転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千三百二十三話 大切なことを説明します

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「間もなく、初心者冒険者向け講習を始めます。冒険者登録をした際にもらった冊子を用意して下さい」

 僕がアナウンスをすると、新人冒険者は一斉に冊子を用意しました。
 シェファードちゃんも、僕に冊子をじゃーんと見せていますね。
 今回の新人冒険者は、全体的にいい子です。
 何人か元気の良い人がいるけど、このくらいなら全然気にしません。
 リズたちの準備も整ったので、さっそく講習を始めましょう。

「皆さん、初めまして。本日の講師を務めるアレクサンダーです。どうぞ、アレクと呼んで下さい。皆さんが立派な冒険者になれるように、一生懸命教えます」
「エリザベスです。リズって呼んでね。リズも、みんなにいっぱい教えるよ。頑張って覚えようね」

 僕たちが挨拶をすると、新人冒険者から大きな拍手が起きました。
 面白くなさそうな表情をしている冒険者もいるが、最初から織り込み済みです。
 では、さっそく講習を始めましょう。

「皆さんにお話する前に、幾つかの例を紹介します。目の前の大金に目が眩み、違法薬物の運び屋になった冒険者。実績を上げられず焦って無理な討伐を行い、討伐しきれずに逃げた先の人を巻き込む冒険者。一攫千金を夢見み、実力もないのに強引な依頼を受けた結果、パーティメンバーが崩壊。全て実例となります。最初に話をした二つの例は、つい最近起きたものです」

 僕が冒険者の失敗例を話すと、途端に大きなざわめきが起きました。
 中には、自分はそんな失敗をしないという表情をしている人もいます。
 でも、失敗は誰にでも起こりえるし、自信満々な人ほど失敗しやすいです。

「多くの人は、冒険者は自己責任の世界だと思っているかもしれません。でも、実際には冒険者活動は多くの人と関わりがあります。そして、先ほどお伝えした三つの失敗例は全く無関係の人を巻き込んでしまいました。幸いにして死者などは出なかったのですが、それでもかなり大きな被害が出ました。冒険者活動は、他の仕事と何ら代わりはありません。周囲に迷惑をかけないように、責任もって活動する必要があります」

 新人冒険者は、僕の話を真剣に聞いています。
 少し生意気な態度をとった冒険者も、今はキチンと話を聞いています。
 僕の話を纏める冒険者ギルドの職員とアカデミーの若者も、真剣にメモをとっていました。

「僕は現在国の副宰相として王立学園を担当していますが、間違いなく冒険者活動で得た経験が生きています。多くの人と関わり、色々なことを教えて貰いました。みなさんは、生涯現役の人もいれば、別の職業に就く人もいます。それでも、冒険者活動をキチンと行なえば、多くのことを学ぶことができます」

 更に僕の経験を元に説明すると、誰もが真剣な表情をしていました。
 ジンさんたちも、うんうんと頷いています。
 もちろん、依頼の受付方法、活動中の注意事項、完了手続きなどの基本的な事から、宿泊時の注意や、装備や備品なども説明します。

「受付のお姉さんはとっても物知りだから、色々なことを聞くと良いよ。逆に、多分こうだろうって勝手なことをすると、大失敗しちゃうよ。冒険者は、情報収集と分析がとっても大事だよ!」

 リズも色々なことを説明し、冒険者もなるほどと納得していました。
 武器や荷物の説明はこの後詳しくおこなうので、ここではサラッと触れるくらいにします。
 その後、簡単な質問タイムに入ります。

「あの、四歳でゴブリンキングを倒して多くの人を治療したって本当ですか?」
「実はね、リズは四歳の誕生日を迎える少し前だったんだ。だから、三歳だったんだよ!」
「し、史実よりももっと凄い話が出てきました……」

 リズの返答に、質問した女性冒険者のみならず多くの冒険者がビックリしていました。
 そういえば、僕は四歳になっていたけどリズは三歳だったよなあ。

「あの、毒に侵された王族の王女様を治療したのって本当ですか?」
「あっ、それはエレノアのことなの。アレクお兄ちゃんとリズちゃんが、エレノアとティナおばあさまを治療してくれたの」
「……へっ?」

 質問した男性冒険者は、目の前に僕とリズが治療した王女様本人がいて思わず固まっちゃいました。
 ティナおばあさまはルカちゃんたちの礼儀作法の勉強で不在だけど、もう結構前の話しなんですね。
 その後も僕やリズに関する質問が多かったので、全ての講習が終わってから質問を受け付けることにしました。
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