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第三十四話 怒涛の一ヵ月が過ぎていきます
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一ヶ月後にアーサー様とアメリアさんの婚約披露パーティーが開かれるので、その間私は何故かアーサー様とアメリアさんの業務の穴埋めに翻弄されることになってしまった。
と言っても、主に各施設での治療と軍との害獣駆除だが。
薬草採取の頻度を少なくすれば済むので私的にはそこまで負担ではなかったのだが、全然別件で翻弄される事になってしまったのだ。
例えば、教会での治療の一幕を例にするとこんな感じだった。
「おお、今日は嬢ちゃん一人か。聖女様はどうした?」
「アメリアさんは、婚約披露パーティーの準備でお休みです。確か、国民にも周知してありましたよね?」
「おお、そうだった。聖女様と王子様の婚約とは、めでたい話だね」
こんな感じで、町の人がアメリアさんの不在を私に問いかけてきた。
既にアメリアさんとアーサー様の婚約は国民にも周知されているので問題ない。
町の人も、優しいアメリアさんが無事に幼馴染と婚約できて良かったと好意的に受け止めていた。
この辺は特に問題ないのだが、たまに余計な質問を私にしてくる人がいた。
「そういえば、嬢ちゃんも聖女様と同じ年だったな。嬢ちゃんに良い人は居ないのかい?」
もわんもわんもわーん、ボッ。
「うお!? なんだなんだ嬢ちゃんよ、いきなり顔を真っ赤にして」
どうも、この前の謁見の後の応接室での話で余計な事を言っていた何処かの国の第三王子様の顔が、頻繁に脳裏に浮かぶようになっていたのだ。
しかも、何故か婚約者とか恋人とかのキーワードに反応してしまった。
いきなりの私の表情の変化に、誂ってくる人もいれば心配そうにしてくる人もいた。
「おやおや、リンも初心じゃのう」
そして、こういう時に必ずその第三王子様の妹君と一緒になっていて、私のことをニヤニヤとした視線で見てきていたのだった。
ちなみに、脳裏に浮かんだ第三王子様の祖母が一緒の時も、ニヤニヤとした視線を私に向けていた。
うう、何だか完全に調子が狂っていた。
「リン、どうした? 調子でも悪いのか?」
「何でもないです……」
「??? そうか、無理はするなよ」
そして、アーサー様の代打として軍と害獣駆除をする時は、必ずルーカス様と一緒になった。
ルーカス様と接する機会もだいぶ増えたので、普通にしている分には全く問題なかった。
まあ、私の気持ちの持ちようだと、ここは頭を切り替えていた。
ワシャワシャ。
「ウォン、ウォーン!」
「おっ、ここが気持ちいいか」
「ははは、相変わらず人懐っこい奴だな」
そして、そんな私を尻目にシルバはすっかり仲良くなったベテラン兵にお腹をワシャワシャされてご満悦そうだった。
人に慣れているオオカミはいるが、ここまで人懐っこいのは初めてらしい。
まあ、シルバは本能で良い人にはデレデレになる程だもんなあ。
肝心の害獣駆除は、特に問題はなかった。
オーク騒ぎで生態系や縄張りが少し変わったみたいだけど、こればっかりはもう少し様子見をしないとならないらしい。
ズバッ、ズバッ!
ドサッ。
「嬢ちゃんの剣は、とんでもない切れ味だな。まあ、嬢ちゃんの魔力量だと、本気出すとミスリル製じゃ持たないだろうな」
周囲に兵だけいるところでミスリル製の剣を使っていたが、なんというか切れすぎて怖かった。
動物の硬い骨とかも、豆腐を切るが如くあまり手応えない感触で切れた。
ベテラン兵は私の剣を見て納得していたが流石に余りにも剣の切れ味が凄すぎるので、ミスリル製の剣は非常時用にして普段は魔鉄製の剣を使うことにした。
こうして無事に街道沿いの害獣駆除が終わり王都の軍の施設に戻ると、何故か毎回恒例となってしまった行事があった。
ガシッ。
「リン、今日も無事に終わった。本当にありがとう」
「わわっ!」
「「「ニヤニヤ」」」
何故か、ルーカス様が私の手を握って王子様スマイルでお礼を言ってくるのです。
私は毎回顔を真っ赤にして俯いちゃうので、兵も毎回私とルーカス様のやり取りをニヤニヤしながら見ていた。
未だにルーカス様の王子様スマイルには慣れないし、私にこんな乙女心があるのかと認識してしまった。
これが、ガチムチなアーサー様だったら乙女のようにときめくことはなかったかもしれない。
そう思うと、まるでリアル美女と野獣のアメリアさんとアーサー様は幼い頃からお互いが好きだったんだ。
ちなみに、私とルーカス様のやり取りを見てシルバは何のことだか良くわかっていなかったけどスラちゃんはバッチリと理解していた。
どうも、スラちゃんはこの前オークキングなどの大量の血抜きをしてパワーアップしたみたいです。
