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カーテンコールがなる頃に
カーテンコールがなる頃にⅠ
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カーテンコールがなる頃にⅠ
~誕生~
「オギャーオギャー」
9月1日、午前0時ジャスト。
私、アリスは生まれた。
「優しい子に育つといいわね。」
母が言う。
「心が強い子にもなってほしいな。」
父が言う。
幸せになりたい。
~期待~
「アリスさん、この劇を良くするためには何が必要だと思いますか?」
先生が言う。
今は学芸会の練習中。私は先生に良くするためには何が必要だと思うか聞かれている。
「みんなが心を開きあう場面は手をつないで微笑むというのはどうでしょう?みんながつながってるみたいで素敵だと思います。」
私は答える。微笑みながら。
「いいねー!」
「仲良しだしねー!」
「いいと思うぜ!」
「流石アリス!!」
パチパチ
嬉しかった。すごく。
でも、その裏では悲しみが私を襲っていた。
「集会が始まります。並んでください。」
みんなは並んだ。私も並んだ。
「ちょっと全員!ふらふらするんじゃない!!」
先生がみんなに怒鳴った。
そして先生が私の目の前にきて言う。
「アリスさんも、皆につられてフラフラしちゃダメよ。あなたには期待しているんだからね。ほら皆アリスさんを見習いなさい!!」
こんな毎日もう嫌だ。
私は立っているだけで褒められる。
それが嫌だった。
私もみんなと同じように扱われたい。差別をされたくない。私もみんなと同じように叱られて。泣かされて。笑わされたい。
そんな簡単な願いも誰にも通用しないのが私だった。
ある日友達が言った。
「アリスちゃんはいいなぁー叱られなくて。いっつも褒められてさー。私なんか叱られっぱなし。」
「いいもんじゃないよ。叱られないし、褒められ続けるのって。悲しいものだよ。」
そうなんだ。悲しいものなんだ。褒められるのは。
「へぇ~そうなんだ~お互い大変だねー」
友達はびっくりしたようにそう言って、「じゃあねっ!」と言って別れた。
「アリス今日も学校で褒められたんでしょ?凄いわねー!アリスは!いい子いい子。」
そう言って頭を撫でられる。私はこの言葉が好きじゃない。むしろ嫌いだ。
「明日も期待してるわよー。頑張ってね」
期待……
「あらアリスちゃんこんにちは。」
この人は、スズネちゃんのお母さん。
「学芸会の劇のアドバイス凄いらしいわね!すごいわー!アリスちゃんは!劇期待してるわ!」
期待……
「アリスさん、劇はあなたに任せます。いい劇にすること。期待してますよ。」
期待……
期待、期待、期待、期待、もう嫌だ。
期待されたくない。死んでしまいたい。
この劇は私の物語に刻まれてしまうのだ。
期待が……怖い……
~誕生~
「オギャーオギャー」
9月1日、午前0時ジャスト。
私、アリスは生まれた。
「優しい子に育つといいわね。」
母が言う。
「心が強い子にもなってほしいな。」
父が言う。
幸せになりたい。
~期待~
「アリスさん、この劇を良くするためには何が必要だと思いますか?」
先生が言う。
今は学芸会の練習中。私は先生に良くするためには何が必要だと思うか聞かれている。
「みんなが心を開きあう場面は手をつないで微笑むというのはどうでしょう?みんながつながってるみたいで素敵だと思います。」
私は答える。微笑みながら。
「いいねー!」
「仲良しだしねー!」
「いいと思うぜ!」
「流石アリス!!」
パチパチ
嬉しかった。すごく。
でも、その裏では悲しみが私を襲っていた。
「集会が始まります。並んでください。」
みんなは並んだ。私も並んだ。
「ちょっと全員!ふらふらするんじゃない!!」
先生がみんなに怒鳴った。
そして先生が私の目の前にきて言う。
「アリスさんも、皆につられてフラフラしちゃダメよ。あなたには期待しているんだからね。ほら皆アリスさんを見習いなさい!!」
こんな毎日もう嫌だ。
私は立っているだけで褒められる。
それが嫌だった。
私もみんなと同じように扱われたい。差別をされたくない。私もみんなと同じように叱られて。泣かされて。笑わされたい。
そんな簡単な願いも誰にも通用しないのが私だった。
ある日友達が言った。
「アリスちゃんはいいなぁー叱られなくて。いっつも褒められてさー。私なんか叱られっぱなし。」
「いいもんじゃないよ。叱られないし、褒められ続けるのって。悲しいものだよ。」
そうなんだ。悲しいものなんだ。褒められるのは。
「へぇ~そうなんだ~お互い大変だねー」
友達はびっくりしたようにそう言って、「じゃあねっ!」と言って別れた。
「アリス今日も学校で褒められたんでしょ?凄いわねー!アリスは!いい子いい子。」
そう言って頭を撫でられる。私はこの言葉が好きじゃない。むしろ嫌いだ。
「明日も期待してるわよー。頑張ってね」
期待……
「あらアリスちゃんこんにちは。」
この人は、スズネちゃんのお母さん。
「学芸会の劇のアドバイス凄いらしいわね!すごいわー!アリスちゃんは!劇期待してるわ!」
期待……
「アリスさん、劇はあなたに任せます。いい劇にすること。期待してますよ。」
期待……
期待、期待、期待、期待、もう嫌だ。
期待されたくない。死んでしまいたい。
この劇は私の物語に刻まれてしまうのだ。
期待が……怖い……
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