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37 伯爵と、その娘
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アールン伯爵はバルトルト第一王子とセトリバ公爵に呼び出されて、2人から聖女亜衣の殺害を命じられたそうです。
この伯爵家は、元々陰でそういうスパイや諜報・裏工作を担っていた家。
もちろん、そんなことは公にはされていません。王家しか知らないことですし、命令を下すのも本来は王から直接なのです。
伯爵は、次の王にはチェリル様が就くべきだと考えていました。だから、それを妨害するようなことには加担できません。断りたかったみたいです。
でも・・・。
脅されたんですね。家の秘密を公表するぞと。
裏工作を担っている家はアールン伯爵家だけではありません。どの家がそうなのか、何家あるのか、分かりませんが、複数あることは確実。それぞれが単独で仕事しますので、伯爵も他の家のことを知りません。
そして、複数あるというコトは、都合が悪くなれば簡単に切り捨てられるというコトなのです。
やむなく伯爵は仕事を受けたのでした。
聖女亜衣さんの寝室に魔法を駆使して忍び込み、心臓を一刺しして殺害した伯爵。無事に任務完了ということです。
しかし、これで収まりません。今度はそれをネタに、スヴェン第二王子に脅された…。
王さえしっかりしていればこんなことにならなかったはずですが、体が弱く思う様に動けないばかりにバカ息子たち、やりたい放題です。
第二王子からは、再度の異世界人召喚が行われるその儀式のどさくさで、チェリルを殺害せよとの要求。
流石にこれは出来ませんよね。対象が王女様だなんて。
しかし、相手は王子。伯爵が断れば、他の家に命じられ、伯爵は消されるだけ。だから、伯爵は引き受けるフリをしました。
召喚が行われ、チェリル様が異世界人の能力鑑定をする際に、異世界人に殺されるようにしむけると約束したのです。
そして、チェリル様を異世界へ逃がそうというヘレーナたちの計画を知り、陰ながら手助けすることにしたのでした。
この伯爵の手助けは、ヘレーナもアルマ神官も知らなかったことです。2人は自分たちだけで計画を進めていたつもりでいました。
ですから、伯爵の協力は、本当に陰ながら……。
しかし、間違いの無いようにシッカリとした手助けでした。
そう、彼の娘のラーラです。彼女は父である伯爵の意で、色々と動いていたのです。
アルマ神官とヘレーナの連絡係をしながら2人を導き、ハナさんを引き込んで生贄確保し、儀式を遅滞なく進めさせたのです。
儀式の際には、危ないところで布を外して私たちを転移させてくれましたよね。
そういえば、大活躍したそのラーラは今どこに居るの?
彼女は中央神殿巫女。召喚儀式には参加しているはず。なのに、見当たりません。
そのことを訊くと・・・。
「妹は、あちらです」
指差された方をみると、木製で横長の大きな箱・・・。
あれは、柩?!
恐る恐る中を覗き込むと、血の気のない、しかし形の良い乳房が目に入る・・・。
入っているのは、全裸状態で細身の、若い女性遺体でした。
しかも、首から上、頭部が無い!
これがラーラ?!
ラーラの遺体??
