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王都編
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客室のベッドで身を起こし、ミライは大きく伸びをした。
「……よし」
体調は問題ない。ふかふかのベッドのおかげか、久しぶりにぐっすり眠れた気がする。
いつの間にやら綺麗に洗濯され、畳まれていた私服に袖を通すと、ミライはテーブルの上に置いてあったリーナのカードを手に取り、使用を宣言する。
「”使用”、リーナ」
カードから淡い光が放たれ、今日のバトルで活躍してもらうリーナが呼び出される。
窓際に召喚された彼女は軽く伸びをすると、ミライの方へと視線を向けた。
朝日を避けるようにカーテンは閉じられているが、隙間から朝の光が差し込んでいる。
光に照らされた彼女の桃色の長髪が静かに揺れた。
「おはよう、リーナ」
「ええ。よく眠れたみたいね」
ミライは頷きながら、ベッドの縁に腰掛ける。
「いよいよだね。体調は大丈夫?」
「ええ。バッチリ過ぎるくらいよ。貴女こそ緊張してないでしょうね?」
「あはは……。正直、ちょっとだけ。まあ、なんとかなるでしょ」
「随分と楽観的ね。私の強さを信頼している証ならそれでいいのだけれど」
リーナが小さく眉を上げる。
「ま、君が強いのは昨日のバトルでの動きや態度から理解してるからね。後はボク次第ってカンジ。
それに、いざとなったら、切札がある」
ミライは、胸元に提げたカードに触れた。
「――“闇夜に君臨する女王”。多分君がすっごいパワーアップするスキルだろ?」
その言葉が口から出た瞬間だった。
「ダメ」
被せるように、リーナが言った。
「……え?」
「使うなと言っているの。あのスキルだけは、絶対に」
声は低く、はっきりとしていた。
冗談でも、脅しでもない。明確な“拒絶”だ。
「……リーナ?」
珍しく、リーナの声は強かった。
「あのスキルは、私自身もよく分からないの。発動すれば何が起きるのか、そしてマスターの何を代償とするのか……。
私のステータスを確認したのなら知っていると思うけど、発動条件を示す文章が文字化けしていたでしょう? あれは、ただの表示不良とかじゃない。“貴女には知る必要がない”という可能性もある」
「それって、どういう……」
「死ぬかもしれない、ということよ」
はっきりと、彼女はそう言った。
どうせお前は死ぬのだから代償なんて知る必要が無い、と。そういうことだと言いたいのだろう。
「だから、使うべきじゃないわ。あれは多分“切札”なんて呼んでいいものじゃない。
貴女の身が滅んでいく様子なんて、想像するだけで壊れてしまいそうよ」
その言葉には、確かな感情が滲んでいた。
からかいでも、煽りでもない。――心配だ。
「……大丈夫だって。ボクは、こういうのには慣れてる」
「慣れている、ですって?」
「命を賭けることにさ」
いつ死ぬか、それとも売り飛ばされるか分かったもんじゃない生活を長く続けてきたのだ。
いざとなれば富や栄光のために命を投げ出すくらいは、多分迷い無く出来るだろう。
それを聞いて、リーナが、きゅっと唇を噛む。
「……それが、嫌なのよ」
ぽつりと、こぼすように。
「自分のマスターが、そんな風に自分の命を安売りするのが。
貴女が壊れたら、私は……誰に愛してもらえばいいの?」
ミライは一瞬、言葉に詰まった。
「……まあ、使わずに勝てるなら、それが一番だろ?」
少しだけ、トーンを落として言う。
「だからさ。最初から使う気はない。
“いざとなったら”の、最終手段だよ」
リーナは、しばらく自らのマスターを見つめてから、静かに頷いた。
「……約束して。絶対に使わないって。私も、貴女にそのスキルの発動を宣言させないように頑張るから」
「……ああ。お互い頑張ろう」
そう言ったミライの目を、リーナは疑うように、しかし信じるように見つめていた。
……あまり彼女を心配させたくは無いな。軽率にあのスキルを使わないというのは意識しておこう、とミライは思った。
ただ、本当に負けそうな時は……どうだろう。
このバトルは絶対に勝たなければいけない。自分の今後のためにも、ミヨリの未来のためにも。
♢
バトルは庭園の広場で行われると聞いた。ミライは身支度を整えてからリーナと共に向かう。
広い庭園だ。カードリアン同士が思う増分暴れ回ってバトルしても問題無いくらいには。
「あ、おはようございますミライさん、リーナさん!今日はよろしく頼みますわ!」
既にミヨリは庭園に来ていた。その傍らにはレオンもいる。
彼女は元気よく頭を下げ、レオンは静かに「おはようございます」と2人に言い、挨拶とした。
「ええ、おはよう」
「おはようございます。今日は頑張りますよ」
「期待していますわ。……おっと、来たようですわね」
段々とこちらに迫る足音がして、それに一早く気付いたミヨリが音の方を向いて言った。
庭園に続く石畳を、二人の来客が歩いてくる。
一人は、背筋をぴんと伸ばした少女。
ミヨリと同年代に見えるが、その目には鋭さが宿っている。
――サクラザワ・クラミ。
(これが件の、妾の子ねぇ)
ミライはその姿をまじまじと観察した。
立ち振る舞いと外見から高貴さを感じる。正直に言うと、ミヨリに比べれば余程”貴族のお嬢様”らしい。
ただ、その鋭い目つきは、まるで自分以外の人間を見下しているような感じがして、あまり気分の良い物では無かった。
「……」
ミヨリは唇を噛んだ。
「久しぶりね、ミヨリ」
クラミが、薄く笑う。
「相変わらず大きなお屋敷ね。でも、中身は随分と寂しくなったみたい。使用人、みんないなくなったんですって?」
「……余計なお世話ですわ」
ミヨリの声は、わずかに震えていた。
「遺産の相続権をカードリアン・バトルで決める。よく勢い任せにそんなこと言えたわね?貴女はいつもそう。
馬鹿な癖に、元気と勢いだけは一人前。お父様とあの女に深く愛されて育って……大切にされてきたからこそ、世間の厳しさを何も知らない、頭の悪いだけの当主が出来上がったのよ」
「……」
「家の名前と、正妻である女の血。それだけで周りが勝手に持ち上げて、守って、ドジな失敗を隠してくれた。
けど私は違う。他人の助けなんて必要無い。いつだって努力は惜しまないし、どんな局面でも勝つためなら何でもする」
クラミの笑みが、歪む。
その言葉は、的確に……そして残酷だった。
「見て。あなたが”カードリアン・バトルで決着をつける”なんて言い出した時から、私は決闘代行を頼む相手を探すことを考えた。こうして一人で優秀なカードマスターを探して、勝ち筋を用意している。
これが“当主に相応しい”ってことよ」
「……クラミ様、ミヨリが何もしてないみたいな言い方はやめてもらえますか?
ミヨリだって次の当主としてマサツグ様からしっかり教育を受けてたし、彼女なりに努力は――」
「――黙りなさい。道具風情が」
「……ッ!」
冷たい言葉に、反論していたレオンがたじろぐ。
カードリアンは道具。ミライも未だにその認識は残っているが、だからといって「カードリアンの言葉など聞く価値も無い」というかのように切り捨てるのは中々に無礼な行為だと感じた。
この女性は見下しているのだ。ミヨリを。そしてミヨリに関わる全てを。
「しかし貴方も大変ね。そこのバカの元に召喚されちゃって。使用人が皆いなくなったからあなた一人でミヨリのお守りをしているんでしょう?
