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帰還、そして出産
97 恵美の策謀3
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翌日の診察。この日も順番は同じ。祥子が亜希子の部屋を出て、次の恵美に囁いた。
「掛かったかもしれぬぞ」
「そう?」
亜希子は診察前に、慎也にも声をかけていた。彼が一人になったのを見計らって…。慎也も診察するから、女性陣が終わった後に来てほしいと…。
舞衣、祥子、恵美は先に診察を終え、神社へ行った。沙織も終わり、洗濯を開始。杏奈と環奈も勉強を始めた。(彼女たちは、今年高校受験だ)
慎也は、一人、亜希子の部屋に行く。
一番奥の、水屋。よく考えてみると、ここで夜の喘ぎ声が聞こえるはずがない。おかしいなと思いながら、ノックして部屋に入った。
白衣姿の亜希子が待っていた。が、少し違和感がある。
何が違うのか……。
考えながら、慎也は指示された診察椅子に坐った。この椅子は、亜希子が持ち込んだものだ。
聴診器での診察を受ける。
腹部。そして背中側。
椅子を回して元に戻ると、亜希子の白衣の前が開いていた。
下着をつけていない。豊満な乳房が覗いている。
「あ、亜希子さん?!」
「お願い。毎夜のあの子たちの喘ぎ声を聞かされていたら、我慢できなくなっちゃったの。
姪っ子の彼氏にセックスしてとは言わないわ。だから、フィンガーアタックだけでも……」
「彼氏」という言葉に違和感を覚え、彼氏なんだろうか、夫になるのだろうかと、比較的どうでもよいことを考えこんでしまう慎也を他所に、亜希子は白衣を脱いで、上半身裸になった。
それを見て、頭の回線が回復。やっと事の重大性を認識した慎也…。
「ま、まずいですよ。こんなのは!」
「大丈夫よ。内緒にするから! それに、これは研究の一環でもあるの。お願い!フィンガーアタックだけでも良いから!」
スカートも脱ぐ。
下には何も着けていない。
完全な全裸だ。
亜希子は慎也に抱き着き、唇を合わせた。舌を入れてくる。
あまりの展開に、慎也は、なすすべ無しの状態。
しかし、ここで、ガラッと戸が開いた。
「は~い、ここまでで~す。不倫現場、はっけ~ん」
恵美が先頭。後ろに舞衣、沙織、杏奈、環奈、が並び、その後ろに祥子。
亜希子は慌てて唇を離し、服をつかんで胸と股間を隠した。
「慎也さん。今、何してました!?」
舞衣の怒り顔……。
毎度のことながら、究極美人の怒り顔は、激烈に怖い。形容すれば、まさに、鬼女のようなということになろうか。
「い、いや、何って、こっちも、いきなりされたわけで、不可抗力です!」
「は~い。二人とも、そのまま、ここに正座です~」
亜希子は服を着ることも許されない。(胸と股間は、服で隠しているが…)慎也と並んで正座させられた。
慎也は、怒り顔の舞衣に向かって、恐る恐る抗議を試みる。
「あ、あのですね。何で、俺までなのかな? こっちは被害者かと思いますが……」
「ウルサイ! 今、キスしてた!」
「そんなこと言ったって、いきなり一方的にされただけですし!」
とんだトバッチリで有るが、許してくれないようだ。
沙織の形相も怖いが、彼女の怒りは、自身の叔母に向かっている。
「亜希子 お・ば・さ・ま!」
叔母様と呼ばないようにと言っていた沙織が、叔母様と呼んだ。それも、ことさら強調して。
「あなたは、自分が何したのか分かってますか! 姪の主人に手を出すなんて、何て破廉恥な!」
「い、いや、落ち着いてね。沙織。これはね。そう、研究の為のモノよ。フィンガーアタック!そう、フィンガーアタックについて、知りたくてね。だからね、不倫じゃないのよ!研究の為!」
「研究の為って言えば、何でも許されると思ってるんですか! それに、キスしてたでしょ! その裸はなに?」
「叔母様、不潔です!」
「叔母様、これは不貞行為です!」
杏奈と環奈も相当怒っているようで、「叔母様」と亜希子を呼んだ。
祥子は、あきらかに巻き込まれただけの慎也を、憐れみの目で見ている。
「は~い。とにかく、現場を押さえてますので、有罪確定で~す」
「ちょい待ち! 俺も有罪なの?」
「もちろんで~す」
慎也は項垂れた。あまりに惨い展開である。
祥子も、(それはあんまりだ)と思った。自分も関係していることでもあり…。
が、ここで余計な口を挿むと、恵美の計画の腰を折ることになるかもしれない。まさか、慎也にまで酷いことはしないだろうと、黙っていることにした。
「掛かったかもしれぬぞ」
「そう?」
亜希子は診察前に、慎也にも声をかけていた。彼が一人になったのを見計らって…。慎也も診察するから、女性陣が終わった後に来てほしいと…。
舞衣、祥子、恵美は先に診察を終え、神社へ行った。沙織も終わり、洗濯を開始。杏奈と環奈も勉強を始めた。(彼女たちは、今年高校受験だ)
慎也は、一人、亜希子の部屋に行く。
一番奥の、水屋。よく考えてみると、ここで夜の喘ぎ声が聞こえるはずがない。おかしいなと思いながら、ノックして部屋に入った。
白衣姿の亜希子が待っていた。が、少し違和感がある。
何が違うのか……。
考えながら、慎也は指示された診察椅子に坐った。この椅子は、亜希子が持ち込んだものだ。
聴診器での診察を受ける。
腹部。そして背中側。
椅子を回して元に戻ると、亜希子の白衣の前が開いていた。
下着をつけていない。豊満な乳房が覗いている。
「あ、亜希子さん?!」
「お願い。毎夜のあの子たちの喘ぎ声を聞かされていたら、我慢できなくなっちゃったの。
姪っ子の彼氏にセックスしてとは言わないわ。だから、フィンガーアタックだけでも……」
「彼氏」という言葉に違和感を覚え、彼氏なんだろうか、夫になるのだろうかと、比較的どうでもよいことを考えこんでしまう慎也を他所に、亜希子は白衣を脱いで、上半身裸になった。
それを見て、頭の回線が回復。やっと事の重大性を認識した慎也…。
「ま、まずいですよ。こんなのは!」
「大丈夫よ。内緒にするから! それに、これは研究の一環でもあるの。お願い!フィンガーアタックだけでも良いから!」
スカートも脱ぐ。
下には何も着けていない。
完全な全裸だ。
亜希子は慎也に抱き着き、唇を合わせた。舌を入れてくる。
あまりの展開に、慎也は、なすすべ無しの状態。
しかし、ここで、ガラッと戸が開いた。
「は~い、ここまでで~す。不倫現場、はっけ~ん」
恵美が先頭。後ろに舞衣、沙織、杏奈、環奈、が並び、その後ろに祥子。
亜希子は慌てて唇を離し、服をつかんで胸と股間を隠した。
「慎也さん。今、何してました!?」
舞衣の怒り顔……。
毎度のことながら、究極美人の怒り顔は、激烈に怖い。形容すれば、まさに、鬼女のようなということになろうか。
「い、いや、何って、こっちも、いきなりされたわけで、不可抗力です!」
「は~い。二人とも、そのまま、ここに正座です~」
亜希子は服を着ることも許されない。(胸と股間は、服で隠しているが…)慎也と並んで正座させられた。
慎也は、怒り顔の舞衣に向かって、恐る恐る抗議を試みる。
「あ、あのですね。何で、俺までなのかな? こっちは被害者かと思いますが……」
「ウルサイ! 今、キスしてた!」
「そんなこと言ったって、いきなり一方的にされただけですし!」
とんだトバッチリで有るが、許してくれないようだ。
沙織の形相も怖いが、彼女の怒りは、自身の叔母に向かっている。
「亜希子 お・ば・さ・ま!」
叔母様と呼ばないようにと言っていた沙織が、叔母様と呼んだ。それも、ことさら強調して。
「あなたは、自分が何したのか分かってますか! 姪の主人に手を出すなんて、何て破廉恥な!」
「い、いや、落ち着いてね。沙織。これはね。そう、研究の為のモノよ。フィンガーアタック!そう、フィンガーアタックについて、知りたくてね。だからね、不倫じゃないのよ!研究の為!」
「研究の為って言えば、何でも許されると思ってるんですか! それに、キスしてたでしょ! その裸はなに?」
「叔母様、不潔です!」
「叔母様、これは不貞行為です!」
杏奈と環奈も相当怒っているようで、「叔母様」と亜希子を呼んだ。
祥子は、あきらかに巻き込まれただけの慎也を、憐れみの目で見ている。
「は~い。とにかく、現場を押さえてますので、有罪確定で~す」
「ちょい待ち! 俺も有罪なの?」
「もちろんで~す」
慎也は項垂れた。あまりに惨い展開である。
祥子も、(それはあんまりだ)と思った。自分も関係していることでもあり…。
が、ここで余計な口を挿むと、恵美の計画の腰を折ることになるかもしれない。まさか、慎也にまで酷いことはしないだろうと、黙っていることにした。
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