女子切腹同好会

15 卵管内へ

　モニターでは、ドンドン卵管口が近づき、また画面全体がショッキングピンクに。
卵管を通過して腹腔内にカメラが入れば、卵巣や小腸なんかも見えるかもしれません。ちょっとワクワク…。

「夏実さん、どう？　スコープ自体はカナリ体内に入れていってるけど、これ、卵管内に入っていってる？」

「う～ん、入ってきてますよ～。
あ…、でも…、ううっ、限界かも……。あ、拙いっす。ストップです！」

「どれくらい入ってる？」

「分かんないっすけど、この感触、入っていますよ～。でもこれ以上は無理っすね～。
卵管って1mmくらいしか開いていないはずなんすよね～。そこに3mmのスコープ突っ込んでますからね～。無理ありますよね～」

「何も映らないわね。食塩水入れる？」

「いや、それは勘弁っすよ～。卵管が破裂しちゃいます～」

「そうか。そうよね」

　うん、それはそうでしょう。無茶してはいけません。赤ちゃん産めなくなっちゃいますよ。

「う～ん、ちょっと痛いな～。卵管から抜いてもらえますかね～」

「分かった。じゃあ、抜くね」

　美紀さんがスコープを少し引っ張るとカメラが卵管から抜け、再び子宮内が映りました。
さっき突っ込んだ卵管口、もう一方と比べると、かなり広がって赤くなっています。これ、大丈夫かな…。

「はい、じゃあ、これにて、私の生殖器の公開は御仕舞っすね～。食塩水も排出してください～」

　美紀さんがボタンを押すと夏実さんの子宮内に満たされていた生理食塩水が抜けていき、画面はショッキングピンク一色に。そのままカメラを夏実さんの子宮・膣から抜き出します。

「じゃあ、クスコーも抜いてくださいね～。そのまま閉じると、お肉挿んじゃいますから～、広げたままでネジを戻して～、嘴を閉じながら同時に抜き取っちゃってください～」

　美紀さん、言われた通りに開けたままネジを全部戻し、閉じながらヌチョッと引き抜きました。スッと閉じた膣口から、透明な液体とドロッとした粘液が溢れ出てきます。
　液体は食塩水ですね。粘液は夏実さんから分泌された物…。

「いや～、卵管はチョット無茶しちゃいましたかね～。まあ、子供産むことないっすから問題ないっすけどね～」

「え？　夏実さん、赤ちゃん産まないの？」

　こんな美人でお相手の男性も居るのに、赤ちゃん産まないって…。

「何言ってるっすか、有香ちゃん～。私、もうじき切腹して死にますからね～。赤ちゃんなんて産めませんよ～」

　あ、そうでした。忘れてました。
　いやでも、それ悲しすぎですって…。


　この後、美紀さんと夏実さんは二人で切腹の際の相談。「女の切腹なんだから、やっぱり女としての最重要器官である子宮や卵巣も取り出すべきだ」とか、なんだとか…。
　う、う～ん。そんなこと出来るんでしょうか。だって、お腹切ったら物凄く痛いよ。腸くらいは出せても、子宮までなんて、そんな余裕なくなると思いますけどね…。


　さて、当初予定外の子宮観察が入りました。一週間遅れで、次回は生体大腸の観察となります。
　実は内視鏡観察では、これがメインなのです。何でかって言いますと、内臓の位置確認の意味もあるのですからね。切腹で取り出す主な内臓は、腸なんですよ。だから、大腸の位置を把握して置くのは大切なことなんですって。

　で、胃カメラに続きましての被験者選出。ジャンケンです。
　大腸の中を見るのですからね。絶食という事前準備が必要です。よって、事前に決めないといけません。

　夏実さんは、もう既に二回も被験者になっています。普通ですと、この場合は抜けますよね。でも、ジャンケンに加わりました。もしかして、Ｍですか？
　いや、加わってもらった方が有難いですけどね。大腸内にカメラ突っ込まれるって、苦しそうですし、超恥ずかしいですもん。確率下がった方が良いです。

　で、ジャンケンポン。

　私はチョキ。そして、あとの二人はグー！

　あ～！　負けた～！！

　私が被験者です・・・。
　次回は私の大腸内の観察となってしまいました。
　仕方ないですね。切腹するんじゃありません。内視鏡くらいは我慢しましょう。
　それに、自分の体の中身にも興味あります。
　元々、自分のレントゲン写真で、こんな変態フェチに目覚めたのでもありますし…。