778 / 1,220
第二十九章 新しい町を作ろう!
九百七十四話 仕事を放棄していたもの
しおりを挟む
すると、スラちゃんが僕のところにやってきてこんなことを言ってきた。
「あの、服で隠れているところに痣が複数あったみたいです。赤ちゃんにも叩かれた痕が……」
「ふう、虐待をしているという話は聞いていたが、そんな隠蔽工作までしていたとは。どうせ、普段の政務もそなたに丸投げしていたのだそうな」
カノープス男爵夫人は、うつむいたままこくりと頷きました。
きっとこの男爵領に嫁いでから、大変なことばっかりだったのかもしれない。
涙がポロポロと膝の上に落っこちて赤ちゃんにかかりそうなので、ジンさんが赤ちゃんを受け取った。
「あー」
「生後半年くらいかな。うーん、少し軽いな」
「あぶー」
流石は普段お父さんをしているジンさんです、直ぐに色々なことを見抜いていました。
スラちゃんが赤ちゃんのおしめを替えて、ヤギの乳を温めて哺乳瓶に入れて飲ませていました。
もしかしたら、カノープス男爵夫人のお乳の出が良くなかったのかもしれませんね。
バン!
「カーセント公爵閣下、二人を連れてきました」
「ご苦労」
夫人と赤ちゃんの様子を見て怒り心頭なカーセント公爵の前に、裸にバスタオルを巻いた状態でぐるぐる巻きにされている中年男女が連れられてきました。
うん、何というかとっても醜い姿です。
中年男性はバーコードヘアの肥満体で、悪い人ってみんな太っているなあって思っちゃいました。
中年女性も緑髪のどこにでもいそうな人で、こちらはこの状況を見て顔を真っ青にしていました。
「カノープス男爵、副宰相のカーセント公爵だ。財務監査の当日に、屋敷を投げ出して不倫相手と情事に浸っているとはな。見上げた根性としか言いようがないな」
「ぐっ……」
もはやなすすべ無しというレベルでカノープス男爵を見下しているけど、当のカノープス男爵は歯ぎしりをしながらカーセント公爵を見上げていた。
僕とジンさん、それにサギー伯爵はカーセント公爵の迫力に押されてしまい、スラちゃんとプリンとともにカノープス男爵夫人と赤ちゃんの側にいた。
結果的に、この判断が正解だった。
「くそ、俺は貴族の中の歴史ある貴族だ。誰の指図も受けないぞ!」
「はあ、そんな妄想たかがしれている。我が家も王国創立以来の貴族家だが、慢心を持たず常に危機感を持って行動していた。そもそも、今回の件はその王国からの財務監査だ。何人も、従わないという選択肢は存在しない」
「ぐっ……」
カーセント公爵は、カノープス男爵をもはや相手にするのも馬鹿馬鹿しいと思っているのだろう。
確かにこの場にいてももはや意味はないし、カノープス男爵にふさわしいところに行って貰いましょう。
ということで、僕は王城の兵の詰め所にゲートを繋ぎました。
すると、既に連絡を受けていたのか、軍務卿とこの方が待っていました。
「ふむ、財務監査の時間なのにこんな姿でいるとは。随分と繁殖行為が好きなようだな」
「へ、陛下!?」
「聞きたいことがたくさんあるが、まずはこの不埒ものを兵にぶち込め」
「「「はっ」」」
そうです、陛下も兵の詰め所で待っていました。
陛下も、あまり見た事のないレベルで激怒していますね。
ちなみに、一緒にいた中年女性は、カノープス男爵領の兵の詰め所に連行されるそうです。
そして陛下がこちらにやってくると、カノープス男爵夫人はもう顔面蒼白です。
土下座しそうな感じになったけど、陛下が手で制しました。
「現時点では、そなたは何も問題はない。もちろん、その子もな。そなたがこの領地の実質的な管理者だというのは分かっておる。素直に監査に協力し、子どもの面倒をみるように」
「は、はい……」
カノープス男爵夫人は、赤ちゃんの安全が確保できたのかかなりホッとしていた。
そして、陛下は王城に戻って行った。
というのも、捕まったカノープス男爵の取り調べに王妃様も参加したいと言っているらしい。
そりゃ、色々と思う所もあるだろうね。
「あの、服で隠れているところに痣が複数あったみたいです。赤ちゃんにも叩かれた痕が……」
「ふう、虐待をしているという話は聞いていたが、そんな隠蔽工作までしていたとは。どうせ、普段の政務もそなたに丸投げしていたのだそうな」
カノープス男爵夫人は、うつむいたままこくりと頷きました。
きっとこの男爵領に嫁いでから、大変なことばっかりだったのかもしれない。
涙がポロポロと膝の上に落っこちて赤ちゃんにかかりそうなので、ジンさんが赤ちゃんを受け取った。
「あー」
「生後半年くらいかな。うーん、少し軽いな」
「あぶー」
流石は普段お父さんをしているジンさんです、直ぐに色々なことを見抜いていました。
スラちゃんが赤ちゃんのおしめを替えて、ヤギの乳を温めて哺乳瓶に入れて飲ませていました。
もしかしたら、カノープス男爵夫人のお乳の出が良くなかったのかもしれませんね。
バン!
「カーセント公爵閣下、二人を連れてきました」
「ご苦労」
夫人と赤ちゃんの様子を見て怒り心頭なカーセント公爵の前に、裸にバスタオルを巻いた状態でぐるぐる巻きにされている中年男女が連れられてきました。
うん、何というかとっても醜い姿です。
中年男性はバーコードヘアの肥満体で、悪い人ってみんな太っているなあって思っちゃいました。
中年女性も緑髪のどこにでもいそうな人で、こちらはこの状況を見て顔を真っ青にしていました。
「カノープス男爵、副宰相のカーセント公爵だ。財務監査の当日に、屋敷を投げ出して不倫相手と情事に浸っているとはな。見上げた根性としか言いようがないな」
「ぐっ……」
もはやなすすべ無しというレベルでカノープス男爵を見下しているけど、当のカノープス男爵は歯ぎしりをしながらカーセント公爵を見上げていた。
僕とジンさん、それにサギー伯爵はカーセント公爵の迫力に押されてしまい、スラちゃんとプリンとともにカノープス男爵夫人と赤ちゃんの側にいた。
結果的に、この判断が正解だった。
「くそ、俺は貴族の中の歴史ある貴族だ。誰の指図も受けないぞ!」
「はあ、そんな妄想たかがしれている。我が家も王国創立以来の貴族家だが、慢心を持たず常に危機感を持って行動していた。そもそも、今回の件はその王国からの財務監査だ。何人も、従わないという選択肢は存在しない」
「ぐっ……」
カーセント公爵は、カノープス男爵をもはや相手にするのも馬鹿馬鹿しいと思っているのだろう。
確かにこの場にいてももはや意味はないし、カノープス男爵にふさわしいところに行って貰いましょう。
ということで、僕は王城の兵の詰め所にゲートを繋ぎました。
すると、既に連絡を受けていたのか、軍務卿とこの方が待っていました。
「ふむ、財務監査の時間なのにこんな姿でいるとは。随分と繁殖行為が好きなようだな」
「へ、陛下!?」
「聞きたいことがたくさんあるが、まずはこの不埒ものを兵にぶち込め」
「「「はっ」」」
そうです、陛下も兵の詰め所で待っていました。
陛下も、あまり見た事のないレベルで激怒していますね。
ちなみに、一緒にいた中年女性は、カノープス男爵領の兵の詰め所に連行されるそうです。
そして陛下がこちらにやってくると、カノープス男爵夫人はもう顔面蒼白です。
土下座しそうな感じになったけど、陛下が手で制しました。
「現時点では、そなたは何も問題はない。もちろん、その子もな。そなたがこの領地の実質的な管理者だというのは分かっておる。素直に監査に協力し、子どもの面倒をみるように」
「は、はい……」
カノープス男爵夫人は、赤ちゃんの安全が確保できたのかかなりホッとしていた。
そして、陛下は王城に戻って行った。
というのも、捕まったカノープス男爵の取り調べに王妃様も参加したいと言っているらしい。
そりゃ、色々と思う所もあるだろうね。
761
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~
リーフレット
ファンタジー
「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」
帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。
アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。
帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。
死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。
「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。