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第三十話 王都に無事に帰還
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そして、お昼前に王都に戻って軍の施設に着くとかなり大変なことになっていた。
先ずは、軍の施設に集まっていた面々で、王太子様と王太子妃様、それにニース様もアメリアさんに抱っこされながら私たちの到着を待っていた。
私たちが軍の施設に着くと、アメリアさんが私のところに慌てた様子でやってきたのだ。
「リンさん、オークの大群と遭遇したと聞いていますけど、本当に怪我はないんですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。その、オークキングも倒したけど何とか怪我なく帰って来ました」
「オークキングを相手にして無傷だなんて! リンさんは、本当にお強いのですね」
どうやらルーカス様がアーサー様に連絡したのを端に、各所に物凄い勢いで広まったみたいだった。
アメリアさんは私の体を心配そうにペタペタと触っていたけど、どうやら知らないうちに私たちはとんでもない事をしていたみたいだ。
「ワンワンだー!」
「ウォン!」
そして、ニース様はいつの間にかシルバとじゃれ合っていた。
うん、ここでニース様に血みどろな話はしなくていいでしょう。
しかし、まだまだ次の話が待っていた。
「リン、悪いが一旦どのくらいのオークを倒したかを見せてくれ。訓練場を空けてある」
元々どのくらいのオークを倒したかを報告する必要があるので、王太子様からの話は渡りに船です。
いつの間にかシルバにニース様が乗っているけど、王太子妃様が側についているから大丈夫でしょう。
ということでみんなで訓練場に向かい、私は魔法袋から大量の魔物を取り出した。
シュイン、ドサドサ。
「おー!」
「ウォン!」
「「「こ、これは……」」」
小山になっている倒したオークを見て、まだ良く分かっていないニース様はシルバと共に大はしゃぎしていた。
しかし、他のものは余りの光景に言葉を失っていた。
特に、頭部を失ったオークキングにかなりの衝撃を受けていた。
その他にもオオカミや大蛇も多数倒しているが、全てスラちゃんが血抜きを終えている。
「確かに、これだけの魔物が街道を襲ったらとんでもないことになるわね……」
「義姉上、私も同感です。最初にオークキングを見た時は、度肝を抜かれましたぞ」
王太子妃様とアーサー様がオークキングを触りながら話をしていたけど、もし大きな街道にオークキングが現れていたらとんでもない被害になるのは目に見えている。
オークの大群でさえ一般の人たちにとってはかなりの脅威なので、そういう意味では早めに倒して良かったと思う。
ちなみに、オークが現れた周囲の森をシルバとスラちゃんが確認したけど、もう大丈夫だと言っていた。
しかし、念の為に明日ももう一度巡回することにしている。
そして、ルーカス様があることを私に指示した。
「リン、悪いが何回かに分けて倒した魔物を卸してくれ。軍と言えども、流石に一度にこの数はさばけない」
流通の問題もあるので、少しずつ魔法袋にしまっている魔物を卸すことになった。
今日は先にオークとオークキング以外の魔物を卸して、一週間後に別のものを卸すことにした。
そして、詳しい話をするために王城の王家専用食堂に行くことになった。
「わー!」
「ウォン、ウォン!」
「ふふ、ニースはシルバと遊べてご機嫌ね」
王城は軍の施設の隣なのでみんなで歩いて行ったが、ニース様は相変わらずシルバに乗ってご機嫌だった。
スラちゃんがニース様が落ちないように押さえているし、王太子妃様も側にいるので大丈夫でしょう。
そして、既に食堂で待っていた陛下、王妃様、王太后様に王太子様が何があったかを報告すると、またもやかなりの驚きとなってしまった。
「なんと、そんな事が起きていたのか。国民に被害が起きていなくて良かった。それに、リンは息子を助けた事にもなる。ルーカスの父親として感謝する」
「あのあのあの、私は出来ることをしただけです。それに、オークキングは最初から私を攻撃していて、倒さないと私も殺されると必死だったので……」
「ありがとう。しかし、オークキングは強いものを見定めて攻撃するという。その強いものが、ルーカスではなくリンというのも複雑な心境だがな」
陛下が私に頭を下げたので、私はオークキングに襲われた時よりもワタワタしてしまった。
それに、オークキングを倒した時は本当に必死だったから、そこまで周囲に気を配る余裕はなかったんだよね。
「父上、恐れながらある提案がございます」
「ふむ、なるほど。直ぐに手配しよう」
すると、ルーカス様が私をチラリと見てから陛下に耳打ちをした。
陛下も私をチラリと見て直ぐに動いたけど、何のことだか全く分からなかった。
そして、ルーカス様が改めて私のところにやってきた。
ギュッ。
「リン、本当に今日は助かった。感謝してもしきれない。改めて、お礼をしよう」
「あのあのあの、私も必死でしたから。それでも、何とかなって良かったです」
わあっ!
