転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千二百六十六話 遂に決着です

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 しかし、開始から五分が過ぎた辺りから二人のスピードが一気に上がりました。

「「えーい!」」

 ガキンガキンガキン!

 木剣とは思えない音が訓練場に響き渡り、観客席にいる学園生は二人の動きを目で追えなくてもう何が何だか分からない状況です。

「二人とも凄い速さです! それでいて、お互いに左右上下にフェイントを入れつつ剣を放っています!」

 学園生の大半が、リズの実況なしでは目の前で何が行われているか分からないみたいです。
 というか、二人の速さを目で追えている時点でかなりの強者といえます。

「「「おー、すごーい! はやーい!」」」

 そして、その二人の速さを目で追えているちびっ子たちは、とんでもない人材と言えましょう。
 まあ、普段から僕やリズの手合わせとかを見ているもんね。

「それでも、二人は奥の手を隠していますね」
「そうだろうな。このくらいなら他の連中でもできる。残り一分を切った辺りが勝負だ」

 僕とジンさんは、この後の展開を冷静に予想していました。
 そして、僕は何となくこの先の展開も読めていました。
 レイナさんたちも、どうやら僕と同じ考えに至ったみたいです。
 そして、遂に試合時間は残り一分を切りました。

 ガキンガキンガキン!

 訓練場内を縦横無尽に動いていた二人の動きに、少し変化が出ました。

 ガキン、ダッ。
 ブオン!」

「おーっと、イヨちゃんはルーシーお姉ちゃんから無理矢理距離を取って一気に突っ込んだ!」

 イヨは、己の最大の武器である身体能力強化魔法を瞬間的に爆発させて、一気にルーシーお姉様を倒そうとしました。
 ところが、既にルーシーお姉様はイヨの動きを読んでいました。

 バキーン、ドサッ。

「ここで、ルーシーお姉ちゃんのカウンターが炸裂したよ! イヨちゃんの剣を受け流して、腹部に峰打ちだ!」

 物凄い音がしてイヨがうつ伏せに倒れたけど、僕も動かないしリズも実況を続けたままです。
 動きを速くすることは、その分攻撃が単純化されます。
 なので、ルーシーお姉様の剣技であれば迎撃することが可能です。
 身体能力強化に頼るところがあるイヨの、強みであり弱点とも言えましょう。

「試合終了、勝者ルーシー」

 先生が勝ちを宣言すると、観客席から大きな歓声が起こりました。
 そして、イヨも木剣を杖にしながらよろよろと立ち上がります。

「やっぱり、負けた」
「まだまだ後輩には負けないわよ」

 イヨは、最初から分の悪い勝負だと分かっていたみたいです。
 それでも、勝負を分けた差は少しだけだと思います。
 握手をする二人に向けて、大きな拍手が送られました。

 ぴょんぴょん。
 シュイン、ぴかー。

 直ぐにスラちゃんが二人に回復魔法をかけて治療し、そのまま舞台から降りて行きました。
 どうやら、最後のイヨの怪我も大したことはなさそうです。

「「「カッコよかったよー!」」」
「ふふふ、三人ともありがとうね」

 来賓席のルカちゃん、エドちゃん、エリちゃんは、お姉ちゃんのカッコいい姿に大興奮です。
 ルーシーお姉様も、姉としての面目躍如ですね。

「イヨは力押しってのが弱点だからな。純粋に剣が強いリズはともかくとして、アレクなんかにも相性は最悪だな。まあ、これからだ」
「むぅ……」

 イヨはというと、ジンさんに頭をポンポンとされながら少し不満そうにしていました。
 確かに僕やリズならイヨに勝てるけど、逆を言うと学園生でイヨに勝てるのは殆どいないってことにもなります。
 ルーシーお姉様は今年卒業だし、来年からはイヨの天下になるはずですよ。
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