そんなマスターのところなんか離れて、私のところに来ない?最高の待遇を約束するわよ」
クラミの視線がレオンに向いた。
彼は相変わらず落ち着いた態度だったが、見ると拳を握っていた。
怒っているのだ。自分のマスターが……友達が馬鹿にされたことに。
「……確かにミヨリは頼りない当主です。でも、彼女の元を離れるわけにはいきません。
彼女はおれのマスターで、おれは彼女に仕えるカードリアンなのですから」
「レオン……」
クラミはフン、と馬鹿にしたように鼻を鳴らし、ミライとリーナの方を見た。
「それにしても、ちゃんとバトルの代理を務めるマスターを用意出来たことには驚いたわ。
けど、ふぅん……?」
じろじろと、値踏みするような様子だ。そして見下しているかのように鼻で笑った。
「品の無さそうなマスターに、こんなチンケな子供のカードリアンねぇ。まあ、即席で用意出来るマスターなんてこの程度かしら?私が立てた代理人に勝てるとは思えないけれど」
(……チッ。分かりやすく嫌な奴だな)
――品が無い、か。貧困街育ちのボクは貴族サマから見ればそう見えますか。
一々目の前の相手を下に見る態度には腹が立つ。それはリーナも感じているだろうが、相変わらず涼し気な顔をしているのは流石だなとミライは思った。自分よりよほど落ち着いている。
「あら。貴女も見た目でカードリアンを判断するのね。王都の人だからもう少し賢いのかと思っていたわ。
貴族って、お金を持っているだけで知能までは持ち合わせていないのね」
「なんですって……!?」
(……表情が大人しいだけでしっかり煽りやがったコイツ!)
リーナの発言が逆鱗に触れたのか、笑みを崩して憤るクラミ。
それを「まあまあ」となだめる声があった。
それは、彼女の後ろに立っていた、もう一人の足音の主だった。
「言い方は悪いけど、相手を見た目で判断してはいけないというのは彼女の言う通りですよクラミ様。
俺もこれまでのバトルで何度も経験してきました。線の細い魔術師カードリアンがまるで隕石みたいな魔法を振らせたり、子犬のような大きさのネズミ型カードリアンが電撃の玉になって暴れまわったり――とにかくカードリアンは何をするか分からないんですから」
後半、少し早口で語っていたその男性は、クラミとは違ってやたら爽やかで、どこか熱さを含んだ表情をしていた。
細身ながら少しガッチリした体躯。後ろに伸ばした髪を長く一本にまとめた長身の男性。
イケメン……ではあるとミライは感じた。失礼ながら自分が今まで暮らしてたスラムにはそこまで顔の良い男性はいなかったが、自分が小さい頃に彼を見たら『王子様みたい』と形容しただろう。
別に見惚れていたわけでは全く無いが、ぼーっと彼の姿を見ているミライに「ちょっと」とリーナが話しかける。
「何?あの男に見惚れていたの?勘弁して頂戴。貴女が少しでも他の誰かに愛を向けたら私……許さないから」
「違うよ。一々重たいんだよなぁ君は」
――というかお前はカードリアンだろ。別にいいだろ人間に愛を向けても。
――恋愛感情とかそんなに持ち合わせてないけど、恋愛くらいは人間相手に自由にさせてくれよ。
クラミはというと、男性に窘められて少し落ち着いたのか、こほん、と咳払いをしてから元通りの表情に戻ると、彼を紹介するように手を差し示した。
「こちらが私の決闘代行人、キンザキ・ヒカルさんよ」
「よろしくお願いします!」
男性――ヒカルは威勢良く頭を下げた。ミヨリに負けず劣らず元気な感じで、見ていて気持ちが良い。
「キンザキ・ヒカル様……。聞いたことがあります!最近ヨサトで頭角を現しているカードマスターだとか……」
ミヨリが言った。
そんなに凄い人だったの?とミライは驚く。
「え?有名人?」
そう尋ねるとクラミが笑った。
「フフフ、今王都で最も勢いがある人間と言っても過言では無いわね。
対してミヨリ、あなたが立てた代行人はどこの誰とも知らない無名のマスター。勝負は既に決まったような物だわ」
「くっ……!」
悔しそうに舌をかむミヨリとレオン。
(そんなヤバい人なの?え?このバトル大丈夫か?)
