5 / 9
3話
しおりを挟む
その後博喜に叩かれ気を取り戻した。
そうだ、入学前にイメチェンをしただけだ。気にするな
そう気持ちを切り替えて転校生達を追いかけた。
~食堂~
「久々にきたけどやっぱ賑わってるね~!」
「ああ、そうだな」
最近は新歓が終わり報告書を作成、提出などで忙しかった為、ずっとパンやおにぎりを委員会室で食べる生活を送っていた。仕事とはいえ、久々の温かい食堂のご飯は嬉しいものである。
そんな事を話しながら、転校生達のななめ後ろの席に座った。タッチパネルで料理を注文し、彼らの様子を監視し始めた。
「雫石はなにを食べる?」
「俺!オムライスがいい!!」
「雫石、プリンもあるが食べるか?」
「おう!食べる!!」
………ずいぶんと子供っぽいな。
会話を聞いていたが、やはり想像と違い困惑した。
もう何も想像してた奴とは違うと理解した俺は自分の描いていたヤンキー反抗期系転校生を捨てることにした。
しばらく転校生達を観察していると、俺たちの注文していた、きのこのグラタンと和食御膳が届いた。
博喜と共に手を合わせ食前の挨拶を終えると、俺はグラタンを口の中に放り投げた
「やはり、温かいご飯って最高だね~!」
「そうだな」
うん、うまい。熱くなければ掻き込みたいくらいにうまい。
転校生も特に問題を起こしそうにないし、このまま何事もなければ転校生の今後の監視はいらないだろうなと思い始めていた時、鼓膜が破れるくらいの悲鳴が起きた。
「キャーー!!!!!会長様!!!!!!」
「抱いてー!!!ー!!!」
「犬元様頭なでなでさせてー!!ーー!」
「如月様!!踏んで!!!!」
「東雲さまーー!!!!今日もお美しいー!!!!」
「四十物様!今夜空いてませんか、、?」
耳を塞ぎそびれた。
男子校とは思えないような甲高い悲鳴がホールに響き、頭がガンガンする。
生徒会による体調不良に苦しんでいると、博喜が露骨に嫌な顔をしながら吐き捨てた
「生徒会じゃん、こんな時に最悪」
「そうだな……」
何故こんなに騒がしくなっているのか、それは生徒会メンバーは皆、抱かれたいランキング上位者の集まりだからである。ランキング上位者は学園でとてつもない人気がある。(俺を除いて)そして皆αである。生徒達は、彼らの圧倒的なαな力に酔いしれているのだ。
それにしても何故今日は生徒会全員で食堂に来るのか。普段はバラバラで来て、2階の生徒会専用バルコニーで食事をしているはずだが……
すると生徒会副会長である東雲 雪(しののめ ゆき)
がこちらに向かって笑顔で歩いて来た。
「雫石!!!」
嫌な予感って当たるんだな。委員長………
「ウゲ!!!今朝俺にキ、キスしてきた野郎!!!」
あ゛あ゛………副会長なにをしてくれたんだ。
あんたの親衛隊もう怒り狂ってる様子だ………
「「えーー!!雪ちゃん潔癖っぽいのにチューしちゃったの?!?!?意外ー!」」
「雪ちゃん、大胆ー!!」
「んっ」
「ふーん、お前がな……面白いな」
………
そこからはもう地獄絵図だった。
副会長は、転校生に偽の笑顔を指摘されて気に入る。
双子は、どっちでしょうゲームを転校生見事当ててみせた事で気にいるし。
会計は自分の男遊びについて転校生に注意され、何故か感動して気にいる。
書記は、自分の話している事を理解してもらえた事で転校生を気に入った。
しかも皆口を揃えて、"運命だ"などと言うのだから。
そこまでΩのフェロモンってものはいいのだろうか。
何度も割り込んで止めようと思った。先程委員長にも連絡をしたが、待機命令を出された為、本来の仕事であった監視を徹底していた。
「委員長が来るまで待機だ」
「アイアイサー」
俺の声は震えていた。明日の事は考えない方がいい。
しばらく監視続けていると、遂に会長が動いた。
「おい、お前らコイツのどこが良いんだ?清潔感のないアフロに子供みてぇな言動の奴じゃねぇかよ。」
か、会長!会長は学園の期待の星だ!そのままでいてくれ…!!!