ルーカス様が、私の手を握りながら王子様スマイルでお礼を言ってきたよ!
いきなりの不意打ちだったから、柄になくときめいてしまった。
落ち着け、落ち着け私。
目の前にいるのは、私よりも年下の未成年だ。
……全然未成年に見えない、超イケメンだけど。
こうして何とか気持ちを落ち着かせて昼食を食べたのだが、王妃様とマリア様があらあらと先程の光景を微笑ましく見ていたのだった。
激しい戦闘があったのでまた明日軍の施設に行くことになり、今日は昼食後に解散となった。
そして、私は半日ぶりに武器屋に行ったのだった。
「ははは、これは派手にやったな。まあ、オークキング相手じゃ仕方ねーな」
そうです、刀身が半分消滅した剣の修理を頼みに来たのです。
親方は上機嫌に壊れた剣を手にしていたけど、残念ながらもう修理は不可能とのことでした。
すると、親方はとんでもない事を言ってきた。
「コイツは、オークキングを倒した剣として飾っておこう。新しい剣を打ってやるから、暫くしたら来い」
「えー! こんなボロボロの剣を飾るなんて、とても恥ずかしいですよ!」
「バカ言え! キチンとした戦いの証拠として、とても価値があるんだぞ。殿下をお守りして、尚且つオークキングを倒したのだから尚更だ!」
親方曰く、軍の証言付きなのでこの壊れた剣はかなりの価値があるという。
それこそ、オークションにかければ高値で取引されるという。
私的には、壊したものを飾られるというある意味辱めを受けているのですけど……
とにかく、次は剣を壊さないように魔力制御をもっと頑張ろうと心に誓ったのだった。
先ずは、軍の施設に集まっていた面々で、王太子様と王太子妃様、それにニース様もアメリアさんに抱っこされながら私たちの到着を待っていた。
私たちが軍の施設に着くと、アメリアさんが私のところに慌てた様子でやってきたのだ。
「リンさん、オークの大群と遭遇したと聞いていますけど、本当に怪我はないんですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。その、オークキングも倒したけど何とか怪我なく帰って来ました」
「オークキングを相手にして無傷だなんて! リンさんは、本当にお強いのですね」
どうやらルーカス様がアーサー様に連絡したのを端に、各所に物凄い勢いで広まったみたいだった。
アメリアさんは私の体を心配そうにペタペタと触っていたけど、どうやら知らないうちに私たちはとんでもない事をしていたみたいだ。
「ワンワンだー!」
「ウォン!」
そして、ニース様はいつの間にかシルバとじゃれ合っていた。
うん、ここでニース様に血みどろな話はしなくていいでしょう。
しかし、まだまだ次の話が待っていた。
「リン、悪いが一旦どのくらいのオークを倒したかを見せてくれ。訓練場を空けてある」
元々どのくらいのオークを倒したかを報告する必要があるので、王太子様からの話は渡りに船です。
いつの間にかシルバにニース様が乗っているけど、王太子妃様が側についているから大丈夫でしょう。
ということでみんなで訓練場に向かい、私は魔法袋から大量の魔物を取り出した。
シュイン、ドサドサ。
「おー!」
「ウォン!」
「「「こ、これは……」」」
小山になっている倒したオークを見て、まだ良く分かっていないニース様はシルバと共に大はしゃぎしていた。
しかし、他のものは余りの光景に言葉を失っていた。
特に、頭部を失ったオークキングにかなりの衝撃を受けていた。
その他にもオオカミや大蛇も多数倒しているが、全てスラちゃんが血抜きを終えている。
「確かに、これだけの魔物が街道を襲ったらとんでもないことになるわね……」
「義姉上、私も同感です。最初にオークキングを見た時は、度肝を抜かれましたぞ」
王太子妃様とアーサー様がオークキングを触りながら話をしていたけど、もし大きな街道にオークキングが現れていたらとんでもない被害になるのは目に見えている。
オークの大群でさえ一般の人たちにとってはかなりの脅威なので、そういう意味では早めに倒して良かったと思う。
