小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十二章 再びの帝国との紛争

第八百九十二話 部屋を覗いていた人

 訓練場に移動しようと部屋を出たら、何故かこの人が部屋を覗いていたのです。

「アイリーンさん、レイアースさん、何でここにいるんですか?」
「もちろん、レオ君が冒険者ギルドの講師として頑張っているのを見に来たのよ」
「とっても素晴らしいことを言っていましたわ。他のものにも、是非とも聞かせてあげたいですわ」

 今日は軍の活動も殆どないし、晩餐会までまだまだ時間はあります。
 つまり、アイリーンさんとレイアースさんは野次馬しに来たみたいですね。
 服装は宮廷魔導師の制服なので、僕と色違いです。

「トール、ミユ、レオ君の説明はどうだったかしら?」
「全く問題ないと思いました。元々薬草採取講習の講師もしていたみたいですし、とてもスムーズでした」
「自分の経験を混ぜて、上手に説明していましたわ。流石だと思いましたわ」

 アイリーンさんは、トールさんとミユさんの話を聞いて満足そうに頷いていました。
 一方、ゴーリキーさんとセリーナさんは、ちょっと緊張しながらアイリーンさんに色々と話をしています。
 更に、この人も僕に話しかけてきました。

「レオ君、とてもいい話をしていたね。冒険者も一つの職業で、その仕事に責任を持つ必要があると。馬鹿なことをして、拘束されている貴族にも聞かせてやりたい」
「各地を回って、様々な冒険者と接しているレオ君ならではの話だったね」

 これから王城に帰るチャーリーさんと、仕事に戻るシシーさんもさっきの話をとても評価していました。
 そこまで褒められると、何だかこそばゆいですね。
 そして、明らかに偉い人だと一目で分かる人たちに囲まれている僕を、受講生がぽかーんとしながら見ていました。
 結局アイリーンさんとレイアースさんはそのまま僕の講師ぶりを見学することになり、訓練場までついてきました。

「あの、同じ宮廷魔導師のアイリーンさんとレイアースさんが見学していますが、特に気にしないでください」

 訓練場に着くと、僕は受講生にニコニコとしながら僕を見ている二人のことを説明しました。
 受講生も、直ぐに理由を分かってくれました。
 では、さっそく説明を始めましょう。

「この中には、初めて武器を持つ人もいると思います。ですので、初めて武器を持ったり自信がない人と、武器を持っていて自信があるグループに分けます」

 新人冒険者でも、実力差があることはあります。
 余りにも実力差があると、怪我のもとになるもんね。
 でも、その前に別の話をします。

「例えば、大剣や槍などは狭い森の中では効果を発揮できません。上手く広いところに、敵を誘導する必要があります。ダガーなどの、取り回しの効く武器を携帯するのもいいです。軍でも、剣とは別に必ずダガーなどを携帯します」

 軍は、色々な場面を想定して動くもんね。
 それは、冒険者にも通じることがあります。
 想定外のことが起きるかもしれないし、武器も折れる可能性があります。
 予備の武器は、必ずあった方がいいですね。
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