内心めちゃくちゃビビっているミライに対して、ヒカルは歩み寄ってきた。
な、なんだよ。と思っていると、急に右手を差し出してくる。
「あんたが今回の相手だな。よろしく。俺はキンザキ・ヒカル。あんたの名前は?」
「え?ミライ。シタラ・ミライだけど」
ミライは少々困惑しながら、差し出された右手を軽く握る。
大きくて力強い手だった。
「ミライか。よろしくな!あと、そっちのカードリアンも!」
ミライと握手を交わしながら、ヒカルはその隣に立つリーナへと視線を落とす。
「ベルリーナよ。……あまりうちのマスターにベタベタ触らないでもらえるかしら?ミライの身体を好きにしていいのは私だけよ」
「そんなの認めてないよ。というか、軽く握手してるだけだろ?」
「とにかく、その手を早く離しなさい」
――なんだ?嫉妬してるのか?
ヒカルは「おっと、すまない」と笑って言って、ミライから手を離した。
「随分と懐かれてるんだな、その子に。付き合い長いのか?」
「え?まあ……うーん……。あはは」
流石に出会って3日くらいです、なんて言ったら相手に舐められそうなので適当に笑って誤魔化した。
「ええ。もう3日になるかしら」
……と、いうミライの考えはリーナによってあっさり崩れ去ることになる。
「ちょ、なんで言うんだよ!ボクが素人カードマスターだってことがバレるだろ!?せっかく馬鹿にされないように隠してたのに!」
「あら、そうだったの?ならごめんなさい」
「ミヨリさんの信頼を勝ち取るためにも素人だってバレないようそれなりの態度を取ってたのに!」
「――それ口に出しちゃって大丈夫?」
「――あ」
やべ。
ミヨリの方を見ると、口元を両手で抑えて「あわわわわわわ……」などと言っていた。レオンはその隣で目を丸くしている。
「カードリアンと出会って、3日……!?素人カードマスター……!?」
「……こりゃ、話を聞いてくれただけであっさり代行人に任命したのは間違いだったかな……。もう少し粘って他の人も探すべきだった……!」
……完全に失望されている。
ミライは慌てて弁明した。
「あ、いや、その。なんていうか……いや、カードマスターになりたてっていうのは本当なんですけど、それでも自信はあるんですよ!?ほら、うちのリーナめっちゃ強いし!見た目こんなんだけど、『闇夜に躍る吸血姫』なんて大層な2つ名持ってますから!
それに初めてのバトルなんか圧勝でしたからね!もうボッコボコ!それはもう自分の2回り3回りほどもある巨体をあっさりと振り回して――」
「――あははははははは!!」
ミライの必死の言葉を遮るように、クラミが高らかに笑った。
静かな朝の庭園に、高笑いが響き渡る。
「はぁー……。もう、朝からこんなに笑わせないでちょうだいよ。どこのだれを捕まえてきたのかと思えば、カードマスターになったばかりの素人を連れて来たですって!?
じゃあそいつめっちゃ雑魚じゃない。バトルの経験もロクに積んでないってことでしょう?そんなのがヒカルさんと、そのカードリアンに勝てると思ってるの!?
ミヨリ、あなたって本当に勢いだけで行動する馬鹿ね!これでお父様の遺産は貰ったも同然。今すぐその執事と荷物をまとめる準備でもしてきたら?」
――笑われた。
素人、無名、経験不足。
どれも事実だ。反論できない。胸の奥が、じわりと冷える。
目の前の敵……ヒカルには遠く及ばないであろうカードマスターとしての経験値の差からくる劣等感、ミヨリを騙した罪悪感、この場から逃げ出したくなる程の黒い感情がミライの心の中でぐるぐると渦巻く。
その時だった。
ミヨリが、こちらを見ていた。
不安そうでも、怯えてもいない。
縋るようでも、諦めてもいない。
そんな目だった。
「――確かに、不安はありますわ」
ミヨリは、そう前置きしてから続けた。
「ですが、あなた達を決闘代行人に選んだのは私です。どのような考えがあろうと、泣き叫ぶ私を心配して話を聞いてくれて決闘代行人を引き受けてくれたのはあなた達しかいませんでした」
真っすぐな視線が、ミライを射抜く。
「だから、私は迷いません。
今の私に出来ることは応援することだけです。私の家と、未来を託したミライ様とベルリーナ様を」
ミヨリは真っすぐにミライとリーナを見据えた。
決意を秘めた眼差しで。そして告げる。
「あなた達を信じます。私のために”勝つ”と言ってくれたあなた達を」
