73 / 76
樹神奉寧団編
73 樹神奉寧団編 斬首されます
しおりを挟む
百合が短刀を私の首に押し付けたまま話してくれた、私を殺す理由…。ホントは私に話しちゃいけないことだったみたいだけど、百合は全て話してくれました。
鬼神様の子は人の世を滅ぼす存在だなんて、そんな・・・。
その阻止が細入衆代々に、極秘で伝えられていた使命。百合はそれを課せられてきた。
鬼神様の子を妊娠したことを百合に話してしまった私。
だから百合は私を殺害し、私から子が産まれるのを阻止する・・・。
細入衆としての、彼女の使命なんだ。
百合は涙を流しながら私の首に短刀を当てている。さっきよりも痛い。更に少し切れた?
まだ気管を傷つけるまでには至っていないみたいだけど、凄く痛い。
そうか、私、百合に殺されちゃうのか・・・。
何人もの人を殺害して鬼神様の供物にしてきた私。これ普通に考えれば、超絶極悪な殺人鬼ですよね。
この後も私は、多くの人々の命を奪うことになる、凶悪犯罪者。紛うことなき、非道な悪役なんです。
それを阻止する正義の味方が現れました。百合です。
彼女は、人類の救世主、メインヒロインってことですね。かっこいいな。百合にピッタリ!
邪悪なる悪役の私は、ここでヒロイン百合に討ち取られて、終了か。
まあ、私なんて、そんなもんでしょうよ・・・。
「いいよ、百合。殺してちょうだい。あなたにだったら、私、殺されても良いよ」
彼女の涙目を見詰めながら、そう言う。
元々私は、彼女に首を斬ってもらう約束をしていたのです。
私が切腹し、彼女が私の介錯してくれるという約束。彼女、自分の口で『綺麗に首を刎ねてあげるよ』って言っていました。
切腹の介錯とは少し違ってきましたが、首を刎ねてもらうには違いなく、これは約束です。
それが実行されるだけの話なのです。
百合、涙をポロポロ零してる・・・。
私は目を瞑ります。見詰めてたら、やりにくいもんね。
さあ、どうぞ。この首、スッパリと斬り落としてちょうだいな。
百合なら慣れているからね。骨を避けて頸椎の隙間を分断するように、一気に刃物を入れてくれるはず。
悪役とはいえ、苦しめられるのはご勘弁ですもんね。
持っているのが短刀だから、大刀のように一瞬でとはいかないかもしれない。
それでも、サクッで気管と食道と頸動脈くらいを分断。次のサクッで、頸椎の中の脊髄を分断。最後のサクッで首の完全切断ってな感じかな…。一瞬でなくて、サクサクサクの、1秒くらい?
それで、私の頭部は胴体から分断。ゴロッと転がり落ちちゃう。
首を斬られると胴体の方は制御不能となってしまいます。首切断面から鮮血をビューッビューッと二筋噴き出しながら、激しく痙攣。これ、今まで何度か見てきた光景ですね。
でも、きっとオシッコを盛大に漏らし、緩んだ肛門からは大腸内のウンチもブリブリと垂らしまくる……。
だって私、こんなになるなんて思ってませんでしたからね。事前に分かっていれば、きちんと排泄を済ませて、下準備してきたんですけども……。
腹部内臓の処理を一切されない状態での斬首だから、もしかすると食道の断面からは、胃の内容物まで噴き出すかもしれないよ。さらに小腸内の消化物まで逆流させるかもしれない。
う~ん、最悪に汚いな・・・。
まあ、その辺りの処置は百合に任せれば問題ないはずです。
心優しきヒロイン百合は、悪役であっても辱めたりしませんよ。私の遺体から漏れ出た汚物は、適切に綺麗に処分してくれることでしょう。
全てお任せしますよ。お願いね。
切断された頭って、どれだけ生きてられるかな?
