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第三十五話 いよいよアーサー様とアメリアさんの婚約披露パーティーの日です
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そして、あっという間にアーサー様とアメリアさんの婚約披露パーティーの日になった。
私は、朝早くから治療兵の服を着て身だしなみを整えていた。
「ウォン、ウォン!」
「シルバも、いつもよりも綺麗にしないといけないわね」
「ウォン!」
シルバには、生活魔法で毛並みを綺麗にしてから武器工房謹製のブラシで毛並みを梳かしていった。
シルバの毛並みはふさふさなので、綺麗に整えると良い光沢が生まれる。
スラちゃんにもバッチリだと言われ、シルバはかなりご機嫌だった。
そして、朝食を食べてから王城に向かった。
ドタバタドタバタ。
王城内を多くの使用人が忙しそうに行き来しているが、こう見ると今日婚約披露パーティーが開かれるのだと実感した。
そんな中、私は一足先に会場となる大部屋に向かった。
「よお、朝早くから悪いな。本来は来賓だろうが、折角なので手伝って貰うことにした」
「ウォン!」
大部屋には既にダイン様が兵を率いていて、不審なものがないか念入りに確認していた。
こういう探し物なら大得意だとシルバが尻尾をブンブンと振りながらアピールしていて、早速スラちゃんと共に大部屋内を探索し始めた。
しかし、体育館くらいの広さは余裕であるな。
これだけの広さなのだから、数多くの貴族や官僚が集まるのだろう。
その分、軍も普段よりも警備を強化するのは当然だ。
ではでは、私は最近覚えた探索魔法を使って大部屋の中を調べよう。
シュイン、もわーん。
「ワフッ?」
あれ?
私の探索魔法とシルバの嗅覚が、同時に同じ物を捉えた。
大部屋の隅っこに移動すると、何やら小さな箱型の物が落ちていた。
えーっと、嫌な予感がするから鑑定魔法を使っておこう。
シュイン、もわーん。
あっ、これはアカン。
私は、直ぐにダイン様に声を掛けた。
「ダイン様、部屋の隅に盗聴用の魔導具が置かれていました」
「はあ!? なんでそんな物があるんだよ」
ダイン様も完全に予想外の物が出てきたらしく、素っ頓狂な声を出しながら私たちのところにやってきた。
そして、別の鑑定魔法が使える兵が怪しい魔導具を鑑定した。
「確かに盗聴用魔導具と出ております。持ち主は、ヘーベル子爵です」
「あの権力欲馬鹿かよ。直ぐに国王陛下に報告するように」
「はっ」
ダイン様は、直ぐ様兵に指示を出していた。
しかも、私の鑑定魔法だとどんな物かしか分からないけど、あの兵は持ち主までピタリと当てていた。
やはり、軍の兵って魔法も凄いんだ。
「リン、シルバ、よくやった。この調子でドンドンと不審なものを見つけてくれ」
「畏まりました」
「ウォン!」
ダイン様に褒められた私とシルバは、その後も大部屋の中を捜索していた。
幸いなことに怪しい魔導具はこの一つだけだったけど、壊れている椅子や机を見つけることが出来た。
一時間かけてじっくりと大部屋を確認したし、これで大丈夫でしょう。
すると、大部屋に入ってきた使用人がダイン様に声をかけてきた。
「ライアン伯爵様、大部屋で発見した物について陛下がお呼びです」
「そうか、直ぐに行く。リンもついてこい」
「ウォン」
シルバ、毎回言うけど私よりも先に返事をしないの。
使用人も大部屋にいる兵も、思わずクスクスとしているよ。
私とスラちゃんは、全くもうと少し呆れながらダイン様の後をついて行った。
私たちは王城内の会議室に案内され、既に陛下と王太子様が席に着いていた。
「陛下、殿下、遅くなり申し訳ありません」
「いや、仕事中に呼んだのは余の方だ。それにしても、とんでもないものを見つけたな。ヘーベル子爵を呼び出して、ルーカスに聴取させている」
流石は陛下、既に手を打っているとは。
王太子様も仕事がかなりできると聞いているし、王家は本当に万能なんだ。
すると、今度は陛下が私に話しかけてきた。
「ヘーベル子爵は婚約披露パーティー出禁だが、本番では誰が何をしてくるか分からぬ。そこで、シルバはアーサーとアメリアの側につかせ、スラちゃんをニースの側につかせる。リンも、周囲の様子を気にするように」
「畏まりま……」
「ウォン!」
だからシルバ、私が返事する前に元気よく返事をしないの。
二回連続だったので、スラちゃんが触手でシルバの頭をポカリと叩いていた。
何にせよ、先ずはアーサー様とアメリアさんの婚約披露パーティーを成功させないといけないし、その為には私も全力を出すつもりだ。
すると、ふんすと握りこぶしを作ってやる気満々の私を見たダイン様が、思わず苦笑していたのだ。
「リン、張り切るのはいいがやり過ぎるなよ。流石に、今日はめでたい日なのだから」
失礼な、私だってそのくらい分かっています。
ぶん殴るのは、大部屋から連れ出した後ですよ。
流石に、公衆の面前で大立ち回りはしません。