その瞳には、ミライ達に対する失望など一切無かった。
ミライ達の勝利を、一切の不安無く信じるような覚悟。
そうだ。彼女のために勝つと、自分とリーナは言った。
だから応えなくてはいけない。――ボクが不安になってどうする。
「ええ。約束します。必ず勝つと」
「頼みましたわ!」
ミライはミヨリの声援を背に受けて、対戦相手であるヒカルへと向き直った。
「見苦しいところを見せちゃったね。じゃあ……始めようか」
ヒカルはミライが素人と知っても、別に笑う様子はなかった。
彼の表情は握手を求めてきた時と、まるで変わっていない。
「ああ。だけど、俺は相手が誰だろうと全力を尽くすさ。初心者だからって手加減も油断もしない」
そう言ってヒカルはコートのポケットから1枚のカードを取り出した。
碧いショートヘアー、スカートの付いた白銀の鎧に身を包み、細みの長剣と青い宝石が中央に嵌め込まれた円形の盾を装備した、凛々しい表情の女騎士だ。
「出番だぜ。”使用”、サフィア!」
カードから光が放たれ、サフィアと呼ばれた女騎士が彼の傍らに立つ。
女騎士はゆっくりと目を開いた。
「これが、今回の対戦相手ですか」
ミライとリーナを見比べ、落ち着いた声で告げた。
「吸血鬼型……。随分と可愛らしいお嬢さんですね。まあ、可愛さで勝負は決まりませんが」
「そう言う貴女も美しいわね。綺麗な鎧だわ。まあ、美しさで勝負は決まらないのだけれど。
その恰好、動きにくくないかしら?私の動きに翻弄されて、目を回さないようにね」
「ご忠告痛み入ります。あなたこそ、私の身体に傷をつけられないのが悔しくて泣かないように」
「あら、ご心配どうも」
(……既にバトルが始まっている!)
お互いに落ち着いた顔色と口調で淡々と喋っているが、両者の視線の間でバチバチと火花が散っているのが見えるようだった。
ヒカルはそんな2人の様子を見て、楽しそうに笑った。
「ハハ、もう相手のカードリアンと仲良くなったみたいだなサフィア」
「どこをどう見たらそう思えるの!?」
思わずツッコんでしまった。
――うーん……このキンジョウ・ヒカルって人、爽やかっていうか熱いっていうか……ちょっと緊張感の抜けてる人?
いうなれば、正統派主人公タイプってやつか?
「……よし」
体調は問題ない。ふかふかのベッドのおかげか、久しぶりにぐっすり眠れた気がする。
いつの間にやら綺麗に洗濯され、畳まれていた私服に袖を通すと、ミライはテーブルの上に置いてあったリーナのカードを手に取り、使用を宣言する。
「”使用”、リーナ」
カードから淡い光が放たれ、今日のバトルで活躍してもらうリーナが呼び出される。
窓際に召喚された彼女は軽く伸びをすると、ミライの方へと視線を向けた。
朝日を避けるようにカーテンは閉じられているが、隙間から朝の光が差し込んでいる。
光に照らされた彼女の桃色の長髪が静かに揺れた。
「おはよう、リーナ」
「ええ。よく眠れたみたいね」
ミライは頷きながら、ベッドの縁に腰掛ける。
「いよいよだね。体調は大丈夫?」
「ええ。バッチリ過ぎるくらいよ。貴女こそ緊張してないでしょうね?」
「あはは……。正直、ちょっとだけ。まあ、なんとかなるでしょ」
「随分と楽観的ね。私の強さを信頼している証ならそれでいいのだけれど」
リーナが小さく眉を上げる。
「ま、君が強いのは昨日のバトルでの動きや態度から理解してるからね。後はボク次第ってカンジ。
それに、いざとなったら、切札がある」
ミライは、胸元に提げたカードに触れた。
「――“闇夜に君臨する女王”。多分君がすっごいパワーアップするスキルだろ?」
その言葉が口から出た瞬間だった。
「ダメ」
被せるように、リーナが言った。
「……え?」
「使うなと言っているの。あのスキルだけは、絶対に」
声は低く、はっきりとしていた。
冗談でも、脅しでもない。明確な“拒絶”だ。
「……リーナ?」
珍しく、リーナの声は強かった。
「あのスキルは、私自身もよく分からないの。発動すれば何が起きるのか、そしてマスターの何を代償とするのか……。
私のステータスを確認したのなら知っていると思うけど、発動条件を示す文章が文字化けしていたでしょう? あれは、ただの表示不良とかじゃない。“貴女には知る必要がない”という可能性もある」
「それって、どういう……」
「死ぬかもしれない、ということよ」
はっきりと、彼女はそう言った。
どうせお前は死ぬのだから代償なんて知る必要が無い、と。そういうことだと言いたいのだろう。
「だから、使うべきじゃないわ。あれは多分“切札”なんて呼んでいいものじゃない。
貴女の身が滅んでいく様子なんて、想像するだけで壊れてしまいそうよ」
その言葉には、確かな感情が滲んでいた。
からかいでも、煽りでもない。――心配だ。
「……大丈夫だって。ボクは、こういうのには慣れてる」
「慣れている、ですって?」
「命を賭けることにさ」
いつ死ぬか、それとも売り飛ばされるか分かったもんじゃない生活を長く続けてきたのだ。
いざとなれば富や栄光のために命を投げ出すくらいは、多分迷い無く出来るだろう。
それを聞いて、リーナが、きゅっと唇を噛む。
「……それが、嫌なのよ」
ぽつりと、こぼすように。
「自分のマスターが、そんな風に自分の命を安売りするのが。
貴女が壊れたら、私は……誰に愛してもらえばいいの?」
ミライは一瞬、言葉に詰まった。
「……まあ、使わずに勝てるなら、それが一番だろ?」
少しだけ、トーンを落として言う。
「だからさ。最初から使う気はない。
“いざとなったら”の、最終手段だよ」
リーナは、しばらく自らのマスターを見つめてから、静かに頷いた。
「……約束して。絶対に使わないって。私も、貴女にそのスキルの発動を宣言させないように頑張るから」
「……ああ。お互い頑張ろう」
そう言ったミライの目を、リーナは疑うように、しかし信じるように見つめていた。
……あまり彼女を心配させたくは無いな。軽率にあのスキルを使わないというのは意識しておこう、とミライは思った。
ただ、本当に負けそうな時は……どうだろう。
このバトルは絶対に勝たなければいけない。自分の今後のためにも、ミヨリの未来のためにも。
♢
バトルは庭園の広場で行われると聞いた。ミライは身支度を整えてからリーナと共に向かう。
広い庭園だ。カードリアン同士が思う増分暴れ回ってバトルしても問題無いくらいには。
「あ、おはようございますミライさん、リーナさん!今日はよろしく頼みますわ!」
既にミヨリは庭園に来ていた。その傍らにはレオンもいる。
彼女は元気よく頭を下げ、レオンは静かに「おはようございます」と2人に言い、挨拶とした。
「ええ、おはよう」
「おはようございます。今日は頑張りますよ」
「期待していますわ。……おっと、来たようですわね」
段々とこちらに迫る足音がして、それに一早く気付いたミヨリが音の方を向いて言った。
庭園に続く石畳を、二人の来客が歩いてくる。
一人は、背筋をぴんと伸ばした少女。
ミヨリと同年代に見えるが、その目には鋭さが宿っている。
――サクラザワ・クラミ。
(これが件の、妾の子ねぇ)
ミライはその姿をまじまじと観察した。
立ち振る舞いと外見から高貴さを感じる。正直に言うと、ミヨリに比べれば余程”貴族のお嬢様”らしい。
ただ、その鋭い目つきは、まるで自分以外の人間を見下しているような感じがして、あまり気分の良い物では無かった。
「……」
ミヨリは唇を噛んだ。
「久しぶりね、ミヨリ」
クラミが、薄く笑う。
「相変わらず大きなお屋敷ね。でも、中身は随分と寂しくなったみたい。使用人、みんないなくなったんですって?」
「……余計なお世話ですわ」
ミヨリの声は、わずかに震えていた。
「遺産の相続権をカードリアン・バトルで決める。よく勢い任せにそんなこと言えたわね?貴女はいつもそう。
馬鹿な癖に、元気と勢いだけは一人前。お父様とあの女に深く愛されて育って……大切にされてきたからこそ、世間の厳しさを何も知らない、頭の悪いだけの当主が出来上がったのよ」
「……」
「家の名前と、正妻である女の血。それだけで周りが勝手に持ち上げて、守って、ドジな失敗を隠してくれた。
けど私は違う。他人の助けなんて必要無い。いつだって努力は惜しまないし、どんな局面でも勝つためなら何でもする」
クラミの笑みが、歪む。
その言葉は、的確に……そして残酷だった。
「見て。あなたが”カードリアン・バトルで決着をつける”なんて言い出した時から、私は決闘代行を頼む相手を探すことを考えた。こうして一人で優秀なカードマスターを探して、勝ち筋を用意している。
これが“当主に相応しい”ってことよ」
「……クラミ様、ミヨリが何もしてないみたいな言い方はやめてもらえますか?
