転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千三百二十二話 『双翼の天使様』が教える、初心者冒険者向け講習

 翌日は、予定通り学園の午前授業が終わったら昼食を食べて王都冒険者ギルドに向かいます。
 騎士服に着替えて受講生に教えるのだが、受講名がとんでもなかった。

「『双翼の天使様』が教える、初心者冒険者向け講習。間違ってはいないんだけど……」
「うんうん、確かに間違ってはいないわね。弟くんとリズちゃんは、名高い『双翼の天使様』なんだからね」

 僕のボヤキに、ルーシーお姉様がツッコミを入れていました。
 ルーシーお姉様は昨日の冒険者ギルドでの騒ぎに参加しておらず、妙にテンションが高いです。
 生徒会役員全員が参加していて、リズ、エレノア、イヨが昨日あった事を実演付きで他の生徒会役員に教えていました。
 そして、今日はこの子たちも初心者冒険者向け講習に参加していました。

「わくわくー!」

 前回エリちゃんが冒険者登録をしちゃったので、辺境伯家のシェファードちゃんの冒険者登録が残っていました。
 僕が講師を務めるということで、せっかくだから冒険者登録をしちゃおうということになりました。

「おねーちゃんが、シーちゃんに教えてあげるね」
「僕も、いっぱい教えるよ」
「えりもー!」

 シェファードちゃんの双子の姉兄のステラちゃんとオリバーちゃんに混じって、ちゃっかりとエリちゃんも教えようと張り切っていました。
 でも、エリちゃんはまだ教わる側だからね。
 ミカエルたちも冒険者服に着替えていて、僕と一緒に教えるみたいです。
 ミカエルとブリットは薬草採取講習の講師を頑張っているし、そのうち初心者冒険者向け講習の講師もできるかもね。

「しかし、スゲー人数が集まっているな。座学から訓練場を使うとはな」

 ジンさんが面白ろそうに話していますが、実は座学はいつも椅子のある部屋で行っています。
 昨日に引き続いてたくさんの人が集まったので、急遽部屋から訓練場に変更になりました。
 どうも、昨日の講習で僕たちの教え方が良かったと噂になっているそうです。

「『救国の勇者様』の二つ名を使っても、たくさんの人が集まったんじゃないですか?」
「俺の二つ名よりも、アレクとリズの二つ名の方が確実に人が集まるぞ」

 ジンさんとしょうもない話をしつつ、この後の打ち合わせを行います。
 僕はいつも通り新人冒険者に講習を行い、それを冒険者ギルドの職員とアカデミーの若者に記録してもらいます。
 どんなことを話すかは、既に箇条書きにして通信用魔導具で送ってあります。
 数人の講師の講習内容を集めて、参考になる資料を作るそうです。
 リズやサンディが教える内容は、僕と大して変わりません。
 なので、今回の情報収集対象からは外れます。
 こうしてジンさんと打ち合わせをしていたら、サキさんが数人の男女を連れてきました。

「アレク様、孤児院の後輩です。アレク様の講習はとてもためになるので、今回冒険者登録をして、講習を受けて貰うことになりました」
「「「「「宜しくお願いします」」」」」

 五人の男女で、まだ学園に入園する年齢ではないそうです。
 挨拶もしっかりとしているし、とてもいい子だと思います。
 僕の講習が役に立ってもらえれば、とっても嬉しいです。
 受講生が大体揃った中、残念ながら講習から離脱した子がいました。

 シュッ。

「エリ、今日は午後もお兄ちゃんたちとお勉強だって言っていたわよね……」
「えー!? ぼーけんしゃのほーがいいもん」
「ふふふ、諦めなさい。いっぱい礼儀作法を勉強しましょうね……」

 あーあ、どうやらエリちゃんはチューちゃんに頼んで冒険者ギルドに来ていたみたいです。
 しかし、そのチューちゃんがアリア様を呼び寄せました。
 もうそろそろ時間だと、チューちゃんとネコちゃんがこっそりと話し合っていたみたいですね。
 しかも、この言い方だとアリア様もエリちゃんが冒険者ギルドにいると分かっていたようです。
 エリちゃんは、ガックリしながらアリア様と共に王都に戻っていきました。
 因みに、ミカエルとブリット、それにステラちゃんとオリバーちゃんは午前中頑張って礼儀作法の勉強をしていました。
 特にステラちゃんとオリバーちゃんは、弟を一生懸命教えるために礼儀作法の勉強を頑張ったみたいです。

「ルーシーお姉様は、今日は大丈夫なのですか?」
「昨日のうちに採寸は終わったから大丈夫よ。後は、仮でできるまでやることはないわ」

 対策はバッチリだと、ルーシーお姉様は余裕の表情です。
 そこは間違いないらしく、エリちゃんを迎えに来たアリア様に聞いても大丈夫でした。
 さてさて、僕ももうそろそろ受講生の前に行かないとね。
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