その白いお腹の下方には横一文字の切り傷があります。こ、これって・・・。
「妹は、儀式の生贄となりました」
そうですよ。彼女、自分でそう言っていましたよ。次の生贄になるって・・・。
ハナさんを引き込むためだけの嘘では無かったのです。チェリル様を呼び戻す為の儀式の生贄に、進んで命を差し出したというのです。
お腹も自分で切って、自分で生殖器を取り出したんですって。ハナさんと同じように・・・。
そもそも、チェリル様を送って呼び戻すのですから儀式は2回、生贄も2人必要です。
1人で良いのなら、彼女は最初から自分の命を差し出したのかもしれません。
でも、もう1人必要だった。そこで儀式を円滑に進めさせるため、止む無くハナさんを引き込んだのでしょう。
だって、普通、そんなのに進んで立候補する人なんていません。だから、生贄確保にはカナリの日数が掛かってしまいます。生贄ですからね。誰だって死にたくないですから…。
ああ、ラーラ。ゴメンナサイ。私、誤解してました。あなたはハナさんをだまして殺させた悪い子だと思っていました。
ハナさんをだまして・・・というのはその通りかもしれませんが、全て王女チェリル様を守るため。実際、ハナさんの死も、国の為に無駄にはなっていないしね。
そして、本当に自分の命をも差し出しただなんて…。
あなたは貴族の鑑ですよ。
この伯爵家は、元々陰でそういうスパイや諜報・裏工作を担っていた家。
もちろん、そんなことは公にはされていません。王家しか知らないことですし、命令を下すのも本来は王から直接なのです。
伯爵は、次の王にはチェリル様が就くべきだと考えていました。だから、それを妨害するようなことには加担できません。断りたかったみたいです。
でも・・・。
脅されたんですね。家の秘密を公表するぞと。
裏工作を担っている家はアールン伯爵家だけではありません。どの家がそうなのか、何家あるのか、分かりませんが、複数あることは確実。それぞれが単独で仕事しますので、伯爵も他の家のことを知りません。
そして、複数あるというコトは、都合が悪くなれば簡単に切り捨てられるというコトなのです。
やむなく伯爵は仕事を受けたのでした。
聖女亜衣さんの寝室に魔法を駆使して忍び込み、心臓を一刺しして殺害した伯爵。無事に任務完了ということです。
しかし、これで収まりません。今度はそれをネタに、スヴェン第二王子に脅された…。
王さえしっかりしていればこんなことにならなかったはずですが、体が弱く思う様に動けないばかりにバカ息子たち、やりたい放題です。
第二王子からは、再度の異世界人召喚が行われるその儀式のどさくさで、チェリルを殺害せよとの要求。
流石にこれは出来ませんよね。対象が王女様だなんて。
しかし、相手は王子。伯爵が断れば、他の家に命じられ、伯爵は消されるだけ。だから、伯爵は引き受けるフリをしました。
召喚が行われ、チェリル様が異世界人の能力鑑定をする際に、異世界人に殺されるようにしむけると約束したのです。
そして、チェリル様を異世界へ逃がそうというヘレーナたちの計画を知り、陰ながら手助けすることにしたのでした。
この伯爵の手助けは、ヘレーナもアルマ神官も知らなかったことです。2人は自分たちだけで計画を進めていたつもりでいました。
ですから、伯爵の協力は、本当に陰ながら……。
しかし、間違いの無いようにシッカリとした手助けでした。
そう、彼の娘のラーラです。彼女は父である伯爵の意で、色々と動いていたのです。
アルマ神官とヘレーナの連絡係をしながら2人を導き、ハナさんを引き込んで生贄確保し、儀式を遅滞なく進めさせたのです。
儀式の際には、危ないところで布を外して私たちを転移させてくれましたよね。
そういえば、大活躍したそのラーラは今どこに居るの?
彼女は中央神殿巫女。召喚儀式には参加しているはず。なのに、見当たりません。
そのことを訊くと・・・。
「妹は、あちらです」
指差された方をみると、木製で横長の大きな箱・・・。
あれは、柩?!
恐る恐る中を覗き込むと、血の気のない、しかし形の良い乳房が目に入る・・・。
入っているのは、全裸状態で細身の、若い女性遺体でした。
しかも、首から上、頭部が無い!
これがラーラ?!
ラーラの遺体??
その白いお腹の下方には横一文字の切り傷があります。こ、これって・・・。
「妹は、儀式の生贄となりました」
そうですよ。彼女、自分でそう言っていましたよ。次の生贄になるって・・・。
ハナさんを引き込むためだけの嘘では無かったのです。チェリル様を呼び戻す為の儀式の生贄に、進んで命を差し出したというのです。
お腹も自分で切って、自分で生殖器を取り出したんですって。ハナさんと同じように・・・。
そもそも、チェリル様を送って呼び戻すのですから儀式は2回、生贄も2人必要です。
1人で良いのなら、彼女は最初から自分の命を差し出したのかもしれません。
でも、もう1人必要だった。そこで儀式を円滑に進めさせるため、止む無くハナさんを引き込んだのでしょう。
だって、普通、そんなのに進んで立候補する人なんていません。だから、生贄確保にはカナリの日数が掛かってしまいます。生贄ですからね。誰だって死にたくないですから…。
ああ、ラーラ。ゴメンナサイ。私、誤解してました。あなたはハナさんをだまして殺させた悪い子だと思っていました。
ハナさんをだまして・・・というのはその通りかもしれませんが、全て王女チェリル様を守るため。実際、ハナさんの死も、国の為に無駄にはなっていないしね。
そして、本当に自分の命をも差し出しただなんて…。
あなたは貴族の鑑ですよ。
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