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二人の弟子
35 ナギさんのお食事1
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二人が帰って…。
朝のご飯があまりにも美味しく、三人(プラス一柱)でペロッと食べちゃいました。
で、昼にも薪で炊いたのですが、これは、ちょっとたくさん炊き過ぎました。(朝食べ過ぎて、あまり入らなかったというのもありますが…)
オニギリにしましたが、食べきれない。
どうしようと思っていましたら、ビンちゃんが一言。
「ナギに食べさせる約束していなかったか?」
あ、いけない。忘れてた……。
氏神様の、名木林神社ご祭神アマテラス様。あ、いや、ナギさんと、「お食事」の約束してました。
きっと、いつだろう、いつだろうと待っていらっしゃるに違いない。
「で、でも、こんな残り物のオニギリで気を悪くされないかな…」
「いや、別に構わんと思うぞ。
それよりも、遅くなる方が臍を曲げるかもしれん」
あちゃ~。そ、そうですよね。
まあ、これは、取り敢えずのモノってことで、掃除も終わったしね。
ビンちゃんと一緒に、名木林神社に向かいました。
「ハルカ~!! いつになったら来てくれるかと、首を長くして待ってたのよ~!!
び、び、び、ビンちゃん…も、よ、ようこそおいでくださいました」
へへへ、ナギさん、後半の声、裏返ってますよ。
「ビンちゃん」って言いにくそうね。
因みに、ナギさんは「ナギって呼んで」って言いましたが、氏神様を呼び捨てには出来ません。
本来なら「ナギ様」とするべきでしょうが、それだと「ビンちゃん」との釣り合いが取れません。
だからといって、「ナギちゃん」というのも、どうかと……。
ということで、妥協の結果が「ナギさん」と言う呼び方です。
「遅くなってしまってゴメンナサイ。
あ、あの~、今日はオニギリしか持ってきてなくて。
ホントに申し訳ないのですが…」
「何を言ってるのよ、それで結構よ!
おっ米♪おっ米♪大好きお米~♪
早っく♪早っく♪食べさせて~♪」
あらら、ナギさん歌いだしちゃった…。
そこまで楽しみにしていたんですね。
遅くなりまして本当に申し訳ありませんでした。
私が包みから出すのも待ちきれないようで、ナギさん口を開けて待っています。
超美人さんなのに、ちょっと情けないお顔かも…。
オニギリの場合は、箸と違って私が先に食べる必要はありません。
私が直接手で持っていますからね。
直ぐナギさんのお口へ持ってゆくと、ナギさんパクッ!!食いついてきます。
ちょっとナギさん、私の手まで齧らないでくださいよ!
慌てなくても大丈夫ですから。
「ふううううう~ん!! おいちいよ~!!」
そして、また、パクッ!!
ホントに怖いよ。
気を付けていないと私の指まで食べられてしまいます。
でも、ナギさん、ちょっと涙ぐんでる……。
そこまで喜んで頂けましたら、私もとっても嬉しいです。
「う~ん、酸っぱあ~い。これは、梅干しね~」
「あれ、ナギさん、酸っぱいって味、分かるんですね。
そういえば、ビンちゃんも甘い味、分かってたけど…」
初めて食べて、酸っぱいとか甘いとかっていう味覚名称が分かるって、どういうことなんでしょうねって思っていたのですが、二柱は怪訝な顔…。
「何言ってるのよ。知ってるに決まってるじゃない。
でも、食べたの何年ぶりになるのかしらね。
二千年?あれ、三千年くらい前?だったかな…」
「え?ナギさん。それどういうこと?」
「うん? だから、私も肉体があったときは食べていたんだから…」
へえ?? 肉体があったって…ど、どういう……。
え、もしかして、ナギさん、人間だったってこと??
「何を変な顔しとる。当たり前だろうが。
ハルカよ。お前、伯母上の子孫をよ~く知っておるだろうが」
子孫?アマテラス様の子孫は……。
あ、今日、話に出ていた天皇陛下だ。
あ、あれ? 子孫? じゃ、じゃあ……。
「ヒトの子孫がいるなら、普通に考えて先祖もヒトだろう。
肉体があったに決まっているじゃないか」
ビンちゃんの言葉に、ナギさんもウンウンと頷いています。
「そ、それはそうですね…。
アマテラス様も、人間だった……。
お亡くなりになって霊体になられたんだ。
あ、じゃあ、ビンちゃんも?」
「当たり前だ。我がクソ親父は伯母上の弟だ。
姉がヒトなら弟もヒトだ。
私は幼いうちに死んだので、この容姿なのだ」
ありゃま…。そういうことだったんですね。
ということは、食べたの初めてじゃなかったんだ。
でも二千年だか三千年だか、訳分かんなくなるくらいぶりか…。
その間、見るだけで食べられなかった…。
そりゃあ、涙も出るくらい感動しますよね……。
「すべての神がこういう訳では無いぞ。
中にはヒトではない太古神もおわす。
が、神社に祀られるような神は、元ヒトだった神が多いだろうな」
なるほどね~。いや、勉強になりました。
日本神話の神様って人間臭くて面白いと思ってましたが、当たり前なんですね。
同じ人間である御先祖様の話なんですから……。
朝のご飯があまりにも美味しく、三人(プラス一柱)でペロッと食べちゃいました。
で、昼にも薪で炊いたのですが、これは、ちょっとたくさん炊き過ぎました。(朝食べ過ぎて、あまり入らなかったというのもありますが…)
オニギリにしましたが、食べきれない。
どうしようと思っていましたら、ビンちゃんが一言。
「ナギに食べさせる約束していなかったか?」
あ、いけない。忘れてた……。
氏神様の、名木林神社ご祭神アマテラス様。あ、いや、ナギさんと、「お食事」の約束してました。
きっと、いつだろう、いつだろうと待っていらっしゃるに違いない。
「で、でも、こんな残り物のオニギリで気を悪くされないかな…」
「いや、別に構わんと思うぞ。
それよりも、遅くなる方が臍を曲げるかもしれん」
あちゃ~。そ、そうですよね。
まあ、これは、取り敢えずのモノってことで、掃除も終わったしね。
ビンちゃんと一緒に、名木林神社に向かいました。
「ハルカ~!! いつになったら来てくれるかと、首を長くして待ってたのよ~!!
