転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第十九章 懐古派の砦編

四百八話 懐古派の砦への旅、四日目

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 懐古派の砦への旅も四日目です。
 何もなければ、僕達はお昼前には現地に到着します。

「「くしゅん、くしゅん」」
「うーん、まだ良くならないわね」
「薬ができるまで、少し我慢してね」

 グランドちゃんとガリバーちゃんが未だにくしゃみをして鼻水を出しているので、ルリアンさんとナンシーさんもだいぶ心配そうだ。
 
「なんだろうな? 回復魔法もあまり効果がないんだよね」
「うん、合体魔法でも効果なかったよ」
「「くしゅん、くしゅん」」

 ミカエルとブリッドに僕とリズで合体魔法をかけたけど、少し症状が良くなっただけで効果は薄かった。
 前にカレン様襲撃事件で使われた毒の様に、魔法が効きにくい病気なのかもしれない。

「レイナさんとカミラさん。レイカちゃんとガイルちゃんは大丈夫なのですか?」
「全く問題ないわ」
「うちの子は、あんな病気なんかへっちゃらよ」
「そ、そうですか……」

 辺境伯家の双子ちゃんに侍従のお姉さんの子どももくしゅんくしゅんとしているのに、何故かレイカちゃんとガイルちゃんは病気になっていなかった。
 ある意味すげーって、思っちゃったよ。

「ブッチー達も頑張ってね」
「「「ヒヒーン」」」

 今日の捜索には、ノエルさん以外にポニさん達も参加します。
 ポニさん達も、遊び仲間のミカエル達の具合が悪いのを心配しています。
 そして、犯人を捕まえようとやる気満々になっています。
 まだ犯人がいるって決まった訳では無いですけどね。

「こちらは心配するな。そっちはそっちで、キチンとやる事をやらないと」
「「「はい」」」

 辺境伯様に見送られて、僕達も旅の続きを始めます。
 僕達も頑張って現地に向かわないと。
 もしかしたら現地についたら何か分かるかもしれない。
 そんな思いで旅を進めます。
 因みに、メンバーは昨日と同じです。

「しかし、何でうちの子は平気なのかしら?」
「そういえば、あの子が産まれてから何にも病気していないんだよね」

 レイナさんとカミラさんがレイカちゃんとガイルちゃんの事を話すけど、確かに年末の風邪の大流行でもピンピンしていたっけ。
 うーん、かなり不思議な事だ。

「きっと導くもの様のお子様なので、病気に強いのかもしれません」
「ははは、うちの子は普通の子どもだよ。まあ、確かに体は頑丈だから、親としては助かるけどな」

 アレクサさんの感想をジンさんは否定するけど、もしかしたらジンさんの子どもってのはあるのかもしれない。
 僕だって風邪は引くし、リズも風邪は引くもんな。

「皆様、防壁が見えてきました」
「お、着いたか。ここからは俺達もキチンと仕事をしないとな」
「そうね、帰ったらレイカにお母さんは凄かったって報告出来る様にしないと」

 いよいよ懐古派の本拠地、ブレイクランドが見えてきた。
 遠くから見る限り、街や周辺からは煙などは上がっていない。
 一体ブレイクランドってどんな所なのだろうか?
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