小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第八章 帝国との紛争

第五百六十六話 豪華な馬車で王都に出発です

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 翌朝、僕は早く起きて準備を整えました。
 というのも、謁見があるので宮廷魔導師の服をきちんと着ないといけないからです。
 この日泊まったバーボルド伯爵家の使用人が、念入りに僕の髪や服装を整えました。
 そして、とても良い仕事をしたという表情をしていました。
 更に、ユキちゃんもお気に入りのピンクのバンダナを身につけてとってもご機嫌です。
 そして、朝食を食べて軍の基地に行ったら、なぜか一台のとても豪華な馬車が事務棟の前に停まっていました。
 うん、これってどういうことでしょうか。
 フランソワーズ公爵家やマリアージュ侯爵家の馬車でもありません。
 細工ももっと精密だし、金銀の装飾もされています。
 すると、マイスター師団長さんがこの馬車のことを教えてくれました。

「この馬車は、王城が直接重要なものを招く場合に使用するものだ。だから、特別豪華な作りになっているのだよ」
「へえ、そうなんですね。この馬車に乗る人って凄い人なんですね」
「レオ君、何を言っているんだ? この馬車に乗るのはレオ君だよ」

 えー!
 僕がこの馬車に乗るの?!
 だって、僕よりもブラウニー伯爵やアイリーンさんの方がこの馬車に相応しい気がするよ。
 すると、二人とも首をふるふるとして否定しました。

「この馬車に乗るのはレオ君が相応しい。俺は、元々普通に任務で国境に行ったからな」
「私も、軍人として任務を全うしただけよ。レオ君は軍人でもないし、ましてはまだ小さいのに頑張ったのよ」

 僕も貴族当主として派遣命令を受けたんだけどなあって文句を言ったのに、思いっきり押し切られちゃった。
 しかも、この豪華な馬車の周囲にはこれまた着飾った騎馬隊が複数護衛についていました。
 うう、僕としてはずっと乗っていた幌馬車の方が気が楽で良いなあ。
 そんなことを思ってみんなと一緒に馬車に乗り込んだら、何と僕の知っている人が乗っていました。

「レオ様、お帰りなさいませ」
「あっ、ジェシカさん! ただいま!」
「アオン!」

 いつも屋敷で僕のお世話をしてくれたジェシカさんが、いつもと同じメイド服に身を包んで車内にいました。
 ピーちゃんは初めて会う人だからなんだか分からないでいたけど、僕たちはとっても嬉しくなりました。
 ピーちゃんのことを紹介しつつ、なんで馬車内にいるのか聞いてみました。

「私はレオ様の専属侍従です。レオ様をお迎えしてお世話をするのが私の仕事ですので」

 おお、ジェシカさんは真顔だけど当たり前だと言っているよ。
 思わずみんなで拍手しちゃいました。

「では、出発する!」

 暫くすると、準備ができたのか馬車隊がゆっくりと出発しました。
 ミニッツさんたちが見送りをしてくれたので、僕は窓から手を振りました。
 すると、ジェシカさんがあることを教えてくれました。

「レオ様、王都では『黒髪の天使様』が大活躍したと大変な騒ぎになっております。王城までの街道に『黒髪の天使様』を一目見ようと、既に人が押し寄せております」

 またもや、僕はびっくりしちゃいました。
 何だか凄いことになっていそうでちょっと怖いけど、それでもクリスちゃんたちと早く会いたいなって、そう思いました。
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