転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十四章 三年生

千四百三十三話 みんなで謁見です

 昼食の後は、予定通り謁見です。
 貴族が先に謁見の間に入り、僕たちが後から入る事になります。

「「「「「緊張してきた……」」」」」

 謁見に出たことのない生徒会メンバーは、本番が近づいて緊張モードに入りました。
 こればかりは仕方ないのかもしれません。

「目をつぶってゆっくり深呼吸をすると、少し気持ちが落ち着くよ」
「「「「「はい……」」」」」

 鎮静化の魔法をかけようかなと思ったけど、みんなは少し深呼吸すると落ち着きを取り戻しました。
 うん、これなら大丈夫ですね。
 因みに、ちびっ子たちは全然平気って感じです。

「間もなく入場します」
「あい!」

 最年少のハーデスちゃんの元気な声に、みんな思わずニッコリとしました。
 緊張も、だいぶほぐれたみたいです。
 そして、謁見の間の扉がゆっくりと開き、僕たちもゆっくりと歩いて行きます。
 ちびっ子たちは、お互いに手を繋ぎながら入場していますね。
 周りにいる貴族も、僕たちに興味深そうな視線を向けています。
 練習通り、絨毯の切れ目についたら膝をついて頭を下げます。

「面を上げよ」

 陛下の声に、僕たちは顔を上げます。
 そして、最初にジャミング子爵が話し始めました。

「陛下、この度は領内の災害支援の為に過分なご対応を頂き感謝申し上げます。おかげをもちまして、復興への道筋を立てることができました」
「余も視察に行ったが、今回は王国史に残るレベルの災害だ。復興までの道程は、長く険しいものになるだろう。国も、ジャミング子爵領に継続的な支援をする事を約束しよう」
「陛下のお言葉に、感謝申し上げます」

 ジャミング子爵が陛下に堂々と言葉を言っていて、陛下もとても満足していますね。
 流石、生徒会でルーカスお兄様の先輩だったのもあります。
 周りにいる貴族も、若いのに立派だと感心していました。

「そして、今回の災害対応にはルーカス、アレク、ジンたちの活躍を抜きにして語れない。家が尽く潰れ、街道には地割れが起き、動物たちも暴れ出す程の震災だった。素早く現場に赴き、軍とともにいち早く災害対策を行った。結果として、多くの命を救うことができた。これは、ジャミング子爵領だけでなく国にとってもとても大きな事だ」
「「「「「ありがとうございます」」」」」

 陛下に、みんなでお礼の言葉を言います。
 手放しで褒められたのもあり、再び周りにいる貴族も感心していました。
 でも、中には生意気な表情をしている貴族もいますね。
 そして、ここで予想外の事が起きたのです。

「諸君らの活躍に対し、国から勲章を授ける。代表として、王太子執務室職員チセとハーデス・ベーリング男爵は前に来るように」
「「はい!」」

 当初の予定ではチセさんだけだったけど、何と最年少のハーデスちゃんも呼ばれました。
 ハーデスちゃんも、意気揚々とチセさんの隣に移動しました。
 そして、係の人に勲章を付けてもらいました。

「ベーリング男爵は、幼いのに毎日炊き出しの手伝いをした。その心がけは、感心できるものだ。これからも、積極的に手伝いをするように」
「はい!」

 満面の笑みのハーデスちゃんに、沢山の拍手が送られました。
 演出としても良いし、実際に復旧作業のお手伝いをしていたのは間違いなかった。
 生徒会メンバーは、注目がハーデスちゃんに向いてホッと胸を撫で下ろしていました。
 こうして、謁見は無事に終わりました。
 みんな揃って、応接室に移動します。

「先輩、久しぶりです。災害対策に行けず申し訳ありません」
「いえいえ、アイビー様こそお体を大事にして下さい」

 応接室に入ると、最初にアイビー様とジャミング子爵のやり取りがありました。
 アイビー様だけでなくカレン様も妊娠中だし、こればかりは仕方ないですね。
 でも、王都内で支援金集めなどに奮闘したそうです。

「もらったー!」
「ふふ、良かったですわね。ハーデスちゃんが頑張ったからですわよ」
「あい!」

 ハーデスちゃんは、貰った勲章をカレン様に笑顔で見せていました。
 他の人達にも、順次勲章が配られていきます。

「陛下、そして皆様、改めてお礼を言います。本当にありがとうございます」
「うむ。国も、暫く閣僚を派遣するなど対策をする。謁見でも言ったが、復興は長い道のりだ。まさに、これからが勝負と言えよう」

 お礼を言うジャミング子爵に、陛下はお菓子を食べながら返事をしていました。
 軍も当面は駐留する事になるだろうし、僕たちもたまに行くレベルで大丈夫ですね。

「じゃあ、夕食会まで時間があるから、この後は公務と勉強ね。しっかりやらないと、辺境伯領に行けないわよ」
「「「「「えー!?」」」」」

 みんなティナおばあさまに聞いていないよと文句を言っているけど、ティナおばあさまはニッコリとしたままです。
 これは、もう何を言っても駄目ですね。
 しかも、生徒会メンバーも良い機会だからと公務に付き合う事になりました。
 僕は、普通にお仕事ですね。

「「ふわぁ……」」

 そして、ハーデスちゃんとセオちゃんは眠たそうに目をこすっています。
 お昼寝をするのも、小さい子にとっては大事な仕事ですね。
 お昼寝から起きたら、きっと美味しい夕食が待っていますよ。
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