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第30話
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男は、ミカエルだった。
ムウの話の中に出てきていたミカエルは、想像していたよりも大柄で、威圧感のある男だった。
そして、そのミカエルから俺は初めてムウがここに来たわけを―――
リロイがムウと犯した過ちのために棘の檻に捕われることになったこと。
そのリロイを助けるため、ムウがミカエルとある約束を交わしたことを聞いたのだった・・・・・。
「リロイは今も棘の檻に捕われている。ムウはそのリロイを助けるため、お前に近づいたのだ。お前の愛を利用するためにな」
「俺の、愛・・・・・」
「そう。お前がムウのために命をささげればムウの勝ちだ。リロイは檻から解放され、2人で幸せに暮らすことができる。ただしお前がそれを拒否すれば―――リロイは一生囚われの身となり、ムウは命を落とすことになる」
「そんな・・・・・」
俺は、その場にがっくりと膝を落とした。
「その期限が、今日なのだ。―――今日で、お前とムウの生活が終わる。ムウは、お前にこの3カ月己の愛をささげていたであろう?お前の愛を手に入れるため―――リロイを助けるために」
ムウは、ずっと自分をできそこないの天使だと言っていた。
そして、そんな自分にリロイだけは優しくしてくれると―――
そんなリロイに憧れ、愛し、自分の身をも捧げていたムウ。
天使としての能力がなかったムウは、実の母親にも見捨てられ、周りから蔑まされ続けていた。
それは、どんなに辛いことだったか。
俺には想像もつかない。
だけど、自分を唯一愛してくれたリロイを、ムウが見捨てるはずはなかった。
ムウは、リロイを助けるために俺に愛されようと、ここへ来たんだ・・・・・。
ようやくわかった事実に、俺はショックを受けるよりも納得していた。
ムウは確かに俺の愛を手に入れようとしていたのだろうけど、それでも俺の愛を利用するということに苦しんでいた。
今ならわかる。
ムウの涙の理由も、せつなげな表情も・・・・・。
3ヶ月間の約束。
今日が最後だとムウは知っていた。
だからムウは―――
「ムウのお前への愛は、リロイを助けたいがためのものだ。そして、自分の身を守るため。お前がその命をささげればムウはリロイと幸せに暮らし、お前のことは忘れて行くだろう。そんなムウのために命をささげられるか―――決めるのは、お前だ」
―――忘れて行く?ムウが?俺のことを・・・・・?
―――いや・・・・
ムウは、俺と喧嘩した時、他の男の愛を手に入れようとした。
そうだ。あれは、リロイのためにどうしてもそうしなければいけないと思ったからだろう。
だけど、リロイはそうすることができなかった。
『アキじゃなきゃだめだ』
ムウは、そう言って泣いたんだ。
リロイのため―――自分のためだけだったら、そんなことは言わなかっただろう。
ムウは・・・・・本当に俺のことを愛してくれたんだ。
だから、俺以外の人間に抱かれることを拒否したんだ。
そして、だからこそ、ムウは一層苦しんだんだ。
リロイを助けるためには、俺の愛と、命が必要・・・・・。
ムウ・・・・・・
お前は、ずっと1人で苦しんでたんだな・・・・・・
この日が最後。
だから、ずっと愛し合いたいと、言ったんだ。
俺と、確かに愛し合ったということを、忘れないように・・・・・
ムウ・・・・・・
俺の頬を、気付けば幾筋もの涙が零れては落ちていた。
そんな俺を、ミカエルは無表情に見つめていた。
「―――さあ、どうする?お前がムウを助けたいというのであれば、今すぐこの棘の蔓から解放し、リロイを檻から出そう。ただし、同時にお前は命を落とすことになる。このムウのため―――そしてムウの愛するリロイのため、命をささげるか?お前がその命を捧げる価値がこのムウに・・・・お前を利用しようとしたムウに、あると思うならこのミカエルの前に立つが良い。お前が自分の命を守りたいなら、この部屋から去るがいい。次にお前がこの部屋に入って来た時には、ムウは消えている」
―――ムウが、消える・・・・・?
