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第三十一章 五歳の祝い
千五十八話 年末恒例の大掃除
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そして、年末恒例の大掃除の日がやってきました。
宰相執務室は常日頃から綺麗にしているので、大掃除をする必要がありません。
なので、昨年も大変だった陛下の執務室を掃除することになった。
しかも、王妃様の監視付き。
因みに、昨年酷い目にあったリズはさっさと勉強部屋の片付けに向かいました。
「「「はあ、なんで私まで……」」」
そして巻き込まれた感じを全く隠さないのが、学園が冬休みに入っていたルーカスお兄様、アイビー様、ルーシーお兄様だった。
いや、僕も完全に巻き込まれているんだけど……
陛下に関する書類がたくさんあるので、普通の人に触らせることはできません。
僕は宰相執務室でいつも文章を触っていたので、ほぼ強制参加らしいです。
「えーっと、最初に生活魔法で部屋の中を綺麗にしますか?」
「ええ、やってちょうだい。ちょっと臭うのよね」
何だか、この部屋から変な臭いがしているんだよね。
王妃様の許可を得て生活魔法をかけようとした、その時でした。
とととと、シュッ。
「「「げっ……」」」
なんと、プリンが陛下の机の足元から変色したパンを取り出したのだ。
もちろんカビだらけで、陛下も含めて真っ青な顔になっちゃいました。
一人を除いて。
ズゴゴゴゴ。
「あなた、これはいったいどういうことですか……」
「え、えーっと、これは、その……」
激怒モードの王妃様が、陛下を正座させて説教していました。
僕たちも怒ってほしいと思うけど、これでは大掃除の司令塔という人手が足りなくなってしまう。
そこで、助っ人を呼ぶことにしました。
「はあ、まさかこんなことになっているとは……」
「くちゃーい」
アリア様が頭を抱えながらやってきたけど、この状況を見るとそうなるよね。
あと、エリちゃんは袋に入っているカビの生えたパンを見ちゃ駄目ですよ。
ということで、改めて掃除を開始します。
「うーん、ルーカスが学園を卒園したらここで働くのだから、もう少し環境を良くしないと駄目ね。年が明けたら、少しずつ整えましょう」
「そうだった……」
アリア様の発言にルーカスお兄様はガックリとしていたけど、さっきのあの惨状を見て完全に忘れていたみたいです。
ちなみに、僕の生活魔法で出来るだけ部屋の中を綺麗にしました。
臭いもバッチリ取れています。
書類整理を進めて行き、ゴミも処理をしていきます。
昨年リズが酷い目にあった机は綺麗に片付けられていて、今年は崩壊することはなかった。
そして、何とか大掃除を終えたタイミングで、ずーっと陛下の説教をしていた王妃様がビックリすることを言ってきた。
「アレク君、悪いけど年明けからこの部屋で仕事をしてくれるかしら。ちょうど遠隔業務のテストにもなるし、宰相執務室の直ぐ側だから何とかなるはずよ」
「「えっ?!」」
ビックリした声を上げたのは、僕と陛下だった。
正直なところ、僕がテストしている最新型の通信用魔導具さえあれば遠隔業務のテストが出来るけど、卒園式の対応があるので出張も多くなると思うよ。
陛下は、仕事をキッチリしている僕に監視されるのが大変だと思っているみたいです。
ともあれ、この国である意味一番力のある人からの命令なので、拒否するのは無理な話です。
はぁってため息をつきながら、後片付けを続けていました。
「た、立てぬ。あ、アレク、か、回復、魔法を……」
そして、陛下はようやく正座から開放されたけど、足が痺れて動けなかった。
うん、ぴくぴくしていて奇妙な生物みたいだった。
もちろん王妃様が無言でニッコリと僕の方を向いていたので、僕は陛下に回復魔法をかけることができなかった。
大掃除に駆り出された面々も、全く同じ気持ちだった。
「ツンツン」
ビクン、ビクン!