とはいえ、スラちゃんはとても賢いので余計な事は言ってきません。
こんな感じで、怒涛の一ヶ月間が過ぎて行きました。
と言っても、主に各施設での治療と軍との害獣駆除だが。
薬草採取の頻度を少なくすれば済むので私的にはそこまで負担ではなかったのだが、全然別件で翻弄される事になってしまったのだ。
例えば、教会での治療の一幕を例にするとこんな感じだった。
「おお、今日は嬢ちゃん一人か。聖女様はどうした?」
「アメリアさんは、婚約披露パーティーの準備でお休みです。確か、国民にも周知してありましたよね?」
「おお、そうだった。聖女様と王子様の婚約とは、めでたい話だね」
こんな感じで、町の人がアメリアさんの不在を私に問いかけてきた。
既にアメリアさんとアーサー様の婚約は国民にも周知されているので問題ない。
町の人も、優しいアメリアさんが無事に幼馴染と婚約できて良かったと好意的に受け止めていた。
この辺は特に問題ないのだが、たまに余計な質問を私にしてくる人がいた。
「そういえば、嬢ちゃんも聖女様と同じ年だったな。嬢ちゃんに良い人は居ないのかい?」
もわんもわんもわーん、ボッ。
「うお!? なんだなんだ嬢ちゃんよ、いきなり顔を真っ赤にして」
どうも、この前の謁見の後の応接室での話で余計な事を言っていた何処かの国の第三王子様の顔が、頻繁に脳裏に浮かぶようになっていたのだ。
しかも、何故か婚約者とか恋人とかのキーワードに反応してしまった。
いきなりの私の表情の変化に、誂ってくる人もいれば心配そうにしてくる人もいた。
「おやおや、リンも初心じゃのう」
そして、こういう時に必ずその第三王子様の妹君と一緒になっていて、私のことをニヤニヤとした視線で見てきていたのだった。
ちなみに、脳裏に浮かんだ第三王子様の祖母が一緒の時も、ニヤニヤとした視線を私に向けていた。
うう、何だか完全に調子が狂っていた。
「リン、どうした? 調子でも悪いのか?」
「何でもないです……」
「??? そうか、無理はするなよ」
そして、アーサー様の代打として軍と害獣駆除をする時は、必ずルーカス様と一緒になった。
ルーカス様と接する機会もだいぶ増えたので、普通にしている分には全く問題なかった。
まあ、私の気持ちの持ちようだと、ここは頭を切り替えていた。
ワシャワシャ。
「ウォン、ウォーン!」
「おっ、ここが気持ちいいか」
「ははは、相変わらず人懐っこい奴だな」
そして、そんな私を尻目にシルバはすっかり仲良くなったベテラン兵にお腹をワシャワシャされてご満悦そうだった。
人に慣れているオオカミはいるが、ここまで人懐っこいのは初めてらしい。
まあ、シルバは本能で良い人にはデレデレになる程だもんなあ。
肝心の害獣駆除は、特に問題はなかった。
オーク騒ぎで生態系や縄張りが少し変わったみたいだけど、こればっかりはもう少し様子見をしないとならないらしい。
ズバッ、ズバッ!
ドサッ。
「嬢ちゃんの剣は、とんでもない切れ味だな。まあ、嬢ちゃんの魔力量だと、本気出すとミスリル製じゃ持たないだろうな」
周囲に兵だけいるところでミスリル製の剣を使っていたが、なんというか切れすぎて怖かった。
動物の硬い骨とかも、豆腐を切るが如くあまり手応えない感触で切れた。
ベテラン兵は私の剣を見て納得していたが流石に余りにも剣の切れ味が凄すぎるので、ミスリル製の剣は非常時用にして普段は魔鉄製の剣を使うことにした。
こうして無事に街道沿いの害獣駆除が終わり王都の軍の施設に戻ると、何故か毎回恒例となってしまった行事があった。
ガシッ。
「リン、今日も無事に終わった。本当にありがとう」
「わわっ!」
「「「ニヤニヤ」」」
何故か、ルーカス様が私の手を握って王子様スマイルでお礼を言ってくるのです。
私は毎回顔を真っ赤にして俯いちゃうので、兵も毎回私とルーカス様のやり取りをニヤニヤしながら見ていた。
未だにルーカス様の王子様スマイルには慣れないし、私にこんな乙女心があるのかと認識してしまった。
これが、ガチムチなアーサー様だったら乙女のようにときめくことはなかったかもしれない。
そう思うと、まるでリアル美女と野獣のアメリアさんとアーサー様は幼い頃からお互いが好きだったんだ。
ちなみに、私とルーカス様のやり取りを見てシルバは何のことだか良くわかっていなかったけどスラちゃんはバッチリと理解していた。
どうも、スラちゃんはこの前オークキングなどの大量の血抜きをしてパワーアップしたみたいです。
とはいえ、スラちゃんはとても賢いので余計な事は言ってきません。
こんな感じで、怒涛の一ヶ月間が過ぎて行きました。
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