まあ、普通に考えれば、即死ですよね。頸動脈と脊髄を分断されるもんね。
切られた瞬間に意識を失うと思う。・・・多分。
だから、そんなに痛みで苦しむことはないでしょう。少しだけ我慢すればよいよね。
大丈夫。百合の腕なら、何の心配もない。
私は、綺麗に“処分”され、問題なく“処理”してもらえるはず。
さあ、どうぞ!
でも百合・・・。
短刀を私の首に押し付けたまま動かさない。
え、ええっと・・・、既に少しというか、けっこう皮膚が切れていましてね、さっきからトッテモ痛いんですけど・・・。
それに中途半端なことされると鬼神様が・・・。
瞑っていた目を開ける。
「あ、あの~、早く殺して欲しいな~。
鬼神様って私を出入りしていると思っていたんだけど、実は違くて、ずっと私の中に入っているんですって。
でね、私が自我を保っている間は私が鬼神様の動きを抑え込めるんだけどさ。意識を失うと鬼神様が私の体を自由に動かせちゃうの。だから、ジワジワやられると困るのよ。
はい、ではどうぞ。サクッと手早く、処分をお願いします」
百合の実行を促すため、再度、キュッと目を瞑る。
それでも彼女は短刀を動かさない。私にグッと刃を押し付けたまま。
いや、だからね。痛いんですッて。一思いに楽にしてよ。
ああ、鬼神様が抵抗しようとしてるのが分かる。これはまずいよ。
困惑しながら、また、目を開ける。
「百合。お願い、早く! 鬼神様が動き出しちゃう。
前々から鬼神様は百合の心臓を欲しがっていたの。早くしないと、私、押さえきれなくなっちゃうかもしれないよ」
私の顔の真上にある、百合の目を見ながらの警告。
百合も、私の目を見詰めている。
その彼女の目は赤く充血し、涙が止めどなく溢れている。
「ごめんなさい、有香。ホントにゴメン・・・」
さあ、これで終わりね。刃物が私の首にサクッと入り、切断されちゃう。
私は、・・・死ぬ。
目を瞑る。
さようなら・・・。
鬼神様の子は人の世を滅ぼす存在だなんて、そんな・・・。
その阻止が細入衆代々に、極秘で伝えられていた使命。百合はそれを課せられてきた。
鬼神様の子を妊娠したことを百合に話してしまった私。
だから百合は私を殺害し、私から子が産まれるのを阻止する・・・。
細入衆としての、彼女の使命なんだ。
百合は涙を流しながら私の首に短刀を当てている。さっきよりも痛い。更に少し切れた?
まだ気管を傷つけるまでには至っていないみたいだけど、凄く痛い。
そうか、私、百合に殺されちゃうのか・・・。
何人もの人を殺害して鬼神様の供物にしてきた私。これ普通に考えれば、超絶極悪な殺人鬼ですよね。
この後も私は、多くの人々の命を奪うことになる、凶悪犯罪者。紛うことなき、非道な悪役なんです。
それを阻止する正義の味方が現れました。百合です。
彼女は、人類の救世主、メインヒロインってことですね。かっこいいな。百合にピッタリ!
邪悪なる悪役の私は、ここでヒロイン百合に討ち取られて、終了か。
まあ、私なんて、そんなもんでしょうよ・・・。
「いいよ、百合。殺してちょうだい。あなたにだったら、私、殺されても良いよ」
彼女の涙目を見詰めながら、そう言う。
元々私は、彼女に首を斬ってもらう約束をしていたのです。
私が切腹し、彼女が私の介錯してくれるという約束。彼女、自分の口で『綺麗に首を刎ねてあげるよ』って言っていました。
切腹の介錯とは少し違ってきましたが、首を刎ねてもらうには違いなく、これは約束です。
それが実行されるだけの話なのです。
百合、涙をポロポロ零してる・・・。
私は目を瞑ります。見詰めてたら、やりにくいもんね。
さあ、どうぞ。この首、スッパリと斬り落としてちょうだいな。
百合なら慣れているからね。骨を避けて頸椎の隙間を分断するように、一気に刃物を入れてくれるはず。
悪役とはいえ、苦しめられるのはご勘弁ですもんね。
持っているのが短刀だから、大刀のように一瞬でとはいかないかもしれない。
それでも、サクッで気管と食道と頸動脈くらいを分断。次のサクッで、頸椎の中の脊髄を分断。最後のサクッで首の完全切断ってな感じかな…。一瞬でなくて、サクサクサクの、1秒くらい?
