小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十一章 冒険者学校

第七百二十八話 ムホン伯爵家の屋敷前に到着しました

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 翌朝、僕は早く起きて準備を整えます。
 宮廷魔術師の服を着て食堂に行ったけど、どうやらクリスちゃんとマヤちゃんはまだ寝ているみたいですね。

「レオ君、今日はいつもいる人がいないから十分に気を付けるのよ」
「レオ君が凄いといっても、無理や無茶は禁物よ」

 朝食時にモニカさんとターニャさんが心配そうに声をかけてくれたけど、僕も単独で大きな事件の指揮を執るのは初めてなんだよね。
 でも、シロちゃん達も頑張ると言ってくれているし、何とかなりそうな気がします。
 朝食を食べ終えたら、早速フランソワーズ公爵家の屋敷から軍の施設に向かいました。

「よう、朝早くから悪いな」

 軍の施設に到着すると、ブラウニー伯爵が僕を出迎えてくれました。
 今日の軍幹部の早番だったらしく、まだ少し眠たそうな表情をしていました。
 ユキちゃんとかは、ブラウニー伯爵に元気よく手を上げていました。

「レオ、もし帝国の軍人がいたら問答無用でムホン伯爵を捕まえていい。こういうのはスピード勝負だ」

 財務監査もあるけど、とにかく犯罪者を捕まえるのが優先になるそうです。
 特に持っていく荷物もないので、早速大きくなったソラちゃんの背中に乗り込みました。

「ブラウニー伯爵、行ってきます」
「アオン!」
「気を付けて行って来いよ」

 僕はブラウニー伯爵に手を振って、そしてソラちゃんは一気に空に飛び立ちました。
 地図は頭の中に入っているので、迷子になることはありません。

「ソラちゃん、お願いね」
「グルル」

 大きくなったソラちゃんは、猛スピードで大空を飛んでいきます。
 ユキちゃんやムギちゃんは特製のリュックサックの中に入っていて、ピーちゃんも僕にしっかりと捕まっています。
 シロちゃんは、大きくなったソラちゃんの頭にくっついています。
 そして、一時間もしないで目的地であるムホン伯爵領に到着しました。
 僕たちを乗せたソラちゃんは、ムホン伯爵家の屋敷前に到着しました。

「グルル……」
「「「どどど、ドラゴン……」」」

 あっ、大きくなったソラちゃんにムホン伯爵家の屋敷を守る門兵が怯えちゃった。
 ここは、早めに説明して安心させてあげないと。
 ソラちゃんが小さくなるまでの間、僕は怯えている門兵に説明をしないと。

「あ、あの、ソラちゃんは怖くないドラゴンですよ。大丈夫ですよ」
「「「は、はい……」」」

 門兵は尚もビビった表情で小さくなったソラちゃんを見ていたけど、何とか納得したところですね。
 あっ、そうだ、あの事を聞いてみないと。

「あの、宮廷魔導師のレオです。王国からの調査団は来ていますか?」
「えっ? レオって、あの黒髪の天使様の。その、もう少しで到着すると伺っております」
「ありがとうございます。じゃあ、もう少しだけここで待ちます」

 どうやら、僕の方が調査団の方よりも早くついちゃったみたいですね。
 ですので、少しの間待つ事にしました。

「ピー」

 うん、シロちゃんやピーちゃん、それにムギちゃんが庭に入って偵察を始めているけど、門兵もただのスライムや動物だと思って気にしていませんでした。
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