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第三十二章 新入生
千百八十三話 現時点での情報
男子生徒は暫くの間泣き続け、その後貴族の子弟向けの独房に送られました。
緊張の糸が切れたのか、男子生徒は直ぐに寝てしまったそうです。
「後は朝確認しよう。アレク、悪いが王城に来てくれ」
夜遅い時間ってのもあるので、僕は屋敷にゲートを繋げて帰ろうとした。
しかし、帰ろうとする僕を止めようとするものがいました。
ちょいちょい。
「キュッ」
ポッキーが僕のズボンの裾を小さな手で引っ張って、つぶらな目で見上げていました。
「もちろん、みんなの銀細工も作るよ。でも、金属粘土がないから入ったら作るね」
「「「キュッ!」」」
ポッキーたちは、まるで嬉しくて踊っているかの様にその場でクルクルと回っていました。
アマリリスがポッキーたちのことを羨ましそうに見ていたけど、もちろんアマリリスの分も作りますよ。
こうして、僕、スラちゃん、プリンは、みんなと別れて屋敷に帰りました。
翌朝、僕は少し眠い目をこすりながらリズたちにあることを伝えました。
「あまり詳細は言えないけど、取り敢えずみんなの作品を壊した人は捕まえたよ。まあ、ちょっと事情があるから公表するのはもう少し先だね」
「そうなんだ。でも、これで文化祭向けの製作に専念できるね」
リズは、そこまで深く質問をしてこなかった。
みんなの作品の手直しを頑張るぞと、かなり気合を入れていた。
僕は朝食を食べ終えたらリズたちの学園への移動をスラちゃんに任せ、プリンと共に王城にゲートを繋いで向かった。
「アレク君、昨晩は大変だったみたいね」
王城のいつものティナおばあさまの部屋の前に到着すると、だいたいの話を聞いていたティナおばあさまが僕とプリンを出迎えてくれた。
そして、僕はルーカスお兄様のいる陛下の執務室に向かった。
因みに、プリンはティナおばあさまにも僕が作った銀細工のプリンを見せていた。
「おお、アレクか。朝早くから悪いな」
陛下の執務室に向かうと、ルーカスお兄様だけでなく陛下も僕を出迎えてくれた。
さっそく応接セットに座ったのだけど、ここでもプリンは自分の銀細工を陛下に見せていた。
プリン、嬉しいのはよく分かるけどもう少し落ち着こうね。
「例の男子生徒は、相当疲れが溜まっているのかまだ寝ているそうだ。大まかなことは聞いているが、目が覚めたら細かい話を聞く予定だ。自分のことだけではなく、家族のことも含めてだ」
ルーカスお兄様が男子生徒の状況について教えてくれたけど、極限の精神状態が続いていたもんなあ。
治療兵から治療を受ける予定らしいけど、もしかしたら精神だけでなく肉体的にも何かしらの病気を持っている可能性もある。
この辺りは、通常の対応だそうです。
そして、ここからが本題でした。
「男子生徒の両親は、二人とも学園時代の成績が良くなかった。嫡男はAクラスではないが、可もなく不可もなくというところだ。両親だけでなく嫡男からも話を聞くが、家族関係に問題がある可能性が高い」
ルーカスお兄様が現時点での情報を教えてくれたけど、男子生徒の話を聞く限り少なくとも親子間のコミュニケーションはなかったに等しい。
とはいえ、両親がどんな考えでいるのかは実際に話を聞かないと分からない。
あと、意外と兄の嫡男の存在がキーポイントかもしれません。
「学園には男子生徒逮捕の連絡をしているが、混乱はできるだけ避けたい。その点、被害者なのにアレクには負担をかけるかもしれない」
ルーカスお兄様が申し訳なく言っているけど、何にせよ細かいところはまだ話せません。
それに、主な対応は先生にお願いしないとね。
ということで、放課後に再び王城に行くことになりました。
僕とプリンは、学園にゲートを繋いで登校しました。
緊張の糸が切れたのか、男子生徒は直ぐに寝てしまったそうです。
「後は朝確認しよう。アレク、悪いが王城に来てくれ」
夜遅い時間ってのもあるので、僕は屋敷にゲートを繋げて帰ろうとした。
しかし、帰ろうとする僕を止めようとするものがいました。
ちょいちょい。
「キュッ」
ポッキーが僕のズボンの裾を小さな手で引っ張って、つぶらな目で見上げていました。
「もちろん、みんなの銀細工も作るよ。でも、金属粘土がないから入ったら作るね」
「「「キュッ!」」」
ポッキーたちは、まるで嬉しくて踊っているかの様にその場でクルクルと回っていました。
アマリリスがポッキーたちのことを羨ましそうに見ていたけど、もちろんアマリリスの分も作りますよ。
こうして、僕、スラちゃん、プリンは、みんなと別れて屋敷に帰りました。
翌朝、僕は少し眠い目をこすりながらリズたちにあることを伝えました。
「あまり詳細は言えないけど、取り敢えずみんなの作品を壊した人は捕まえたよ。まあ、ちょっと事情があるから公表するのはもう少し先だね」
「そうなんだ。でも、これで文化祭向けの製作に専念できるね」
リズは、そこまで深く質問をしてこなかった。
みんなの作品の手直しを頑張るぞと、かなり気合を入れていた。
僕は朝食を食べ終えたらリズたちの学園への移動をスラちゃんに任せ、プリンと共に王城にゲートを繋いで向かった。
「アレク君、昨晩は大変だったみたいね」
王城のいつものティナおばあさまの部屋の前に到着すると、だいたいの話を聞いていたティナおばあさまが僕とプリンを出迎えてくれた。
そして、僕はルーカスお兄様のいる陛下の執務室に向かった。
因みに、プリンはティナおばあさまにも僕が作った銀細工のプリンを見せていた。
「おお、アレクか。朝早くから悪いな」
陛下の執務室に向かうと、ルーカスお兄様だけでなく陛下も僕を出迎えてくれた。
さっそく応接セットに座ったのだけど、ここでもプリンは自分の銀細工を陛下に見せていた。
プリン、嬉しいのはよく分かるけどもう少し落ち着こうね。
「例の男子生徒は、相当疲れが溜まっているのかまだ寝ているそうだ。大まかなことは聞いているが、目が覚めたら細かい話を聞く予定だ。自分のことだけではなく、家族のことも含めてだ」
ルーカスお兄様が男子生徒の状況について教えてくれたけど、極限の精神状態が続いていたもんなあ。
治療兵から治療を受ける予定らしいけど、もしかしたら精神だけでなく肉体的にも何かしらの病気を持っている可能性もある。
この辺りは、通常の対応だそうです。
そして、ここからが本題でした。
「男子生徒の両親は、二人とも学園時代の成績が良くなかった。嫡男はAクラスではないが、可もなく不可もなくというところだ。両親だけでなく嫡男からも話を聞くが、家族関係に問題がある可能性が高い」
ルーカスお兄様が現時点での情報を教えてくれたけど、男子生徒の話を聞く限り少なくとも親子間のコミュニケーションはなかったに等しい。
とはいえ、両親がどんな考えでいるのかは実際に話を聞かないと分からない。
あと、意外と兄の嫡男の存在がキーポイントかもしれません。
「学園には男子生徒逮捕の連絡をしているが、混乱はできるだけ避けたい。その点、被害者なのにアレクには負担をかけるかもしれない」
ルーカスお兄様が申し訳なく言っているけど、何にせよ細かいところはまだ話せません。
それに、主な対応は先生にお願いしないとね。
ということで、放課後に再び王城に行くことになりました。
僕とプリンは、学園にゲートを繋いで登校しました。
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