「だが、お前が命を捧げてもムウと別れることに変わりはない。ならば、自分の命を守るべきなのではないか?」
ミカエルの言葉に、俺は決意し―――立ち上がった。
ミカエルの傍らのムウはぐったりと目を瞑り、その顔には生気がなかった。
体に巻きついた蔓の棘が肌に食い込み、その赤い血がぽたぽたと滴り落ちていた。
俺がこの部屋を出て行けば、ムウはそのまま命を絶たれるのだろう・・・・・。
俺は、砕けたガラスでいっぱいになったその床に、足を下ろした。
鋭い痛みを足に感じるが、俺は構わず両足を下ろし、そのまま歩き―――
ミカエルの前に立った。
ミカエルが、じっと俺を見つめた。
「―――良いのか?出て行くなら、今しかないぞ」
俺は、首を横に振った。
「―――俺が命をささげれば、ムウは助かるんだろう?それなら・・・・俺の気持ちは決まってる。ムウの命よりも大切なものなんて、俺にはない。例えムウが俺を利用していたとしても―――俺が、ムウを愛していたことには変わりない。今も、愛してる。だから・・・俺の選ぶ道は、一つしかない」
「お前は死に、ムウはリロイと幸せになる。それでいいのか?」
「ムウが幸せになるのなら、それでいい。今までずっとムウは苦しんできたんだ。これからは―――幸せになって欲しい」
俺の言葉に、ミカエルの表情が初めて変化を見せた。
口の端をわずかに上げ、微かに目尻を下げた。
その表情が何を意味するのか、俺にはわからなかった。
「愚かな人間だ・・・・」
ミカエルが、片手を高くあげる。
すると、ムウの体にきつく巻きついていた蔓が、光となって消え―――
ムウの体が床に落ちた。
「ムウ!!」
俺はムウに駆け寄り、その体を抱き起した。
「ムウ!しっかりしろ!」
ムウの瞼が震え、ゆっくりと開いた―――
「ア・・・・・キ・・・・・」
「ムウ!大丈夫か!?」
「アキ・・・・ごめんね、俺・・・・」
「謝るな。ちゃんと、わかってるから」
俺の言葉に、ムウの瞳から水晶の涙が零れ落ちた。
「アキ・・・・俺・・・・俺、本当にアキのこと、愛して・・・・・」
ムウが血に染まった手を伸ばし、俺の頬に触れた。
「わかってる。俺も、愛してるよ」
俺はムウの髪を撫で、その額にキスをした。
「ムウ・・・・ちゃんと、幸せになるんだぞ」
「アキ・・・・」
「俺も・・・・幸せだったよ。今まで生きてきた中で、一番幸せだった。この世に、何も悔いはないよ」
「アキ・・・・俺も、幸せだった。ずっと・・・・ずっとアキといたかった・・・・」
「ムウ・・・・!」
俺は、力いっぱいムウを抱きしめた。
「アキ・・・・アキ・・・・・ッ、う・・・・・」
嗚咽を漏らしながら、必死に俺に抱きつくムウ。
その目から零れ落ちた水晶が床に落ちて、小さな音をたてた。
この命が尽きるその時まで、ムウを感じていたかった。
柔らかな、その温もりを―――
「―――そこまでだ」
ミカエルの、無機質な声が響く。
「ムウ―――約束通り、お前の望みを叶えよう―――」
その言葉を言い終えるのと同時に、部屋がまばゆい光に包まれた。
『ムウ―――!』
俺の声は、音にはならずに宙に吸い込まれた。
―――これで、終わる・・・・・。
ムウ・・・・
お前に出会えてよかった・・・・。
諒、奈央。
何も言わずにこんなことになってごめん。
―――そういえば、俺は死んだあと、どうなるんだろう・・・・?
天国には・・・・いけないのかな。
天国に行けるならそこでまた、ムウに会えるのにな・・・・・
「―――来さん!明来さん!ったく、せっかくの日曜だっていうのにいつまで寝てるつもり?」
朝の眩しい光とともに、奈央の声が響いて俺は目を覚ました。
「・・・・そっちこそ、日曜の朝から何しに来たんだよ」
「あ!スランプの幼馴染を心配して来てやってるっていうのに、何その言い方!」
「うるさいなあ、こんな朝っぱらから創作意欲なんてわかな・・・・あれ?俺なんでこの部屋で寝てたんだ?」
そこは、俺の両親が寝室として使っていた部屋だった。
今は、俺の作品や画材を置く物置のような場所になっていたのだけれど―――
「知らないよ。俺もあんたの寝室に行ったらあんたがいなくてびっくりしたんだから。珍しく朝から仕事してるのかと思ったら・・・・こんなところで寝てるんだもん」
「なんで・・・・」
「おっはよ~!!明来ちゃん、差し入れ持って―――イテェ!」
そこへ、諒が元気に入ってきたかと思うと、何かを踏んづけて悲鳴を上げた。
「何これ!ガラス!?超痛いんだけど!」
片足でぴょんぴょん跳ねながら諒が拾い上げたのは―――
「それ、ガラスじゃないよ。―――水晶じゃないの?」
奈央が諒の手からそれを奪い取って目の前にかざした。
2センチくらいの水晶のかけら。
それは、朝の光にきらきらと輝いてとてもきれいだった。
「なんで水晶なんか・・・・」
「なんかわかんないけどさ、危ないから片付けといてよ」
そう言って、奈央に水晶を渡される。
俺はその水晶をじっと見つめた。
なんだか、不思議な感じがした。
単なる水晶なのに―――
硬く冷たいはずのそれが、俺の目には温かく―――そして柔らかな光を発しているような、そんなふうに見えたのだ・・・・・。
ムウの話の中に出てきていたミカエルは、想像していたよりも大柄で、威圧感のある男だった。
そして、そのミカエルから俺は初めてムウがここに来たわけを―――
リロイがムウと犯した過ちのために棘の檻に捕われることになったこと。
そのリロイを助けるため、ムウがミカエルとある約束を交わしたことを聞いたのだった・・・・・。
「リロイは今も棘の檻に捕われている。ムウはそのリロイを助けるため、お前に近づいたのだ。お前の愛を利用するためにな」
「俺の、愛・・・・・」
「そう。お前がムウのために命をささげればムウの勝ちだ。リロイは檻から解放され、2人で幸せに暮らすことができる。ただしお前がそれを拒否すれば―――リロイは一生囚われの身となり、ムウは命を落とすことになる」
「そんな・・・・・」
俺は、その場にがっくりと膝を落とした。
「その期限が、今日なのだ。―――今日で、お前とムウの生活が終わる。ムウは、お前にこの3カ月己の愛をささげていたであろう?お前の愛を手に入れるため―――リロイを助けるために」
ムウは、ずっと自分をできそこないの天使だと言っていた。
そして、そんな自分にリロイだけは優しくしてくれると―――
そんなリロイに憧れ、愛し、自分の身をも捧げていたムウ。
天使としての能力がなかったムウは、実の母親にも見捨てられ、周りから蔑まされ続けていた。
それは、どんなに辛いことだったか。
俺には想像もつかない。
だけど、自分を唯一愛してくれたリロイを、ムウが見捨てるはずはなかった。
ムウは、リロイを助けるために俺に愛されようと、ここへ来たんだ・・・・・。
ようやくわかった事実に、俺はショックを受けるよりも納得していた。
ムウは確かに俺の愛を手に入れようとしていたのだろうけど、それでも俺の愛を利用するということに苦しんでいた。
今ならわかる。
ムウの涙の理由も、せつなげな表情も・・・・・。
3ヶ月間の約束。
今日が最後だとムウは知っていた。
だからムウは―――
「ムウのお前への愛は、リロイを助けたいがためのものだ。そして、自分の身を守るため。お前がその命をささげればムウはリロイと幸せに暮らし、お前のことは忘れて行くだろう。そんなムウのために命をささげられるか―――決めるのは、お前だ」
―――忘れて行く?ムウが?俺のことを・・・・・?
