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翌週。さらに翌々週。そして、その次週・・・。
回を重ねて、実際の挿入体位に移ってきている。
『本取り』。所謂正常位だ。
但し、手足のちょっとした絡め方の違いにより、『網代本手』だの『筏本手』だの『手斧掛け』だのと名前が変わる。どうでも良いようなことだが、率先して型を実演してくれる会長・副会長コンビ……どっちが男役で、どっちが女役かは言うまでもない……は、全ての名前を覚えているようだ。感心する。
本番行為の型は、二人一組のペアでの練習。そうなると、一年生は三人で奇数。ペア争いが起きてしまう。
洋子とも綾音とも仲の良い麻美。どちらかを選べない。
結果、洋子と綾音がペア。麻美は、やはり奇数であぶれている三年の先輩とのペアになった。
流石は先輩。二年間もこんなことをしているのである。全く経験のない麻美を上手く導いてくれる。
洋子と綾音のペアは言い争いながらも、何とかやっているようだ。これで仲良くなってくれれば良いのだが、どうであろう。傍から見ている分には、結構良いコンビに見えなくもない……。
正常位の他にも体位はある。『茶臼』という、女性が上になっての型で、『時雨茶臼』『機織り茶臼』『帆掛茶臼』『居茶臼』等・・・、色々なバリエーションが存在。
『後ろ取り』つまり、後背位系(…俗に、『バック』)も、何パターンかある。
その他、立っての型、台に坐って、ロープを使ったり等・・・。本当に様々。
中には実行不能だろうというのも混じっている。ヨガの体操でもしているようだ。
さらに、股間を合わせるだけでなく、一つ一つ、実際に交わっているような腰の動きも十分に行っている。
「夜の運動会」なんて表現を聞いたことも有るが、こうやってみると、確かにかなりの運動になる。
ちょっと卑猥ではあるが、体を動かす体操だと思えば悪くないかもしれないと麻美は思うようになっていた。
そう、慣れてしまったということ…。慣れというのは恐ろしいモノである。
そして、真面目な優等生の彼女は、様々な体位をシッカリと習得していった。処女の身でありながら。
当然のコトとして友人二人は、習ったのを彼氏と実践して楽しんでいることであろう。
が、勿論、そんなことは、麻美からは訊けない…。
夏休みが近づいてきたある日の活動終了時。会長から合宿の知らせがあった。
会員は全員参加。温泉地での二泊三日。費用は全て会で負担し、個人負担はないとのこと。
そういえば、麻美たちは会費も何も出していない。温泉に二泊だなんて、どこから資金が出てきているのだろうと綾音が会長に訊くと、学校からの補助とOG会からの援助なんだそうだ。
こんな会に補助を出す学校もすごいが、OG会…。いったい、いつから存在している会なのか再度問うと。なんと、学校設立時から?
そんなに歴史ある会であったとは…。驚きでしかない。
さて、その合宿発表の後のこと。麻美は会長から残るように言われた。
洋子と綾音は副会長の麗に声をかけられ、三人一緒に出て行った。他の会員も皆部屋を退出し、会長と二人きりになると…
「佐々木麻美君。合宿にあたり、君には重要なミッションを与える。心して承り給え」
いつもに増して威圧的である。そうでなくても麻美は、押しに弱く断れない女。命じられれば、引き受けるしかない。
「交合は本来、男と女でするものだ」
当たり前である。しかし、この会では学校からそれを禁じられている。女性限定の会だ。
「大学構内では、この会は女性限定。女だけで交合の研究をしている。だが、男の体を知らなければ、実際の交合などできない。そこで毎年、夏に構外での合宿をしているのだ」
ここまで聞くと、麻美はもう、不安しかない。これは、構外なら男を連れ込むのも有りだと言っているようなモノ。
そして、その嫌な予感は的中、いやそれを大きく上回ってくる。
「よって、合宿では男の体を知るために、教材としての男を必要とする。その男を捕獲するという名誉ある役目を、君に命ずる」
「ほ、捕獲っ?!」
思わず、裏返った声を出してしまう。
「そうだ。君が良いと思った男を一人、捕獲して連れてくること。これは命令だ。以上」
男を教材として捕獲だなんて、無茶苦茶である。
その上、よりによって、それを麻美になどと…。
「い、いや、いや、いや。そんなの無理ですよ。だいたい、なんで私なんですか!私、彼氏がいないどころか男性と付き合ったこともないんですし!」
「だからじゃないか。こんなこと、彼氏持ちに依頼してみろ。他の男にチョッカイ出したと彼氏が黙っちゃいない。だからといって、彼氏を見世物にという訳にもいかんだろう。そんなことで二人の仲に亀裂が入るなんてことになれば、産めよ増やせよの会の理念に反する。
よって、これは新入生の内の彼氏がいない者の役目と、代々決まっているのだ。
否やは許されん。捕まえ方が分からなければ、副会長に相談したまえ。以上だ。終了」
そうして、麻美は部室から追い出されてしまった。
こんなトンデモナイことを引き受けてくれる男なんているのか?
いやそれ以前に、どうやって頼めばよいのか??
全くの無理難題。これはもう、横暴極まりない。
パワハラだ。
回を重ねて、実際の挿入体位に移ってきている。
『本取り』。所謂正常位だ。
但し、手足のちょっとした絡め方の違いにより、『網代本手』だの『筏本手』だの『手斧掛け』だのと名前が変わる。どうでも良いようなことだが、率先して型を実演してくれる会長・副会長コンビ……どっちが男役で、どっちが女役かは言うまでもない……は、全ての名前を覚えているようだ。感心する。
本番行為の型は、二人一組のペアでの練習。そうなると、一年生は三人で奇数。ペア争いが起きてしまう。
洋子とも綾音とも仲の良い麻美。どちらかを選べない。
結果、洋子と綾音がペア。麻美は、やはり奇数であぶれている三年の先輩とのペアになった。
流石は先輩。二年間もこんなことをしているのである。全く経験のない麻美を上手く導いてくれる。
洋子と綾音のペアは言い争いながらも、何とかやっているようだ。これで仲良くなってくれれば良いのだが、どうであろう。傍から見ている分には、結構良いコンビに見えなくもない……。
正常位の他にも体位はある。『茶臼』という、女性が上になっての型で、『時雨茶臼』『機織り茶臼』『帆掛茶臼』『居茶臼』等・・・、色々なバリエーションが存在。
『後ろ取り』つまり、後背位系(…俗に、『バック』)も、何パターンかある。
その他、立っての型、台に坐って、ロープを使ったり等・・・。本当に様々。
中には実行不能だろうというのも混じっている。ヨガの体操でもしているようだ。
さらに、股間を合わせるだけでなく、一つ一つ、実際に交わっているような腰の動きも十分に行っている。
「夜の運動会」なんて表現を聞いたことも有るが、こうやってみると、確かにかなりの運動になる。
ちょっと卑猥ではあるが、体を動かす体操だと思えば悪くないかもしれないと麻美は思うようになっていた。
そう、慣れてしまったということ…。慣れというのは恐ろしいモノである。
そして、真面目な優等生の彼女は、様々な体位をシッカリと習得していった。処女の身でありながら。
当然のコトとして友人二人は、習ったのを彼氏と実践して楽しんでいることであろう。
が、勿論、そんなことは、麻美からは訊けない…。
夏休みが近づいてきたある日の活動終了時。会長から合宿の知らせがあった。
会員は全員参加。温泉地での二泊三日。費用は全て会で負担し、個人負担はないとのこと。
そういえば、麻美たちは会費も何も出していない。温泉に二泊だなんて、どこから資金が出てきているのだろうと綾音が会長に訊くと、学校からの補助とOG会からの援助なんだそうだ。
こんな会に補助を出す学校もすごいが、OG会…。いったい、いつから存在している会なのか再度問うと。なんと、学校設立時から?
そんなに歴史ある会であったとは…。驚きでしかない。
さて、その合宿発表の後のこと。麻美は会長から残るように言われた。
洋子と綾音は副会長の麗に声をかけられ、三人一緒に出て行った。他の会員も皆部屋を退出し、会長と二人きりになると…
「佐々木麻美君。合宿にあたり、君には重要なミッションを与える。心して承り給え」
いつもに増して威圧的である。そうでなくても麻美は、押しに弱く断れない女。命じられれば、引き受けるしかない。
「交合は本来、男と女でするものだ」
当たり前である。しかし、この会では学校からそれを禁じられている。女性限定の会だ。
「大学構内では、この会は女性限定。女だけで交合の研究をしている。だが、男の体を知らなければ、実際の交合などできない。そこで毎年、夏に構外での合宿をしているのだ」
ここまで聞くと、麻美はもう、不安しかない。これは、構外なら男を連れ込むのも有りだと言っているようなモノ。
そして、その嫌な予感は的中、いやそれを大きく上回ってくる。
「よって、合宿では男の体を知るために、教材としての男を必要とする。その男を捕獲するという名誉ある役目を、君に命ずる」
「ほ、捕獲っ?!」
思わず、裏返った声を出してしまう。
「そうだ。君が良いと思った男を一人、捕獲して連れてくること。これは命令だ。以上」
男を教材として捕獲だなんて、無茶苦茶である。
その上、よりによって、それを麻美になどと…。
「い、いや、いや、いや。そんなの無理ですよ。だいたい、なんで私なんですか!私、彼氏がいないどころか男性と付き合ったこともないんですし!」
「だからじゃないか。こんなこと、彼氏持ちに依頼してみろ。他の男にチョッカイ出したと彼氏が黙っちゃいない。だからといって、彼氏を見世物にという訳にもいかんだろう。そんなことで二人の仲に亀裂が入るなんてことになれば、産めよ増やせよの会の理念に反する。
よって、これは新入生の内の彼氏がいない者の役目と、代々決まっているのだ。
否やは許されん。捕まえ方が分からなければ、副会長に相談したまえ。以上だ。終了」
そうして、麻美は部室から追い出されてしまった。
こんなトンデモナイことを引き受けてくれる男なんているのか?
いやそれ以前に、どうやって頼めばよいのか??
全くの無理難題。これはもう、横暴極まりない。
パワハラだ。
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