そう言うと、陛下と王太子様までもが苦笑していた。
何にせよ、婚約披露パーティーを壊そうとする人にはキッチリと成敗しますよ。
私は、朝早くから治療兵の服を着て身だしなみを整えていた。
「ウォン、ウォン!」
「シルバも、いつもよりも綺麗にしないといけないわね」
「ウォン!」
シルバには、生活魔法で毛並みを綺麗にしてから武器工房謹製のブラシで毛並みを梳かしていった。
シルバの毛並みはふさふさなので、綺麗に整えると良い光沢が生まれる。
スラちゃんにもバッチリだと言われ、シルバはかなりご機嫌だった。
そして、朝食を食べてから王城に向かった。
ドタバタドタバタ。
王城内を多くの使用人が忙しそうに行き来しているが、こう見ると今日婚約披露パーティーが開かれるのだと実感した。
そんな中、私は一足先に会場となる大部屋に向かった。
「よお、朝早くから悪いな。本来は来賓だろうが、折角なので手伝って貰うことにした」
「ウォン!」
大部屋には既にダイン様が兵を率いていて、不審なものがないか念入りに確認していた。
こういう探し物なら大得意だとシルバが尻尾をブンブンと振りながらアピールしていて、早速スラちゃんと共に大部屋内を探索し始めた。
しかし、体育館くらいの広さは余裕であるな。
これだけの広さなのだから、数多くの貴族や官僚が集まるのだろう。
その分、軍も普段よりも警備を強化するのは当然だ。
ではでは、私は最近覚えた探索魔法を使って大部屋の中を調べよう。
シュイン、もわーん。
「ワフッ?」
あれ?
私の探索魔法とシルバの嗅覚が、同時に同じ物を捉えた。
大部屋の隅っこに移動すると、何やら小さな箱型の物が落ちていた。
えーっと、嫌な予感がするから鑑定魔法を使っておこう。
シュイン、もわーん。
あっ、これはアカン。
私は、直ぐにダイン様に声を掛けた。
「ダイン様、部屋の隅に盗聴用の魔導具が置かれていました」
「はあ!? なんでそんな物があるんだよ」
ダイン様も完全に予想外の物が出てきたらしく、素っ頓狂な声を出しながら私たちのところにやってきた。
そして、別の鑑定魔法が使える兵が怪しい魔導具を鑑定した。
「確かに盗聴用魔導具と出ております。持ち主は、ヘーベル子爵です」
「あの権力欲馬鹿かよ。直ぐに国王陛下に報告するように」
「はっ」
ダイン様は、直ぐ様兵に指示を出していた。
しかも、私の鑑定魔法だとどんな物かしか分からないけど、あの兵は持ち主までピタリと当てていた。
やはり、軍の兵って魔法も凄いんだ。
「リン、シルバ、よくやった。この調子でドンドンと不審なものを見つけてくれ」
「畏まりました」
「ウォン!」
ダイン様に褒められた私とシルバは、その後も大部屋の中を捜索していた。
幸いなことに怪しい魔導具はこの一つだけだったけど、壊れている椅子や机を見つけることが出来た。
一時間かけてじっくりと大部屋を確認したし、これで大丈夫でしょう。
すると、大部屋に入ってきた使用人がダイン様に声をかけてきた。
「ライアン伯爵様、大部屋で発見した物について陛下がお呼びです」
「そうか、直ぐに行く。リンもついてこい」
「ウォン」
シルバ、毎回言うけど私よりも先に返事をしないの。
使用人も大部屋にいる兵も、思わずクスクスとしているよ。
私とスラちゃんは、全くもうと少し呆れながらダイン様の後をついて行った。
私たちは王城内の会議室に案内され、既に陛下と王太子様が席に着いていた。
「陛下、殿下、遅くなり申し訳ありません」
「いや、仕事中に呼んだのは余の方だ。それにしても、とんでもないものを見つけたな。ヘーベル子爵を呼び出して、ルーカスに聴取させている」
流石は陛下、既に手を打っているとは。
王太子様も仕事がかなりできると聞いているし、王家は本当に万能なんだ。
すると、今度は陛下が私に話しかけてきた。
「ヘーベル子爵は婚約披露パーティー出禁だが、本番では誰が何をしてくるか分からぬ。そこで、シルバはアーサーとアメリアの側につかせ、スラちゃんをニースの側につかせる。リンも、周囲の様子を気にするように」
「畏まりま……」
「ウォン!」
だからシルバ、私が返事する前に元気よく返事をしないの。
二回連続だったので、スラちゃんが触手でシルバの頭をポカリと叩いていた。
何にせよ、先ずはアーサー様とアメリアさんの婚約披露パーティーを成功させないといけないし、その為には私も全力を出すつもりだ。
すると、ふんすと握りこぶしを作ってやる気満々の私を見たダイン様が、思わず苦笑していたのだ。
「リン、張り切るのはいいがやり過ぎるなよ。流石に、今日はめでたい日なのだから」
失礼な、私だってそのくらい分かっています。
ぶん殴るのは、大部屋から連れ出した後ですよ。
流石に、公衆の面前で大立ち回りはしません。
そう言うと、陛下と王太子様までもが苦笑していた。
何にせよ、婚約披露パーティーを壊そうとする人にはキッチリと成敗しますよ。
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