小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

文字の大きさ
528 / 697
第十二章 再びの帝国との紛争

第八百三十一話 いつもの訓練を披露します

 昼食を食べたら、さっそくジョセフさんやローナちゃんに庭でソラちゃんに乗るところを見せてあげます。
 その前に、いつもの魔法の訓練を見せることになりました。
 最初は、魔法剣を発動しての型を見せます。
 僕だけでなく、シロちゃんとユキちゃんも真鉄製のナイフを持って型を披露します。

 シュイン。

「えい、えい!」
「アオン!」

 みんなでビシッとタイミングを合わせて型を披露をすると、僕たちのことを見ていた多くの人の表情が引き締まりました。
 ローナちゃんは、何が何だか分からないって感じですね。

「ふう、これが魔法剣を発動しながらの型です。できる限り、毎朝練習しています」
「こ、これは凄い。毎朝、このレベルの訓練をしているとは。帝国の魔法使いの訓練レベルとは違うぞ」

 ジョセフさんは、とんでもないものを見たという表情と声色ですね。
 僕は、アマード子爵領を出発した時からずっと魔法剣の訓練をしています。
 ではでは、次に別の訓練をお見せします。
 ユキちゃんはまだできないので、僕とシロちゃんでやりましょう。

 シュイン、ふわっ。
 ヒューン、ヒューン!

「「えっ!?」」

 僕とシロちゃんが見せたのは、飛翔魔法を使っての訓練です。
 僕とシロちゃんが魔法で浮かんで飛んでいる様子を見せると、ジョセフさんとローナちゃんは目をまん丸にする程びっくりしていました。
 帝国から警備でやってきた兵は、目の前で起きていることを理解出来ていないみたいですね。

「よっと、短時間ですけど魔力制御の訓練で飛翔魔法を使っています。飛翔魔法はよく伝説の魔法だと言われていますが、魔力制御を訓練すれば魔法使いなら誰でも使えます」
「その、『飛翔魔法が使える』というレベルに達するだけの魔力制御になっているのか。レオ君は、毎朝これだけの高度な魔力訓練をしているのか」
「凄いです! スライムが空を飛びました!」

 ローナちゃんはシロちゃんの飛翔魔法に喜んでいたけど、ジョセフさんは何だか色々と考え込んじゃいました。
 すると、かなり苦笑しながらチャーリーさんがジョセフさんに話しかけました。

「ジョセフ殿下、レオ君は物凄く特殊な例だと思ってくれていいです。私もたまにレオ君の訓練内容を見ますが、王国でも魔法兵が出来るだけのレベルではないですよ」
「しかし、そんな物凄いレベルの魔法使いなのに、奢ることなく鍛錬を続けて多くの人を治療する。確かに噂に名高い『黒髪の天使様』と言われるだけはある」

 チャーリーさんもジョセフさんも、僕のことを褒めているのかとても微妙です。
 ここはスルーした方がいいかな。
 ではでは、今度は大きくなったソラちゃんに乗って空を飛んでみましょう。

 トコトコトコ、ピョーン。

「アオン!」
「えっ、ユキちゃんに掴まってって事かしら?」
「アン!」

 ユキちゃんは、大きくなったソラちゃんに乗ってローナちゃんを手招きしています。
 そして、ローナちゃんは恐る恐るユキちゃんに掴まりました。

「アオン!」
「ギュー!」
「わっ!」

 バサッ、バサッ、バサッ。

 そして、ユキちゃんとローナちゃんを乗せたソラちゃんは、サンダーランド辺境伯家の周辺の上空を少しスピードを抑えながら飛んでいました。
 ローナちゃんも、最初は怖がっていたけどそのうち楽しそうにしていました。

「いーなー」
「ふふ、今度頼んでみましょうね」

 空を飛ぶソラちゃんを、アンソニーちゃんは羨ましそうに見ていました。
 スーザンさんの言う通り、頼めばきっと大丈夫ですよ。

 バサッ、バサッ、バサッ。

「アオン!」
「凄かったです! 空を飛ぶって、こういう感覚なんですね。町を眼下に見ていて、遠くの景色も見れて凄かったです!」

 着陸したソラちゃんの背中で、ローナちゃんは凄いとずっと言っていますね。
 ローナちゃんの楽しそうな表情を見て、ジョセフさんも少し安心していました。

「つぎー!」
「アオン!」

 そして、いつの間にかアンソニーちゃんがソラちゃんの背中に乗ってユキちゃんに掴まっていました。
 その後も、希望者を乗せてソラちゃんの遊覧飛行が続きました。
 意外と空を飛んで喜んでいたのがチャーリーさんでした。
感想 208

あなたにおすすめの小説

【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜

るあか
ファンタジー
 僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。  でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。  どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。  そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。  家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

何もしなかっただけです

希臘楽園
ファンタジー
公爵令嬢であり王太子の婚約者であった私は、「地味だ」という理由で婚約を破棄され、王宮を去った。 それまで私が担っていた役目を、誰も知らないまま。 ――ただ何もしなくなっただけで、すべては静かに崩れていく。 AIに書かせてみた第14弾は、「追放ざまぁ」系の短編。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。