小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十一章 冒険者学校

第七百八十四話 いよいよ官僚試験の日です

 野営講習から数日後、遂に今年の官僚試験の受験日がやってきました。
 冒険者学校も、何人もの冒険者が官僚試験を受けるので今日はお休みになっています。
 僕は予定通り上級官僚試験を受けるんだけど、実はフランソワーズ公爵家からこの人も上級官僚試験を受けることになりました。

「前に上級官僚試験を受けて、あと一歩のところで落ちているのよ。今年はリベンジなのよ」

 拳をぎゅっと握りしめながら、ウェンディさんはやる気満々でいました。
 ウェンディさんも夜な夜な勉強を続けていたし、きっといい結果になるはずです。
 僕も受験票などの確認を済ませており、準備は万端です。
 そして、何故かシロちゃんとユキちゃんも一緒についていくと言ってついてきました。

「クリスは、あと二年したら初級官僚試験を受けましょうか。マヤちゃんは、あと四年くらいかしらね」
「ええ、それがいいわね。初級官僚試験なら、キチンと勉強すればいいだろうしね」
「「ええー!」」

 僕たちの見送りで玄関にやってきたモニカさんとターニャさんの発言に、クリスちゃんとフランソワーズ公爵家に勉強に来たマヤちゃんは思わずガックリとしちゃいました。
 とはいえ、こればかりは仕方ないと思うし、僕も二人なら初級官僚試験に合格出来ると思うよ。
 ということで、馬車に乗って王城に向けて出発です。

「ジェシカさん、行ってきます」
「アオン!」
「ご武運をお祈りします」

 馬車の乗降場で降りて、ジェシカさんに挨拶をします。
 そして、昨年と同様に王城前の受付に順番に並びます。

「はい、確認しました。中へどうぞ」
「「ありがとうございます」」

 僕とウェンディさんの受験票のチェックも無事に終わり、試験会場に向かおうとしました。
 すると、ここでとてもビックリすることが起きたのです。

「アオン!」
「「「えっ!?」」」

 なんと、シロちゃんはアイテムボックスから、そしてユキちゃんは首から下げているポーチ型のマジックバッグから自分の受験票を取り出したのです。
 でも、よく見ると受験票にテストケースと書かれていますね。
 どうやら、受験はするけどシロちゃんとユキちゃんの実力を測る意味合いもありそうです。

「はい、確認しました」
「アン!」

 受付の人もテストケースに気がついたので、直ぐに対応してくれました。
 とはいえ、面接も普通に受けるから頑張って貰わないとね。
 ニコリとしているユキちゃんは、とっても可愛いです。

「私とレオ君は、隣同士の部屋みたいだわ。シロちゃんとユキちゃんは、廊下を挟んで向かい側の部屋ね」
「アンアン」

 ユキちゃんは、シロちゃんを頭に乗せながらとてもご機嫌ですね。
 ウェンディさんが部屋の場所を教えてくれたので、今年は迷子にならなくて済みそうです。

「ウェンディさん、シロちゃん、ユキちゃん、試験頑張ってね」
「レオ君も頑張ってね」
「アオン!」

 無事に試験室に到着し、僕はみんなを見送ります。
 そして、ウェンディさんが試験室に入った時でした。

「あっ、おじさんだ」
「おじさん言うな! 年も殆ど変わらないだろうが!」

 ウェンディさんの入った試験室から、大きな男性の声が聞こえてきました。
 確か、ブルックさんはウェンディさんのお母さんのモニカさんと年の離れたきょうだいなんだよね。
 そういう意味では、おじさんってのは間違っていないよね。
 そんな事を思いながら、僕は自分の席に座って試験の準備を進めました。
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