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第9話
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時間を遡ること少し―――
樫本さんと天宮がタクシーに乗って行ってしまい、俺と河合が取り残される様な形になった。
正直、おもしろくなかった。
だって、刑事って立場なら俺だってそうなのに。
あいつ―――天宮は、迷うことなく樫本さんを選びやがった。
なんだよ・・・・・
でも、そんな俺以上に不満そうな顔をしている男。
もちろん、河合浩斗だ。
この男はいつでも背筋が伸びていて、いかにも完璧な男という感じなのに、そこに天宮が関わっただけで、がらりとイメージが崩れる。
やきもち妬きで心配症。
まるで、恋人に娘を取られた父親のような風情だけれど。
「―――河合さん、いきましょう。お宅までお送りしますよ」
そう言って俺は、車のキーを出して見せた。
いつまでもタクシーの走り去った後を見ていた河合が、はっと我に帰り、俺を見た。
「あ―――はい、どうも」
―――心ここにあらず・・・だな。
「―――犯人に、心当たりは?」
車を走らせながら、俺は後部座席でぼんやり外を見ている河合に聞いた。
「え・・・・・」
「天宮さんを襲う犯人に、心当たりはありませんか?」
「―――いや・・・・・わかりません。皐月・・・・天宮は、人と争うのを好みません。ただ、彼にそのつもりがなくても、とにかく目立つ男なので・・・・知らないところで、人に恨まれている可能性はあります」
「なるほど。―――佐々木陽介さんを殺害した犯人と同一人物とは限りませんが、もしそうだとして・・・・・今までの依頼人の中に、気になる人物はいませんか?」
「うちの依頼人の中に・・・・ですか?」
「ええ。佐々木さんが殺害され、続けて天宮さんが襲われた。これを、偶然で片付けるには無理があると思いませんか?何かしらのつながりがあると見るのが自然だと思います。だとすれば、2人の共通点は何か―――」
「―――僕の、探偵社で働く探偵・・・・・」
「そういうことです。今までに扱った案件の中で、2人が関わったもの。その中で、何かトラブルになったものはないですか?」
「トラブル、ですか・・・・?」
河合は眉間にしわを寄せ、考え込んだ。
「トラブルとまでいかなかったとしても、何か2人が恨まれる原因の様なものがあったんじゃないかと思うんです」
俺の言葉に、河合はゆっくりと首を振った。
「―――わからないですね。僕の覚えている限りでは、そんな案件はなかったと思うのですが・・・・しかし、一度調べてみますよ。あ―――ちょっと、事務所の方に寄ってもいいですか?資料を取ってきたいので」
「今からですか?もう遅いですし、明日にしたら・・・・」
「いや、すでに天宮は襲われてるんです。早いに越したことはない」
河合は真剣だった。
「―――必死ですね」
「え?」
「いえ・・・・じゃあ、いきましょう」
そう言って俺は、河合探偵社に向かって車を走らせたのだった・・・・・。
「あれえ、ひろくん、どうしたのこんな時間に」
車を降りたところで、ちょうど店から出てきた戸田と出くわした。
「裕太。今帰りか?」
「うん。刑事さんも一緒?また何かあったの?」
戸田がちらりと俺を見た。
「―――皐月が、襲われたんだ」
「ええ!?それ本当!?で、さっちゃんは!?今どこ!?」
時間にそぐわないような大声を出し、河合の肩を掴む戸田に、河合は顔を顰めた。
「落ち着け!お前、声でかいよ!」
「だって―――!」
「皐月は無事だよ。今は・・・・・樫本さんっていう刑事さんの家にいる」
「樫本さん?ああ、もう1人の人だ?」
と言って俺を見たので、俺は頷いて見せた。
「ふーん・・・・まあ、刑事の家なら安心だもんね」
と言って肩をすくめたものの、その表情は納得しているとは言い難かった。
口を尖らせ、眉間にしわを寄せたその顔は、どこかで見たような・・・・・・
―――あ、さっき、見たな。
ちらりと河合を盗み見る。
「―――で、ひろくんはこんな時間にここに何しに?」
「ちょっと、調べ物があって」
「ふーん・・・・。あ、そういえば。今日、うちの店にあの人が来てたよ」
戸田の言葉に、河合は首を傾げた。
「あの人?」
「うん。ほら、あの人。えーと、誰だっけ」
「おい・・・・・」
「ほら、あれ、さっちゃんの知り合いの―――」
「皐月の?」
河合の表情が変わった。
俺も、戸田の声に耳を傾ける。
「えーと・・・・あの、ちょっといかつい感じの、色の黒い・・・・・」
「―――安井?」
「そう!その人!」
