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ポチの45話 ポチちゃん王都に行くよ

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 おっちゃんとルーナちゃんのお母さんの結婚式が終わって一週間が経ったよ。
 商店街も冒険者もいつも通りで、ポチもミッケちゃんもルーナちゃんもお手伝いを続けているよ。
 今日はパン屋さんでのお手伝いなんだ。

「いらっしゃーい。美味しいパンはいかがですか?」

 今日もポチは一生懸命に声掛けをしているよ。
 今日もパン屋さんのおっちゃんが焼いたパンは絶品なのだ。

 カラカラカラ。

 おや?
 あれはりっちゃんの家の馬車じゃないかな?
 何かあったのだろうか。

「あ、領主様とりっちゃんだ」
「おお、ポチちゃんか。今日も元気だな」
「ポチはいつも元気なの!」
「それは良い事だ」

 馬車からは領主様とりっちゃんが出てきたんだよ。
 りっちゃんも随分スムーズに歩ける様になったなあ。
 でもわざわざ領主様も来るなんて、何かあったのかな?

「ポチちゃん、マーサさんを呼んでくれないかな?」
「おお、分かった! マーサさん、領主様とりっちゃんが呼んでいるよ!」
「ええ! ちょっと待っていて!」

 おお、りっちゃんがマーサさんを呼んでと言ったのでポチがマーサさんを呼んだら、マーサさんが慌てた様子でやってきたんだよ。
 流石のマーサさんも、領主様が来るとなると慌てるんだなあ。

「領主様、お待たせいたしました」
「いやいや、お忙しい所すまんな。実はポチちゃんの事でこちらにきたのだよ」
「え? ポチの事で?」

 おや?
 ポチの事って言ったけど、一体何だろう?
 何だか周りの人がわらわらと集まってきたよ。
 ミッケちゃんもリルムちゃんも、何かなってお店の中から顔を出してきたんだ。

「とってもいい事だから、ポチちゃんも安心してね」
「うん、分かった!」
「実はね、ポチちゃんがあの暴れ黒犬を倒した事に対して、国から勲章を授ける事が決定したのだよ」
「「「おお!」」」

 何だか凄い事になっちゃったぞ。
 ポチが勲章を貰っちゃうんだ!
 周りの人も驚いているんだよ。

「他にも公衆衛生に寄与したとかで表彰される事も決まっているんだよ。それで、明日から十日間程私達と一緒に王都に行くことになったのだよ。その間、お手伝いはお休みとなるので、一応ご報告という事にきました」
「まあまあ、それはわざわざ申し訳ございません。ポチちゃん、王都に行っても頑張るんだよ」
「おお! ポチ、王都にいっても頑張るんだよ!」

 りっちゃんが続きを説明してくれたんだよ。
 ポチ、王都に行っても頑張るんだよ!

「ポチちゃん、既に司祭様とシスターさんには話をしてあるのだよ。明日の朝、孤児院に迎えに行くからね」
「はい、分かりました!」

 領主様の言葉に、ポチは元気よく手を上げて答えたよ。
 ふふふ、王都かあ。
 一体どんな所なのかな?
 ポチは、ワクワクが止まらないんだよ!
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