13 / 45
残虐非道なる異世界生活
13 脳の解剖調査
しおりを挟む
ヘレーナは物静か。おしゃべりではありません。まあ、いつも私と2人だけですので、話すことがあまり無いだけかな?
私ってば、身分は奴隷なんだしね…。
食事の用意もヘレーナがしてくれ、彼女も同じものを一緒に食べます。私からのメニューリクエストも受け付けてくれます。
食材に関しては、ヘレーナが望むものを望むだけ用意してもらえるようです。
実は私、けっこう稼いでいるみたいですからね。それくらいはしてもらわなきゃね。高級なモノは無理でしょうけど…。
私が普段着ているのは、白い簡単な作りの奴隷服。これを着替えるときも、ヘレーナが手伝ってくれます。
普通、奴隷の着替えの手伝いなんかしませんよね。
ヘレーナはやっぱり、優しい人。
監視役がヘレーナでよかったよ…。
でも、奴隷の世話だなんて、仕事としては最低ランクでしょう。
王女様の側近侍女だった人にとって、これは酷い仕打ち。それも、彼女はどうやら王女様から直接命じられたみたい。
その時の彼女の気持ち、どんなだったのでしょう。
王女様を恨んでるのかな?
ヘレーナにその事を訊いてみると、それは断じて無いと言います。
彼女曰く、チェリル王女はとっても優しくて、聡明で、素晴らしい御方。私の世話役を任じられたのも王女様なりの深いお考えがあってのことに違いないって…。
王女様、治癒能力者であり鑑定能力者でもありますが、他人の悪意を見抜くことまでも出来るそうです。だから讒言なんかに惑わされるはずが無いし、ヘレーナが王女様を思っている気持ちも分かっているはず。そんな方が命じたことなんだから、それに従い、その命令を全うするのみ。
ただ、お近くにお仕えできないことだけは無念…ですって。
なんか、物凄く一途…。忠義心というか、私には理解できない感覚……。凄いな。
でもまあ、それでちょっと納得です。だからヘレーナは、奴隷の私にも優しくしてくれる。
また王女様からすれば、同僚を堕とし入れるような悪い奴らからヘレーナを遠ざけようとしたのかもしれません。
ついでに、自分の所為での召喚に巻き込まれた私を憐れんで、最低扱いだけはされないように信頼できるヘレーナを付けたってことかな?
ヘレーナの話だと、王女様、とってもお優しいヒトみたいですからね。
いや、だけど、そうだったら、悪い奴らの方を辞めさせ、ついでに私を解剖実験体にするのも止めさせて欲しいんですけど!!
なんか、そうは行かない事情があるんでしょうかね?
さて、今日のお仕事ですが…。
厳つい顔した偉そうな御方たち、総勢10人。この国のお医者様連です。珍しく、女性だけでなく男性も混じっている。というコトは…。あれか。
「今日は、また、あなたの頭の内容物を見せてもらいます。よろしくね」
綺麗なお声で優しくトンデモナイことをノタマウのは、フロア先生。
頭の内容物・・・。そう、私の脳の解剖です。
痛いのは同じですが、これ、めっちゃ気持ち悪い。最低最悪なんです。
はい、そうです。すでに2回経験済み…。
執刀するフロア先生以外はメンツが代わっているみたいですから、仕方ないのかもしれませんがね。考えてもみてくださいよ。生きてる私の頭をかち割って、大切な脳味噌をグチャグチャに掻き出して観察するってんですからね!?
偉いお医者様連かもしれませんけど、信じられない蛮行ですよ!!
私ってば、身分は奴隷なんだしね…。
食事の用意もヘレーナがしてくれ、彼女も同じものを一緒に食べます。私からのメニューリクエストも受け付けてくれます。
食材に関しては、ヘレーナが望むものを望むだけ用意してもらえるようです。
実は私、けっこう稼いでいるみたいですからね。それくらいはしてもらわなきゃね。高級なモノは無理でしょうけど…。
私が普段着ているのは、白い簡単な作りの奴隷服。これを着替えるときも、ヘレーナが手伝ってくれます。
普通、奴隷の着替えの手伝いなんかしませんよね。
ヘレーナはやっぱり、優しい人。
監視役がヘレーナでよかったよ…。
でも、奴隷の世話だなんて、仕事としては最低ランクでしょう。
王女様の側近侍女だった人にとって、これは酷い仕打ち。それも、彼女はどうやら王女様から直接命じられたみたい。
その時の彼女の気持ち、どんなだったのでしょう。
王女様を恨んでるのかな?
ヘレーナにその事を訊いてみると、それは断じて無いと言います。
彼女曰く、チェリル王女はとっても優しくて、聡明で、素晴らしい御方。私の世話役を任じられたのも王女様なりの深いお考えがあってのことに違いないって…。
王女様、治癒能力者であり鑑定能力者でもありますが、他人の悪意を見抜くことまでも出来るそうです。だから讒言なんかに惑わされるはずが無いし、ヘレーナが王女様を思っている気持ちも分かっているはず。そんな方が命じたことなんだから、それに従い、その命令を全うするのみ。
ただ、お近くにお仕えできないことだけは無念…ですって。
なんか、物凄く一途…。忠義心というか、私には理解できない感覚……。凄いな。
でもまあ、それでちょっと納得です。だからヘレーナは、奴隷の私にも優しくしてくれる。
また王女様からすれば、同僚を堕とし入れるような悪い奴らからヘレーナを遠ざけようとしたのかもしれません。
ついでに、自分の所為での召喚に巻き込まれた私を憐れんで、最低扱いだけはされないように信頼できるヘレーナを付けたってことかな?
ヘレーナの話だと、王女様、とってもお優しいヒトみたいですからね。
いや、だけど、そうだったら、悪い奴らの方を辞めさせ、ついでに私を解剖実験体にするのも止めさせて欲しいんですけど!!
なんか、そうは行かない事情があるんでしょうかね?
さて、今日のお仕事ですが…。
厳つい顔した偉そうな御方たち、総勢10人。この国のお医者様連です。珍しく、女性だけでなく男性も混じっている。というコトは…。あれか。
「今日は、また、あなたの頭の内容物を見せてもらいます。よろしくね」
綺麗なお声で優しくトンデモナイことをノタマウのは、フロア先生。
頭の内容物・・・。そう、私の脳の解剖です。
痛いのは同じですが、これ、めっちゃ気持ち悪い。最低最悪なんです。
はい、そうです。すでに2回経験済み…。
執刀するフロア先生以外はメンツが代わっているみたいですから、仕方ないのかもしれませんがね。考えてもみてくださいよ。生きてる私の頭をかち割って、大切な脳味噌をグチャグチャに掻き出して観察するってんですからね!?
偉いお医者様連かもしれませんけど、信じられない蛮行ですよ!!
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる