転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百八十四話 まさかの聴取結果

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 休み時間の間にプリンに二年生のA組に偵察に行ってもらったけど、どうやら男子生徒は体調を崩してお休みってことになっているみたいです。
 クラスメイトも男子生徒は体調が良くなさそうだと思っていたみたいで、何事もなく受け入れられていました。
 そんな中、僕のクラスではプリンが知り合いの人に自身の銀細工を見せていました。

「まさか、張り子だと壊れるから銀細工を作るだなんて。しかもとてもいい出来ですので、プリンちゃんが自慢したくなる気持ちもよく分かります」

 サキさんはプリンに見せてもらった銀細工を苦笑しながら眺めていたけど、スラちゃんは相変わらず悔しがっていた。
 因みに、今日もクラスでは作品の修復をみんなで行っていて、僕もリズも修復を手伝っていました。
 来週の美術の授業までには、なんとか修復完了しそうです。
 こうして日中の授業は過ぎていき、生徒会の仕事をした後僕とプリンは王城に向かいました。
 陛下とルーカスお兄様がいる国王執務室に向かったら、そこには疲れ切っている二人の姿がありました。

「あの、陛下もルーカスお兄様も何があったんですか?」
「あの男子生徒の両親の話を聞いたのだが、あれはちょっとではなくかなり問題がある」
「私が話をするから、アレクも席についてくれ」

 どうやら、陛下とルーカスお兄様は男子生徒の両親への取り調べの詳細を聞いて唖然としてしまったようだ。
 ルーカスお兄様も、ソファーに座った僕にどう説明しようかと悩んでいました。
 そして、最初に両親ではなく嫡男の話をしてくれました。

「嫡男は、両親から叱責のように勉強をしろと言われる弟をかなり心配していたという。事あるごとに両親に注意していたらしいが、両親は嫡男の注意を聞き入れなかったという。弟を守ってやれなかったと、嫡男それに嫡男の嫁も後悔していた」

 どうやら、嫡男はとても良い人だという。
 仮に、嫡男が男子生徒の両親だったら、こんなことは間違いなく起きなかったらしい。
 そして、両親の話になったんだけど思わず自分の耳を疑いたくなった。

「両親は共にあまり学園の成績が良くなかったと伝えているが、考える力も欠如している。息子に勉強しろ勉強しろと強要しつつ、息子がしている勉強の中身を全く理解していないので成績でしか判断する材料がなかったと堂々と言った。しかも、馬鹿な自分たちの息子がAクラスだと浮かれていて、息子がBクラスだと自分たちが劣等感にさいなまれると言っていた。自分たちのことばかりで、肝心の息子のことは全く考えていなかった」

 なんというか、ルーカスお兄様の話を聞いて思わず呆れてしまった。
 自分勝手な考えも甚だしく、逆に今まで良く男子生徒の精神状態が持ちこたえていたと言えた。
 しかも、ルーカスお兄様はこんなことまで言ってきた。

「実は、今回の件とは全く関係なく当主の父親は度重なる仕事上のミスで左遷されることが決まっていた。一度軍の施設で教育も受けるのだが、まともに理解できるか全く分からない。しかも、自分が左遷されたのは逮捕された男子生徒のせいだと言っていた」
「う、うーん。僕は父親の主張が全く理解できません。流石に酷すぎると思いますよ」
「私にも、当主の言いたいことは全く理解できない。王国に害をなす場合は、もちろん強制当主交代の対応も取る」

 嫡男は真面目に仕事をしていて、なんにも問題ないそうです。
 そんな状況で、今までよく仕事をしていたのだと感心します。
 もしかしたら、簡単な仕事しか任されなかったのかもしれません。
 いずれにせよ、このままでは男子生徒は屋敷には戻れないだろうなあ。
 ルーカスお兄様も、その点は悩みだと言っていました。
 因みに、男子生徒は素直に聴取に応じているそうです。
 そして、ルーカスお兄様曰く、本人が勉強できなくなったのは両親の過剰なプレッシャーが原因ではないかと言っていました。
 僕も、その可能性は十分にありえると思います。
 こうしてルーカスお兄様と話をして屋敷に戻ったのだけど、何故かスラちゃんたちがどんよりと落ち込んでいました。
 侍従のお姉さん曰く、たまたま金属粘土が入荷待ちなんだそうです。
 数日中には屋敷に届くそうだけど、自分の銀細工ができると思っていたのでショックも大きかったみたいです。
 文化祭までには間に合うから、できたら直ぐに用意しますよ。
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