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仙界にて
46 帰りたい …希望…
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五月六日。
『神子の巫女』たちが帰ってしまい、最初の三人での生活に戻った…。
朝食後、釣りと収穫。温泉へ入って交合。
暗くなる前に夕食。そして就寝…。
五月七日。同じく…。
五月八日。同じく…。
そして九日、十日、十一日、十二日、十三日、同じく…。
白い光は舞衣には現れない。もちろん、祥子にも。
舞衣は、だんだん焦ってきた。もしこのまま帰れなかったら…。
この三人での生活なら、これはこれで良いかもしれない。これが続くのなら。
しかし、慎也は、満月の十九日に居なくなってしまう。そうすれば、祥子との二人暮らしだ。
祥子が居てくれれば、何とか生きてゆけなくはないだろう。
自分一人では絶対に無理だが、祥子と二人なら、なんとか…。
そして、それも慣れてしまえば「普通」になってしまうのか?
裸を見られるのも平気になった様に…。人前で交合しても、何とも思わなくなった様に…。
否、違う!
ここで、この先六十年なんてのは、やっぱり嫌だ。元の世界が良いに決まっている!
こんなところに、居たくない!
帰りたい!帰りたい!帰りたい!
私は、帰りたい……。
日を追うごとに、舞衣は沈みがちになっていった。
五月十四日。
交合部屋に居る三人。
「おかしいのう。ワラワは別として、なぜ舞衣は帰れぬ? 先の五人は、ほぼ一発で身籠ってしまった。何が違うというのじゃ」
祥子は首をかしげつつ考える。
「そういえば、慎也殿。少し疑問に思って居ったのじゃが、あの巫女四人と致すとき、手を当てて、何かしておらなんだかの?」
「えっ、別に何も……」
慎也には、特に何かした自覚が無い。が、よく思い起こしてみると……。
「あ、そうそう。先の美月さん含めて五人はバージンだってことだったから、手を当てて『…痛くないように…』って念じてたのです。まあ、おまじないみたいなものですけど、効かなかったみたいですね。挿入するときは、みんな痛そうでした」
「ワラワは、して貰っておらぬな」
「当り前じゃないですか。襲うようにしてきて! バージンでもないし…」
舞衣も反応した。
「あ、あれ? 私はして貰ってましたっけ?」
「え…、舞衣さんはどうだったかな……。
あ、舞衣さんの場合は、最初がもう治療からだったから…。だから、同じのはしてないね」
三人は、顔を見合わせた。そして、
「これか!」「これよ!」「これじゃ!」
揃って大きな声を上げた。
「慎也殿、それじゃ! その念で排卵が誘発されて、すぐ妊娠したのじゃ!」
「よし、二人にも!」
少し光が見えてきた。舞衣ばかりか、祥子にまでも……。
五月十五日、朝。
女子二人は、いつもより早い。揃ってソワソワしている。
当然だ。昨日のが上手くいっていれば、先の五人と同じように、今日帰ることができるはず。
(きっと帰れる!)
(千年ぶりに戻れるかも…)
慎也も、何だか明るい気分だ。
慎也が帰るのは満月の十九日。今日は十五日。帰るまでの四日間は、ここで一人だ。何をして過ごそうかと楽しみである。元々は、一人で居るのが好きなのだ。
もちろん、美女たちとのセックス漬けの生活が終わってしまうのも、残念な気はするのだが……。
そんな三人の思惑は…。
叶わなかった。
昼になっても、舞衣も、祥子も、帰れない。
この日も、…痛くないように…は、した。
五月十六日。やはり、帰れない。
この日も、…痛くないように…を、した。
『神子の巫女』たちが帰ってしまい、最初の三人での生活に戻った…。
朝食後、釣りと収穫。温泉へ入って交合。
暗くなる前に夕食。そして就寝…。
五月七日。同じく…。
五月八日。同じく…。
そして九日、十日、十一日、十二日、十三日、同じく…。
白い光は舞衣には現れない。もちろん、祥子にも。
舞衣は、だんだん焦ってきた。もしこのまま帰れなかったら…。
この三人での生活なら、これはこれで良いかもしれない。これが続くのなら。
しかし、慎也は、満月の十九日に居なくなってしまう。そうすれば、祥子との二人暮らしだ。
祥子が居てくれれば、何とか生きてゆけなくはないだろう。
自分一人では絶対に無理だが、祥子と二人なら、なんとか…。
そして、それも慣れてしまえば「普通」になってしまうのか?
裸を見られるのも平気になった様に…。人前で交合しても、何とも思わなくなった様に…。
否、違う!
ここで、この先六十年なんてのは、やっぱり嫌だ。元の世界が良いに決まっている!
こんなところに、居たくない!
帰りたい!帰りたい!帰りたい!
私は、帰りたい……。
日を追うごとに、舞衣は沈みがちになっていった。
五月十四日。
交合部屋に居る三人。
「おかしいのう。ワラワは別として、なぜ舞衣は帰れぬ? 先の五人は、ほぼ一発で身籠ってしまった。何が違うというのじゃ」
祥子は首をかしげつつ考える。
「そういえば、慎也殿。少し疑問に思って居ったのじゃが、あの巫女四人と致すとき、手を当てて、何かしておらなんだかの?」
「えっ、別に何も……」
慎也には、特に何かした自覚が無い。が、よく思い起こしてみると……。
「あ、そうそう。先の美月さん含めて五人はバージンだってことだったから、手を当てて『…痛くないように…』って念じてたのです。まあ、おまじないみたいなものですけど、効かなかったみたいですね。挿入するときは、みんな痛そうでした」
「ワラワは、して貰っておらぬな」
「当り前じゃないですか。襲うようにしてきて! バージンでもないし…」
舞衣も反応した。
「あ、あれ? 私はして貰ってましたっけ?」
「え…、舞衣さんはどうだったかな……。
あ、舞衣さんの場合は、最初がもう治療からだったから…。だから、同じのはしてないね」
三人は、顔を見合わせた。そして、
「これか!」「これよ!」「これじゃ!」
揃って大きな声を上げた。
「慎也殿、それじゃ! その念で排卵が誘発されて、すぐ妊娠したのじゃ!」
「よし、二人にも!」
少し光が見えてきた。舞衣ばかりか、祥子にまでも……。
五月十五日、朝。
女子二人は、いつもより早い。揃ってソワソワしている。
当然だ。昨日のが上手くいっていれば、先の五人と同じように、今日帰ることができるはず。
(きっと帰れる!)
(千年ぶりに戻れるかも…)
慎也も、何だか明るい気分だ。
慎也が帰るのは満月の十九日。今日は十五日。帰るまでの四日間は、ここで一人だ。何をして過ごそうかと楽しみである。元々は、一人で居るのが好きなのだ。
もちろん、美女たちとのセックス漬けの生活が終わってしまうのも、残念な気はするのだが……。
そんな三人の思惑は…。
叶わなかった。
昼になっても、舞衣も、祥子も、帰れない。
この日も、…痛くないように…は、した。
五月十六日。やはり、帰れない。
この日も、…痛くないように…を、した。
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