それで、私の頭部は胴体から分断。ゴロッと転がり落ちちゃう。
首を斬られると胴体の方は制御不能となってしまいます。首切断面から鮮血をビューッビューッと二筋噴き出しながら、激しく痙攣。これ、今まで何度か見てきた光景ですね。
でも、きっとオシッコを盛大に漏らし、緩んだ肛門からは大腸内のウンチもブリブリと垂らしまくる……。
だって私、こんなになるなんて思ってませんでしたからね。事前に分かっていれば、きちんと排泄を済ませて、下準備してきたんですけども……。
腹部内臓の処理を一切されない状態での斬首だから、もしかすると食道の断面からは、胃の内容物まで噴き出すかもしれないよ。さらに小腸内の消化物まで逆流させるかもしれない。
う~ん、最悪に汚いな・・・。
まあ、その辺りの処置は百合に任せれば問題ないはずです。
心優しきヒロイン百合は、悪役であっても辱めたりしませんよ。私の遺体から漏れ出た汚物は、適切に綺麗に処分してくれることでしょう。
全てお任せしますよ。お願いね。
切断された頭って、どれだけ生きてられるかな?
まあ、普通に考えれば、即死ですよね。頸動脈と脊髄を分断されるもんね。
切られた瞬間に意識を失うと思う。・・・多分。
だから、そんなに痛みで苦しむことはないでしょう。少しだけ我慢すればよいよね。
大丈夫。百合の腕なら、何の心配もない。
私は、綺麗に“処分”され、問題なく“処理”してもらえるはず。
さあ、どうぞ!
でも百合・・・。
短刀を私の首に押し付けたまま動かさない。
え、ええっと・・・、既に少しというか、けっこう皮膚が切れていましてね、さっきからトッテモ痛いんですけど・・・。
それに中途半端なことされると鬼神様が・・・。
瞑っていた目を開ける。
「あ、あの~、早く殺して欲しいな~。
鬼神様って私を出入りしていると思っていたんだけど、実は違くて、ずっと私の中に入っているんですって。
でね、私が自我を保っている間は私が鬼神様の動きを抑え込めるんだけどさ。意識を失うと鬼神様が私の体を自由に動かせちゃうの。だから、ジワジワやられると困るのよ。
はい、ではどうぞ。サクッと手早く、処分をお願いします」
百合の実行を促すため、再度、キュッと目を瞑る。
それでも彼女は短刀を動かさない。私にグッと刃を押し付けたまま。
いや、だからね。痛いんですッて。一思いに楽にしてよ。
ああ、鬼神様が抵抗しようとしてるのが分かる。これはまずいよ。
困惑しながら、また、目を開ける。
「百合。お願い、早く! 鬼神様が動き出しちゃう。
前々から鬼神様は百合の心臓を欲しがっていたの。早くしないと、私、押さえきれなくなっちゃうかもしれないよ」
私の顔の真上にある、百合の目を見ながらの警告。
百合も、私の目を見詰めている。
その彼女の目は赤く充血し、涙が止めどなく溢れている。
「ごめんなさい、有香。ホントにゴメン・・・」
さあ、これで終わりね。刃物が私の首にサクッと入り、切断されちゃう。
私は、・・・死ぬ。
目を瞑る。
さようなら・・・。
1
あなたにおすすめの小説
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる