驕りでも、自惚れでもなく、紛れも無い事実だ。決してナルシストなどではない! そんな俺に、成し遂げられないことなど、ないと思っていた。 ……けれど、 「好きだよ、史彦」 何で、よりよってあんたがそんなこと言うんだ…!

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。 お話を追加いたしました。

全速力の君と

yoyo
BL
親友への恋心に蓋をするために、離れることを決めたはずなのに

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

処理中です...