「え、エリよ、余の足を、さわるで……」
「ツンツン」
そして、エリちゃんが情けない姿を晒している父親の足を指で突っついていた。
その度に、陛下は浜辺に打ち上がった魚のようにビクンビクンとしていた。
こうして、陛下は十分反省の時間を取ってから、王妃様から回復魔法をかける許可を得たのだった。
年明けから僕が、学園を卒園したらルーカスお兄様が陛下の監視役になるけど、大丈夫なのかちょっと不安です。
宰相執務室は常日頃から綺麗にしているので、大掃除をする必要がありません。
なので、昨年も大変だった陛下の執務室を掃除することになった。
しかも、王妃様の監視付き。
因みに、昨年酷い目にあったリズはさっさと勉強部屋の片付けに向かいました。
「「「はあ、なんで私まで……」」」
そして巻き込まれた感じを全く隠さないのが、学園が冬休みに入っていたルーカスお兄様、アイビー様、ルーシーお兄様だった。
いや、僕も完全に巻き込まれているんだけど……
陛下に関する書類がたくさんあるので、普通の人に触らせることはできません。
僕は宰相執務室でいつも文章を触っていたので、ほぼ強制参加らしいです。
「えーっと、最初に生活魔法で部屋の中を綺麗にしますか?」
「ええ、やってちょうだい。ちょっと臭うのよね」
何だか、この部屋から変な臭いがしているんだよね。
王妃様の許可を得て生活魔法をかけようとした、その時でした。
とととと、シュッ。
「「「げっ……」」」
なんと、プリンが陛下の机の足元から変色したパンを取り出したのだ。
もちろんカビだらけで、陛下も含めて真っ青な顔になっちゃいました。
一人を除いて。
ズゴゴゴゴ。
「あなた、これはいったいどういうことですか……」
「え、えーっと、これは、その……」
激怒モードの王妃様が、陛下を正座させて説教していました。
僕たちも怒ってほしいと思うけど、これでは大掃除の司令塔という人手が足りなくなってしまう。
そこで、助っ人を呼ぶことにしました。
「はあ、まさかこんなことになっているとは……」
「くちゃーい」
アリア様が頭を抱えながらやってきたけど、この状況を見るとそうなるよね。
あと、エリちゃんは袋に入っているカビの生えたパンを見ちゃ駄目ですよ。
ということで、改めて掃除を開始します。
「うーん、ルーカスが学園を卒園したらここで働くのだから、もう少し環境を良くしないと駄目ね。年が明けたら、少しずつ整えましょう」
「そうだった……」
アリア様の発言にルーカスお兄様はガックリとしていたけど、さっきのあの惨状を見て完全に忘れていたみたいです。
ちなみに、僕の生活魔法で出来るだけ部屋の中を綺麗にしました。
臭いもバッチリ取れています。
書類整理を進めて行き、ゴミも処理をしていきます。
昨年リズが酷い目にあった机は綺麗に片付けられていて、今年は崩壊することはなかった。
そして、何とか大掃除を終えたタイミングで、ずーっと陛下の説教をしていた王妃様がビックリすることを言ってきた。
「アレク君、悪いけど年明けからこの部屋で仕事をしてくれるかしら。ちょうど遠隔業務のテストにもなるし、宰相執務室の直ぐ側だから何とかなるはずよ」
「「えっ?!」」
ビックリした声を上げたのは、僕と陛下だった。
正直なところ、僕がテストしている最新型の通信用魔導具さえあれば遠隔業務のテストが出来るけど、卒園式の対応があるので出張も多くなると思うよ。
陛下は、仕事をキッチリしている僕に監視されるのが大変だと思っているみたいです。
ともあれ、この国である意味一番力のある人からの命令なので、拒否するのは無理な話です。
はぁってため息をつきながら、後片付けを続けていました。
「た、立てぬ。あ、アレク、か、回復、魔法を……」
そして、陛下はようやく正座から開放されたけど、足が痺れて動けなかった。
うん、ぴくぴくしていて奇妙な生物みたいだった。
もちろん王妃様が無言でニッコリと僕の方を向いていたので、僕は陛下に回復魔法をかけることができなかった。
大掃除に駆り出された面々も、全く同じ気持ちだった。
「ツンツン」
ビクン、ビクン!
「え、エリよ、余の足を、さわるで……」
「ツンツン」
そして、エリちゃんが情けない姿を晒している父親の足を指で突っついていた。
その度に、陛下は浜辺に打ち上がった魚のようにビクンビクンとしていた。
こうして、陛下は十分反省の時間を取ってから、王妃様から回復魔法をかける許可を得たのだった。
年明けから僕が、学園を卒園したらルーカスお兄様が陛下の監視役になるけど、大丈夫なのかちょっと不安です。
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