び、び、び、ビンちゃん…も、よ、ようこそおいでくださいました」
へへへ、ナギさん、後半の声、裏返ってますよ。
「ビンちゃん」って言いにくそうね。
因みに、ナギさんは「ナギって呼んで」って言いましたが、氏神様を呼び捨てには出来ません。
本来なら「ナギ様」とするべきでしょうが、それだと「ビンちゃん」との釣り合いが取れません。
だからといって、「ナギちゃん」というのも、どうかと……。
ということで、妥協の結果が「ナギさん」と言う呼び方です。
「遅くなってしまってゴメンナサイ。
あ、あの~、今日はオニギリしか持ってきてなくて。
ホントに申し訳ないのですが…」
「何を言ってるのよ、それで結構よ!
おっ米♪おっ米♪大好きお米~♪
早っく♪早っく♪食べさせて~♪」
あらら、ナギさん歌いだしちゃった…。
そこまで楽しみにしていたんですね。
遅くなりまして本当に申し訳ありませんでした。
私が包みから出すのも待ちきれないようで、ナギさん口を開けて待っています。
超美人さんなのに、ちょっと情けないお顔かも…。
オニギリの場合は、箸と違って私が先に食べる必要はありません。
私が直接手で持っていますからね。
直ぐナギさんのお口へ持ってゆくと、ナギさんパクッ!!食いついてきます。
ちょっとナギさん、私の手まで齧らないでくださいよ!
慌てなくても大丈夫ですから。
「ふううううう~ん!! おいちいよ~!!」
そして、また、パクッ!!
ホントに怖いよ。
気を付けていないと私の指まで食べられてしまいます。
でも、ナギさん、ちょっと涙ぐんでる……。
そこまで喜んで頂けましたら、私もとっても嬉しいです。
「う~ん、酸っぱあ~い。これは、梅干しね~」
「あれ、ナギさん、酸っぱいって味、分かるんですね。
そういえば、ビンちゃんも甘い味、分かってたけど…」
初めて食べて、酸っぱいとか甘いとかっていう味覚名称が分かるって、どういうことなんでしょうねって思っていたのですが、二柱は怪訝な顔…。
「何言ってるのよ。知ってるに決まってるじゃない。
でも、食べたの何年ぶりになるのかしらね。
二千年?あれ、三千年くらい前?だったかな…」
「え?ナギさん。それどういうこと?」
「うん? だから、私も肉体があったときは食べていたんだから…」
へえ?? 肉体があったって…ど、どういう……。
え、もしかして、ナギさん、人間だったってこと??
「何を変な顔しとる。当たり前だろうが。
ハルカよ。お前、伯母上の子孫をよ~く知っておるだろうが」
子孫?アマテラス様の子孫は……。
あ、今日、話に出ていた天皇陛下だ。
あ、あれ? 子孫? じゃ、じゃあ……。
「ヒトの子孫がいるなら、普通に考えて先祖もヒトだろう。
肉体があったに決まっているじゃないか」
ビンちゃんの言葉に、ナギさんもウンウンと頷いています。
「そ、それはそうですね…。
アマテラス様も、人間だった……。
お亡くなりになって霊体になられたんだ。
あ、じゃあ、ビンちゃんも?」
「当たり前だ。我がクソ親父は伯母上の弟だ。
姉がヒトなら弟もヒトだ。
私は幼いうちに死んだので、この容姿なのだ」
ありゃま…。そういうことだったんですね。
ということは、食べたの初めてじゃなかったんだ。
でも二千年だか三千年だか、訳分かんなくなるくらいぶりか…。
その間、見るだけで食べられなかった…。
そりゃあ、涙も出るくらい感動しますよね……。
「すべての神がこういう訳では無いぞ。
中にはヒトではない太古神もおわす。
が、神社に祀られるような神は、元ヒトだった神が多いだろうな」
なるほどね~。いや、勉強になりました。
日本神話の神様って人間臭くて面白いと思ってましたが、当たり前なんですね。
同じ人間である御先祖様の話なんですから……。
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