「おい!そんなこと言っちゃダメなんだぞ!人の悪口をいう奴は将来天国に行けないって叔父さんがいってたからな!!そんなことをいう奴は俺が一から叩き直してやってやる!!」
「会長様に何生意気なこと言っているのよ!!!!」
「ふざけんじゃねぇぞアフロ野郎!!!!!」
意識が飛びそうだ。何故煽るような事を言う。もうしばらくは働き詰めだな……
「ふふあはッ…………ひひっ」
「」
横をみたら博喜か笑っていた。怖い。
「ほーん、この俺に盾つくとはな」
俺と博喜はバッと会長の方を見た。
食堂にいる全生徒のゴクリと息を呑む音が聞こえる。
「気に入った」
"気に入った"その言葉を聞いた瞬間駆け出した。
終わる。終わる。
流石に会長は良くない。顔を近づけるな。
口との接触を避けろ。
その一心で転校生と会長に駆け寄った。
「チュッ」
今日一番の悲鳴が食堂中に響き渡った。
そうだ、入学前にイメチェンをしただけだ。気にするな
そう気持ちを切り替えて転校生達を追いかけた。
~食堂~
「久々にきたけどやっぱ賑わってるね~!」
「ああ、そうだな」
最近は新歓が終わり報告書を作成、提出などで忙しかった為、ずっとパンやおにぎりを委員会室で食べる生活を送っていた。仕事とはいえ、久々の温かい食堂のご飯は嬉しいものである。
そんな事を話しながら、転校生達のななめ後ろの席に座った。タッチパネルで料理を注文し、彼らの様子を監視し始めた。
「雫石はなにを食べる?」
「俺!オムライスがいい!!」
「雫石、プリンもあるが食べるか?」
「おう!食べる!!」
………ずいぶんと子供っぽいな。
会話を聞いていたが、やはり想像と違い困惑した。
もう何も想像してた奴とは違うと理解した俺は自分の描いていたヤンキー反抗期系転校生を捨てることにした。
しばらく転校生達を観察していると、俺たちの注文していた、きのこのグラタンと和食御膳が届いた。
博喜と共に手を合わせ食前の挨拶を終えると、俺はグラタンを口の中に放り投げた
「やはり、温かいご飯って最高だね~!」
「そうだな」
うん、うまい。熱くなければ掻き込みたいくらいにうまい。
転校生も特に問題を起こしそうにないし、このまま何事もなければ転校生の今後の監視はいらないだろうなと思い始めていた時、鼓膜が破れるくらいの悲鳴が起きた。
「キャーー!!!!!会長様!!!!!!」
「抱いてー!!!ー!!!」
「犬元様頭なでなでさせてー!!ーー!」
「如月様!!踏んで!!!!」
「東雲さまーー!!!!今日もお美しいー!!!!」
「四十物様!今夜空いてませんか、、?」
耳を塞ぎそびれた。
男子校とは思えないような甲高い悲鳴がホールに響き、頭がガンガンする。
生徒会による体調不良に苦しんでいると、博喜が露骨に嫌な顔をしながら吐き捨てた
「生徒会じゃん、こんな時に最悪」
「そうだな……」
何故こんなに騒がしくなっているのか、それは生徒会メンバーは皆、抱かれたいランキング上位者の集まりだからである。ランキング上位者は学園でとてつもない人気がある。(俺を除いて)そして皆αである。生徒達は、彼らの圧倒的なαな力に酔いしれているのだ。
それにしても何故今日は生徒会全員で食堂に来るのか。普段はバラバラで来て、2階の生徒会専用バルコニーで食事をしているはずだが……
すると生徒会副会長である東雲 雪(しののめ ゆき)
がこちらに向かって笑顔で歩いて来た。
「雫石!!!」
嫌な予感って当たるんだな。委員長………
「ウゲ!!!今朝俺にキ、キスしてきた野郎!!!」
あ゛あ゛………副会長なにをしてくれたんだ。
あんたの親衛隊もう怒り狂ってる様子だ………
「「えーー!!雪ちゃん潔癖っぽいのにチューしちゃったの?!?!?意外ー!」」
「雪ちゃん、大胆ー!!」
「んっ」
「ふーん、お前がな……面白いな」
………
そこからはもう地獄絵図だった。
副会長は、転校生に偽の笑顔を指摘されて気に入る。
双子は、どっちでしょうゲームを転校生見事当ててみせた事で気にいるし。
会計は自分の男遊びについて転校生に注意され、何故か感動して気にいる。
書記は、自分の話している事を理解してもらえた事で転校生を気に入った。
しかも皆口を揃えて、"運命だ"などと言うのだから。
そこまでΩのフェロモンってものはいいのだろうか。
何度も割り込んで止めようと思った。先程委員長にも連絡をしたが、待機命令を出された為、本来の仕事であった監視を徹底していた。
「委員長が来るまで待機だ」
「アイアイサー」
俺の声は震えていた。明日の事は考えない方がいい。
しばらく監視続けていると、遂に会長が動いた。
「おい、お前らコイツのどこが良いんだ?清潔感のないアフロに子供みてぇな言動の奴じゃねぇかよ。」
か、会長!会長は学園の期待の星だ!そのままでいてくれ…!!!
「おい!そんなこと言っちゃダメなんだぞ!人の悪口をいう奴は将来天国に行けないって叔父さんがいってたからな!!そんなことをいう奴は俺が一から叩き直してやってやる!!」
「会長様に何生意気なこと言っているのよ!!!!」
「ふざけんじゃねぇぞアフロ野郎!!!!!」
意識が飛びそうだ。何故煽るような事を言う。もうしばらくは働き詰めだな……
「ふふあはッ…………ひひっ」
「」
横をみたら博喜か笑っていた。怖い。
「ほーん、この俺に盾つくとはな」
俺と博喜はバッと会長の方を見た。
食堂にいる全生徒のゴクリと息を呑む音が聞こえる。
「気に入った」
"気に入った"その言葉を聞いた瞬間駆け出した。
終わる。終わる。
流石に会長は良くない。顔を近づけるな。
口との接触を避けろ。
その一心で転校生と会長に駆け寄った。
「チュッ」
今日一番の悲鳴が食堂中に響き渡った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
88
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる