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新たな仲間と、…別れ
156 敗北者アマ2
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舞衣が慎也に連れられてトイレに行っている間、里と愛がアマのところへ来た。
「思い知ったか、このクソ鬼!」
横になっているアマを見下ろして、愛が言い放った。脱糞してしまったのだから、確かにクソ鬼だが、「クソ=糞」と理解して口にしているかは不明…。
里も口を開く。
「こんど、父様、母様にちょっかい出したら、尻の穴から手を突っ込んで… あ痛っ」
「里ちゃん、下品!」
里は愛に小突かれて、途中でやめた。愛が言った「クソ鬼」というのも、十分過ぎるほど下品であるだろうに、理不尽な所業だ。やはり、愛は意味を理解せずに使っていたらしい。見た目は大きくて利発であっても、まだ実年齢三歳なのだ。仕方ない。
そんな二人を前にして、アマは股間の違和感に堪えながら布団から出、正座して、頭を深々と下げた。
「申し訳ありませんでした。先ほど、舞衣様にもお許しを頂き、私は今日から舞衣様の下僕となりました。お二人におかれましても、以後、そのように扱い頂けましたら有難く存じます」
「ほえ?」
「下僕?」
「はい。私は舞衣様の下僕です」
愛と里は、顔を見合わせた。
「な、なによ。分かれば良いのよ! 舞衣母様は、凄い人なんだから!」
「そ、そうなんだから!」
二人は意表を突かれてしまい、それだけ言って駆けて行ってしまった。
神社で…。
舞衣が出てこないことを、美雪が不審に思って訊いた。
「恵美さん、舞衣さんはどうしたの? また何かありました?」
「あった、あった~! おおありよ~ん。聴きたい~?」
恵美の返答に、早紀も興味深そうに寄ってきた。
「実は……」
恵美は、昨夜の出来事を、「事細か」に二人に話した。二人は顔を赤くして、恵美の話を聴いた…。
「で~、これが、その勝利宣言時の画像~」
恵美のスマホには、全裸で鼻血を流しながらブイサインしている舞衣の雄姿、いや、痴態が写っていた…。恵美は、アマの方だけでなく、舞衣も内緒で撮っていたのだ。
「結果、アマちゃんは舞衣さんを認めて~、舞衣さんの下僕となりました~」
美雪と早紀は顔を引きつらせていた。もはや、笑うしか無いような話だ。
「あ、頭イタ……。まるっきり、バカじゃない。娘たちの前で、こんなことして…」
「でも、これで、一件落着よね…」
その後…。舞衣は復活するまで、四日も掛かった。
アマは二日で回復し、舞衣の下僕として世話を焼いていた。もうすっかり打ち解けてしまったようである。
だが、今度は杏奈と環奈がむくれている。自分たちの舞衣様を取るなというのである。
三人の下僕が競って舞衣の世話を焼く状態。まあ、これは微笑ましい光景というとこで良いのだろう。
また、母親を大事にしてくれるのならと、敵意を抱いていた愛も、アマに懐くようになった。釣られて里も、である。
アマは、人界にいる間に出来るだけ色々な知識を吸収しようとした。
祥子からは仙界での暮らしや、料理から竹細工・木工等の技術まで学ぶ。恵美とも、よく話し込んでいる。
結果、慎也が放って置かれることになるのは、いつものことだ。
必要とされるのは夜だけ…。「みんなの種馬」待遇からは抜け出せない運命なのであった。
「思い知ったか、このクソ鬼!」
横になっているアマを見下ろして、愛が言い放った。脱糞してしまったのだから、確かにクソ鬼だが、「クソ=糞」と理解して口にしているかは不明…。
里も口を開く。
「こんど、父様、母様にちょっかい出したら、尻の穴から手を突っ込んで… あ痛っ」
「里ちゃん、下品!」
里は愛に小突かれて、途中でやめた。愛が言った「クソ鬼」というのも、十分過ぎるほど下品であるだろうに、理不尽な所業だ。やはり、愛は意味を理解せずに使っていたらしい。見た目は大きくて利発であっても、まだ実年齢三歳なのだ。仕方ない。
そんな二人を前にして、アマは股間の違和感に堪えながら布団から出、正座して、頭を深々と下げた。
「申し訳ありませんでした。先ほど、舞衣様にもお許しを頂き、私は今日から舞衣様の下僕となりました。お二人におかれましても、以後、そのように扱い頂けましたら有難く存じます」
「ほえ?」
「下僕?」
「はい。私は舞衣様の下僕です」
愛と里は、顔を見合わせた。
「な、なによ。分かれば良いのよ! 舞衣母様は、凄い人なんだから!」
「そ、そうなんだから!」
二人は意表を突かれてしまい、それだけ言って駆けて行ってしまった。
神社で…。
舞衣が出てこないことを、美雪が不審に思って訊いた。
「恵美さん、舞衣さんはどうしたの? また何かありました?」
「あった、あった~! おおありよ~ん。聴きたい~?」
恵美の返答に、早紀も興味深そうに寄ってきた。
「実は……」
恵美は、昨夜の出来事を、「事細か」に二人に話した。二人は顔を赤くして、恵美の話を聴いた…。
「で~、これが、その勝利宣言時の画像~」
恵美のスマホには、全裸で鼻血を流しながらブイサインしている舞衣の雄姿、いや、痴態が写っていた…。恵美は、アマの方だけでなく、舞衣も内緒で撮っていたのだ。
「結果、アマちゃんは舞衣さんを認めて~、舞衣さんの下僕となりました~」
美雪と早紀は顔を引きつらせていた。もはや、笑うしか無いような話だ。
「あ、頭イタ……。まるっきり、バカじゃない。娘たちの前で、こんなことして…」
「でも、これで、一件落着よね…」
その後…。舞衣は復活するまで、四日も掛かった。
アマは二日で回復し、舞衣の下僕として世話を焼いていた。もうすっかり打ち解けてしまったようである。
だが、今度は杏奈と環奈がむくれている。自分たちの舞衣様を取るなというのである。
三人の下僕が競って舞衣の世話を焼く状態。まあ、これは微笑ましい光景というとこで良いのだろう。
また、母親を大事にしてくれるのならと、敵意を抱いていた愛も、アマに懐くようになった。釣られて里も、である。
アマは、人界にいる間に出来るだけ色々な知識を吸収しようとした。
祥子からは仙界での暮らしや、料理から竹細工・木工等の技術まで学ぶ。恵美とも、よく話し込んでいる。
結果、慎也が放って置かれることになるのは、いつものことだ。
必要とされるのは夜だけ…。「みんなの種馬」待遇からは抜け出せない運命なのであった。
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