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新たな仲間と、…別れ
162 恵美の去就2
しおりを挟む「しかし、こうなると、みんな出て行くことになるのね…」
舞衣の発言は、一日遅れで押しかけてきた四人の妻と、娘たちを指すもの。
当然、祥子は入っていないのであるが…。
「待て、待て。ワラワは、どこにも行かぬ。というか、行くところが無いからの。邪魔かもしれぬが、置いてもらわないと困るのじゃが…」
祥子の不安顔に、舞衣は慌てた。祥子に出て行けなどというつもりで言ったのではないし、出て行かれては困る理由がある。
「いやだ。ゴメンナサイ。みんなって言うのは、あの四人のことよ! 邪魔になんかするはず無いじゃない。祥子さんがいてくれないと、私じゃ食事の支度できないし!」
「何じゃ、飯炊き女としてか…。まあ良いわ。置いてもらえるなら、どんな扱いでも」
再度、舞衣は慌てた。食事のことが最大の理由ではあるが、召使い扱いしているつもりは無い。彼女も家族の一員と本心から思っているのだ。
「違う、違う。祥子さんは第二婦人! みんなもそうよ! 第三夫人から、第六夫人まで、変わらないからね。私は頼りなくて抜けてるから、みんなが居てくれないと困るの! 必ず、帰ってきてね!」
「はい!」
出て行く四人の声が揃った。
祥子も納得顔で頷いている。
「美雪~。いいよね、この雰囲気。 ちょっとと言うか…、かなり変ではあるけど、素敵な家族よね」
早紀が、隣で微笑んでいる美雪に声をかけた。そして、続ける。
「でも、舞衣さんと祥子さんだけになっちゃうと、神社も完全に人手不足よね」
「そこは、私たちがカバーしないとね。張り切りますよ!」
ガッツポーズの美雪。
二人は然程大きな声では話していないが、内緒話をしていたわけでもない。その会話をしっかり聞いていた恵美は、ニヤッと怪しく笑い、すかさず攻撃開始。攻撃目標は、美雪と早紀…。
「いよっ、頼りにしてるよ、美雪ちゃん! もう、いっその事、早紀ちゃんと一緒に、第七夫人・第八夫人になっちゃえ!」
恵美爆弾二発目炸裂に、美雪の顔が急沸騰し、真っ赤になった。
絶句している美雪に対して非情にも早紀が裏切り、背後から挟み撃ち攻撃する。
「やった、美雪! お許しが出たよ。宮司さんの奥さんになりたかったんでしょ! 私も付き合うから、一緒に、なっちゃお!」
「ば、バカ! 何言いだすのよ! そんなこと…」
「そんなこと?」
早紀がニヤッと笑って、首を傾げる。
「そ、そ、そ、そ、そんなこと…。出来るわけないでしょ! もう、遅いから、私たちは帰ります! また、明日!」
美雪は慌てて立ち上がり、名残惜しそうにする早紀の手を引っ張って、大急ぎで出ていく。真っ赤な顔のままで…。
連行されて行く早紀は、去り際に、みんなに向かって、ペロッと舌を出していった。物静かだが、結構、ノリの良い子である。そして、
「イテっ!」
恵美の頭に、慎也の拳骨が落ちた…。
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