ちなみに、オークが現れた周囲の森をシルバとスラちゃんが確認したけど、もう大丈夫だと言っていた。
しかし、念の為に明日ももう一度巡回することにしている。
そして、ルーカス様があることを私に指示した。
「リン、悪いが何回かに分けて倒した魔物を卸してくれ。軍と言えども、流石に一度にこの数はさばけない」
流通の問題もあるので、少しずつ魔法袋にしまっている魔物を卸すことになった。
今日は先にオークとオークキング以外の魔物を卸して、一週間後に別のものを卸すことにした。
そして、詳しい話をするために王城の王家専用食堂に行くことになった。
「わー!」
「ウォン、ウォン!」
「ふふ、ニースはシルバと遊べてご機嫌ね」
王城は軍の施設の隣なのでみんなで歩いて行ったが、ニース様は相変わらずシルバに乗ってご機嫌だった。
スラちゃんがニース様が落ちないように押さえているし、王太子妃様も側にいるので大丈夫でしょう。
そして、既に食堂で待っていた陛下、王妃様、王太后様に王太子様が何があったかを報告すると、またもやかなりの驚きとなってしまった。
「なんと、そんな事が起きていたのか。国民に被害が起きていなくて良かった。それに、リンは息子を助けた事にもなる。ルーカスの父親として感謝する」
「あのあのあの、私は出来ることをしただけです。それに、オークキングは最初から私を攻撃していて、倒さないと私も殺されると必死だったので……」
「ありがとう。しかし、オークキングは強いものを見定めて攻撃するという。その強いものが、ルーカスではなくリンというのも複雑な心境だがな」
陛下が私に頭を下げたので、私はオークキングに襲われた時よりもワタワタしてしまった。
それに、オークキングを倒した時は本当に必死だったから、そこまで周囲に気を配る余裕はなかったんだよね。
「父上、恐れながらある提案がございます」
「ふむ、なるほど。直ぐに手配しよう」
すると、ルーカス様が私をチラリと見てから陛下に耳打ちをした。
陛下も私をチラリと見て直ぐに動いたけど、何のことだか全く分からなかった。
そして、ルーカス様が改めて私のところにやってきた。
ギュッ。
「リン、本当に今日は助かった。感謝してもしきれない。改めて、お礼をしよう」
「あのあのあの、私も必死でしたから。それでも、何とかなって良かったです」
わあっ!
ルーカス様が、私の手を握りながら王子様スマイルでお礼を言ってきたよ!
いきなりの不意打ちだったから、柄になくときめいてしまった。
落ち着け、落ち着け私。
目の前にいるのは、私よりも年下の未成年だ。
……全然未成年に見えない、超イケメンだけど。
こうして何とか気持ちを落ち着かせて昼食を食べたのだが、王妃様とマリア様があらあらと先程の光景を微笑ましく見ていたのだった。
激しい戦闘があったのでまた明日軍の施設に行くことになり、今日は昼食後に解散となった。
そして、私は半日ぶりに武器屋に行ったのだった。
「ははは、これは派手にやったな。まあ、オークキング相手じゃ仕方ねーな」
そうです、刀身が半分消滅した剣の修理を頼みに来たのです。
親方は上機嫌に壊れた剣を手にしていたけど、残念ながらもう修理は不可能とのことでした。
すると、親方はとんでもない事を言ってきた。
「コイツは、オークキングを倒した剣として飾っておこう。新しい剣を打ってやるから、暫くしたら来い」
「えー! こんなボロボロの剣を飾るなんて、とても恥ずかしいですよ!」
「バカ言え! キチンとした戦いの証拠として、とても価値があるんだぞ。殿下をお守りして、尚且つオークキングを倒したのだから尚更だ!」
親方曰く、軍の証言付きなのでこの壊れた剣はかなりの価値があるという。
それこそ、オークションにかければ高値で取引されるという。
私的には、壊したものを飾られるというある意味辱めを受けているのですけど……
とにかく、次は剣を壊さないように魔力制御をもっと頑張ろうと心に誓ったのだった。
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