戸田は漸く思い出せた達成感に笑っていたが、河合の顔は険しかった。
「―――安井というのは?」
俺の言葉に、河合が俺を見て口を開いた。
「天宮が、以前勤めていたホストクラブのオーナーです」
「確か、天宮さんをホストにスカウトしたって・・・・・」
「そうです。辞めてからも、頻繁に天宮に会いに来ていて・・・・・戸田の店で話すことも多かったよな」
河合の言葉に、戸田が頷いた。
「うん。かなりしつこかったよね~。でも、最近は来なくなってたじゃん」
「ああ・・・・・。陽介が話をつけたって・・・・・ここ3ヶ月くらいは、見てなかったけど。それで、安井はいつ頃きたんだ?」
「昼過ぎ―――2時くらいだったかなあ。コーヒー飲んで、その時は美樹ちゃんに何か話しかけてたんだ。で、何聞かれてたの?って聞いたら、今日、上の事務所にさっちゃんは来てるかって聞かれたって」
美樹ちゃんってのは、あのウェイトレスだ。
「皐月のことを聞いてったのか?それで、そのあとは?」
「コーヒーだけ飲んで、帰ったよ。俺も気になって、すぐにその後外に出てみたんだ。でも、事務所には目もくれずにまっすぐ駅に向かって歩いてったよ。だから、ほっとしてまた店に戻ったんだけど・・・・安井が、関係あるの?まさかさっちゃんを襲ったのって―――」
「いや、まだわからない。皐月も、顔は見てないんだ。ただ、皐月の部屋の鍵が開いてて、中に入ったら暗闇の中で急に襲われたって」
「んだよ、それ・・・・・マジで、さっちゃん危ないじゃん。ひろくんは?大丈夫?」
心配そうな戸田に、河合はちょっと笑って見せた。
「俺は、大丈夫。この後も、関さんに送ってもらうし」
「そっか・・・・気をつけてよね。じゃ、俺もう行くね。お休み」
「ん、お前も気をつけて帰れよ」
その言葉に、軽く手を振って去っていく戸田。
その姿を見送り、河合がぼそりと呟いた。
「―――安井が・・・・・」
「―――気になりますね」
「安井が怪しいと思いますか?」
「まだわかりませんが―――安井は、ウェイトレスに天宮さんのことを聞いている。それなのに、帰る時は事務所に目もくれずに去って行ったと・・・・不自然だと思いませんか?そこまで気になる相手のことだったら、当然その人物がいる方に目がいくものでしょう」
「そう・・・・ですね。確かに、不自然だ・・・・」
「―――行ってみますか?」
「え?」
河合が、俺の言葉に顔を上げた。
「安井のところへ―――」
樫本さんと天宮がタクシーに乗って行ってしまい、俺と河合が取り残される様な形になった。
正直、おもしろくなかった。
だって、刑事って立場なら俺だってそうなのに。
あいつ―――天宮は、迷うことなく樫本さんを選びやがった。
なんだよ・・・・・
でも、そんな俺以上に不満そうな顔をしている男。
もちろん、河合浩斗だ。
この男はいつでも背筋が伸びていて、いかにも完璧な男という感じなのに、そこに天宮が関わっただけで、がらりとイメージが崩れる。
やきもち妬きで心配症。
まるで、恋人に娘を取られた父親のような風情だけれど。
「―――河合さん、いきましょう。お宅までお送りしますよ」
そう言って俺は、車のキーを出して見せた。
いつまでもタクシーの走り去った後を見ていた河合が、はっと我に帰り、俺を見た。
「あ―――はい、どうも」
―――心ここにあらず・・・だな。
「―――犯人に、心当たりは?」
車を走らせながら、俺は後部座席でぼんやり外を見ている河合に聞いた。
「え・・・・・」
「天宮さんを襲う犯人に、心当たりはありませんか?」
「―――いや・・・・・わかりません。皐月・・・・天宮は、人と争うのを好みません。ただ、彼にそのつもりがなくても、とにかく目立つ男なので・・・・知らないところで、人に恨まれている可能性はあります」
「なるほど。―――佐々木陽介さんを殺害した犯人と同一人物とは限りませんが、もしそうだとして・・・・・今までの依頼人の中に、気になる人物はいませんか?」
「うちの依頼人の中に・・・・ですか?」
「ええ。佐々木さんが殺害され、続けて天宮さんが襲われた。これを、偶然で片付けるには無理があると思いませんか?何かしらのつながりがあると見るのが自然だと思います。だとすれば、2人の共通点は何か―――」
「―――僕の、探偵社で働く探偵・・・・・」
「そういうことです。今までに扱った案件の中で、2人が関わったもの。その中で、何かトラブルになったものはないですか?」
「トラブル、ですか・・・・?」
河合は眉間にしわを寄せ、考え込んだ。
「トラブルとまでいかなかったとしても、何か2人が恨まれる原因の様なものがあったんじゃないかと思うんです」
俺の言葉に、河合はゆっくりと首を振った。
「―――わからないですね。僕の覚えている限りでは、そんな案件はなかったと思うのですが・・・・しかし、一度調べてみますよ。あ―――ちょっと、事務所の方に寄ってもいいですか?資料を取ってきたいので」
「今からですか?もう遅いですし、明日にしたら・・・・」
「いや、すでに天宮は襲われてるんです。早いに越したことはない」
河合は真剣だった。
「―――必死ですね」
「え?」
「いえ・・・・じゃあ、いきましょう」
そう言って俺は、河合探偵社に向かって車を走らせたのだった・・・・・。
「あれえ、ひろくん、どうしたのこんな時間に」
車を降りたところで、ちょうど店から出てきた戸田と出くわした。
「裕太。今帰りか?」
「うん。刑事さんも一緒?また何かあったの?」
戸田がちらりと俺を見た。
「―――皐月が、襲われたんだ」
「ええ!?それ本当!?で、さっちゃんは!?今どこ!?」
時間にそぐわないような大声を出し、河合の肩を掴む戸田に、河合は顔を顰めた。
「落ち着け!お前、声でかいよ!」
「だって―――!」
「皐月は無事だよ。今は・・・・・樫本さんっていう刑事さんの家にいる」
「樫本さん?ああ、もう1人の人だ?」
と言って俺を見たので、俺は頷いて見せた。
「ふーん・・・・まあ、刑事の家なら安心だもんね」
と言って肩をすくめたものの、その表情は納得しているとは言い難かった。
口を尖らせ、眉間にしわを寄せたその顔は、どこかで見たような・・・・・・
―――あ、さっき、見たな。
ちらりと河合を盗み見る。
「―――で、ひろくんはこんな時間にここに何しに?」
「ちょっと、調べ物があって」
「ふーん・・・・。あ、そういえば。今日、うちの店にあの人が来てたよ」
戸田の言葉に、河合は首を傾げた。
「あの人?」
「うん。ほら、あの人。えーと、誰だっけ」
「おい・・・・・」
「ほら、あれ、さっちゃんの知り合いの―――」
「皐月の?」
河合の表情が変わった。
俺も、戸田の声に耳を傾ける。
「えーと・・・・あの、ちょっといかつい感じの、色の黒い・・・・・」
「―――安井?」
「そう!その人!」
戸田は漸く思い出せた達成感に笑っていたが、河合の顔は険しかった。
「―――安井というのは?」
俺の言葉に、河合が俺を見て口を開いた。
「天宮が、以前勤めていたホストクラブのオーナーです」
「確か、天宮さんをホストにスカウトしたって・・・・・」
「そうです。辞めてからも、頻繁に天宮に会いに来ていて・・・・・戸田の店で話すことも多かったよな」
河合の言葉に、戸田が頷いた。
「うん。かなりしつこかったよね~。でも、最近は来なくなってたじゃん」
「ああ・・・・・。陽介が話をつけたって・・・・・ここ3ヶ月くらいは、見てなかったけど。それで、安井はいつ頃きたんだ?」
「昼過ぎ―――2時くらいだったかなあ。コーヒー飲んで、その時は美樹ちゃんに何か話しかけてたんだ。で、何聞かれてたの?って聞いたら、今日、上の事務所にさっちゃんは来てるかって聞かれたって」
美樹ちゃんってのは、あのウェイトレスだ。
「皐月のことを聞いてったのか?それで、そのあとは?」
「コーヒーだけ飲んで、帰ったよ。俺も気になって、すぐにその後外に出てみたんだ。でも、事務所には目もくれずにまっすぐ駅に向かって歩いてったよ。だから、ほっとしてまた店に戻ったんだけど・・・・安井が、関係あるの?まさかさっちゃんを襲ったのって―――」
「いや、まだわからない。皐月も、顔は見てないんだ。ただ、皐月の部屋の鍵が開いてて、中に入ったら暗闇の中で急に襲われたって」
「んだよ、それ・・・・・マジで、さっちゃん危ないじゃん。ひろくんは?大丈夫?」
心配そうな戸田に、河合はちょっと笑って見せた。
「俺は、大丈夫。この後も、関さんに送ってもらうし」
「そっか・・・・気をつけてよね。じゃ、俺もう行くね。お休み」
「ん、お前も気をつけて帰れよ」
その言葉に、軽く手を振って去っていく戸田。
その姿を見送り、河合がぼそりと呟いた。
「―――安井が・・・・・」
「―――気になりますね」
「安井が怪しいと思いますか?」
「まだわかりませんが―――安井は、ウェイトレスに天宮さんのことを聞いている。それなのに、帰る時は事務所に目もくれずに去って行ったと・・・・不自然だと思いませんか?そこまで気になる相手のことだったら、当然その人物がいる方に目がいくものでしょう」
「そう・・・・ですね。確かに、不自然だ・・・・」
「―――行ってみますか?」
「え?」
河合が、俺の言葉に顔を上げた。
「安井のところへ―――」
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