―――いや・・・・
ムウは、俺と喧嘩した時、他の男の愛を手に入れようとした。
そうだ。あれは、リロイのためにどうしてもそうしなければいけないと思ったからだろう。
だけど、リロイはそうすることができなかった。
『アキじゃなきゃだめだ』
ムウは、そう言って泣いたんだ。
リロイのため―――自分のためだけだったら、そんなことは言わなかっただろう。
ムウは・・・・・本当に俺のことを愛してくれたんだ。
だから、俺以外の人間に抱かれることを拒否したんだ。
そして、だからこそ、ムウは一層苦しんだんだ。
リロイを助けるためには、俺の愛と、命が必要・・・・・。
ムウ・・・・・・
お前は、ずっと1人で苦しんでたんだな・・・・・・
この日が最後。
だから、ずっと愛し合いたいと、言ったんだ。
俺と、確かに愛し合ったということを、忘れないように・・・・・
ムウ・・・・・・
俺の頬を、気付けば幾筋もの涙が零れては落ちていた。
そんな俺を、ミカエルは無表情に見つめていた。
「―――さあ、どうする?お前がムウを助けたいというのであれば、今すぐこの棘の蔓から解放し、リロイを檻から出そう。ただし、同時にお前は命を落とすことになる。このムウのため―――そしてムウの愛するリロイのため、命をささげるか?お前がその命を捧げる価値がこのムウに・・・・お前を利用しようとしたムウに、あると思うならこのミカエルの前に立つが良い。お前が自分の命を守りたいなら、この部屋から去るがいい。次にお前がこの部屋に入って来た時には、ムウは消えている」
―――ムウが、消える・・・・・?
「だが、お前が命を捧げてもムウと別れることに変わりはない。ならば、自分の命を守るべきなのではないか?」
ミカエルの言葉に、俺は決意し―――立ち上がった。
ミカエルの傍らのムウはぐったりと目を瞑り、その顔には生気がなかった。
体に巻きついた蔓の棘が肌に食い込み、その赤い血がぽたぽたと滴り落ちていた。
俺がこの部屋を出て行けば、ムウはそのまま命を絶たれるのだろう・・・・・。
俺は、砕けたガラスでいっぱいになったその床に、足を下ろした。
鋭い痛みを足に感じるが、俺は構わず両足を下ろし、そのまま歩き―――
ミカエルの前に立った。
ミカエルが、じっと俺を見つめた。
「―――良いのか?出て行くなら、今しかないぞ」
俺は、首を横に振った。
「―――俺が命をささげれば、ムウは助かるんだろう?それなら・・・・俺の気持ちは決まってる。ムウの命よりも大切なものなんて、俺にはない。例えムウが俺を利用していたとしても―――俺が、ムウを愛していたことには変わりない。今も、愛してる。だから・・・俺の選ぶ道は、一つしかない」
「お前は死に、ムウはリロイと幸せになる。それでいいのか?」
「ムウが幸せになるのなら、それでいい。今までずっとムウは苦しんできたんだ。これからは―――幸せになって欲しい」
俺の言葉に、ミカエルの表情が初めて変化を見せた。
口の端をわずかに上げ、微かに目尻を下げた。
その表情が何を意味するのか、俺にはわからなかった。
「愚かな人間だ・・・・」
ミカエルが、片手を高くあげる。
すると、ムウの体にきつく巻きついていた蔓が、光となって消え―――
ムウの体が床に落ちた。
「ムウ!!」
俺はムウに駆け寄り、その体を抱き起した。
「ムウ!しっかりしろ!」
ムウの瞼が震え、ゆっくりと開いた―――
「ア・・・・・キ・・・・・」
「ムウ!大丈夫か!?」
「アキ・・・・ごめんね、俺・・・・」
「謝るな。ちゃんと、わかってるから」
俺の言葉に、ムウの瞳から水晶の涙が零れ落ちた。
「アキ・・・・俺・・・・俺、本当にアキのこと、愛して・・・・・」
ムウが血に染まった手を伸ばし、俺の頬に触れた。
「わかってる。俺も、愛してるよ」
俺はムウの髪を撫で、その額にキスをした。
「ムウ・・・・ちゃんと、幸せになるんだぞ」
「アキ・・・・」
「俺も・・・・幸せだったよ。今まで生きてきた中で、一番幸せだった。この世に、何も悔いはないよ」
「アキ・・・・俺も、幸せだった。ずっと・・・・ずっとアキといたかった・・・・」
「ムウ・・・・!」
俺は、力いっぱいムウを抱きしめた。
「アキ・・・・アキ・・・・・ッ、う・・・・・」
嗚咽を漏らしながら、必死に俺に抱きつくムウ。
その目から零れ落ちた水晶が床に落ちて、小さな音をたてた。
この命が尽きるその時まで、ムウを感じていたかった。
柔らかな、その温もりを―――
「―――そこまでだ」
ミカエルの、無機質な声が響く。
「ムウ―――約束通り、お前の望みを叶えよう―――」
その言葉を言い終えるのと同時に、部屋がまばゆい光に包まれた。
『ムウ―――!』
俺の声は、音にはならずに宙に吸い込まれた。
―――これで、終わる・・・・・。
ムウ・・・・
お前に出会えてよかった・・・・。
諒、奈央。
何も言わずにこんなことになってごめん。
―――そういえば、俺は死んだあと、どうなるんだろう・・・・?
天国には・・・・いけないのかな。
天国に行けるならそこでまた、ムウに会えるのにな・・・・・
「―――来さん!明来さん!ったく、せっかくの日曜だっていうのにいつまで寝てるつもり?」
朝の眩しい光とともに、奈央の声が響いて俺は目を覚ました。
「・・・・そっちこそ、日曜の朝から何しに来たんだよ」
「あ!スランプの幼馴染を心配して来てやってるっていうのに、何その言い方!」
「うるさいなあ、こんな朝っぱらから創作意欲なんてわかな・・・・あれ?俺なんでこの部屋で寝てたんだ?」
そこは、俺の両親が寝室として使っていた部屋だった。
今は、俺の作品や画材を置く物置のような場所になっていたのだけれど―――
「知らないよ。俺もあんたの寝室に行ったらあんたがいなくてびっくりしたんだから。珍しく朝から仕事してるのかと思ったら・・・・こんなところで寝てるんだもん」
「なんで・・・・」
「おっはよ~!!明来ちゃん、差し入れ持って―――イテェ!」
そこへ、諒が元気に入ってきたかと思うと、何かを踏んづけて悲鳴を上げた。
「何これ!ガラス!?超痛いんだけど!」
片足でぴょんぴょん跳ねながら諒が拾い上げたのは―――
「それ、ガラスじゃないよ。―――水晶じゃないの?」
奈央が諒の手からそれを奪い取って目の前にかざした。
2センチくらいの水晶のかけら。
それは、朝の光にきらきらと輝いてとてもきれいだった。
「なんで水晶なんか・・・・」
「なんかわかんないけどさ、危ないから片付けといてよ」
そう言って、奈央に水晶を渡される。
俺はその水晶をじっと見つめた。
なんだか、不思議な感じがした。
単なる水晶なのに―――
硬く冷たいはずのそれが、俺の目には温かく―――そして柔らかな光を発しているような、そんなふうに見えたのだ・・・・・。
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