ミヨリだって次の当主としてマサツグ様からしっかり教育を受けてたし、彼女なりに努力は――」
「――黙りなさい。道具風情が」
「……ッ!」
冷たい言葉に、反論していたレオンがたじろぐ。
カードリアンは道具。ミライも未だにその認識は残っているが、だからといって「カードリアンの言葉など聞く価値も無い」というかのように切り捨てるのは中々に無礼な行為だと感じた。
この女性は見下しているのだ。ミヨリを。そしてミヨリに関わる全てを。
「しかし貴方も大変ね。そこのバカの元に召喚されちゃって。使用人が皆いなくなったからあなた一人でミヨリのお守りをしているんでしょう?
そんなマスターのところなんか離れて、私のところに来ない?最高の待遇を約束するわよ」
クラミの視線がレオンに向いた。
彼は相変わらず落ち着いた態度だったが、見ると拳を握っていた。
怒っているのだ。自分のマスターが……友達が馬鹿にされたことに。
「……確かにミヨリは頼りない当主です。でも、彼女の元を離れるわけにはいきません。
彼女はおれのマスターで、おれは彼女に仕えるカードリアンなのですから」
「レオン……」
クラミはフン、と馬鹿にしたように鼻を鳴らし、ミライとリーナの方を見た。
「それにしても、ちゃんとバトルの代理を務めるマスターを用意出来たことには驚いたわ。
けど、ふぅん……?」
じろじろと、値踏みするような様子だ。そして見下しているかのように鼻で笑った。
「品の無さそうなマスターに、こんなチンケな子供のカードリアンねぇ。まあ、即席で用意出来るマスターなんてこの程度かしら?私が立てた代理人に勝てるとは思えないけれど」
(……チッ。分かりやすく嫌な奴だな)
――品が無い、か。貧困街育ちのボクは貴族サマから見ればそう見えますか。
一々目の前の相手を下に見る態度には腹が立つ。それはリーナも感じているだろうが、相変わらず涼し気な顔をしているのは流石だなとミライは思った。自分よりよほど落ち着いている。
「あら。貴女も見た目でカードリアンを判断するのね。王都の人だからもう少し賢いのかと思っていたわ。
貴族って、お金を持っているだけで知能までは持ち合わせていないのね」
「なんですって……!?」
(……表情が大人しいだけでしっかり煽りやがったコイツ!)
リーナの発言が逆鱗に触れたのか、笑みを崩して憤るクラミ。
それを「まあまあ」となだめる声があった。
それは、彼女の後ろに立っていた、もう一人の足音の主だった。
「言い方は悪いけど、相手を見た目で判断してはいけないというのは彼女の言う通りですよクラミ様。
俺もこれまでのバトルで何度も経験してきました。線の細い魔術師カードリアンがまるで隕石みたいな魔法を振らせたり、子犬のような大きさのネズミ型カードリアンが電撃の玉になって暴れまわったり――とにかくカードリアンは何をするか分からないんですから」
後半、少し早口で語っていたその男性は、クラミとは違ってやたら爽やかで、どこか熱さを含んだ表情をしていた。
細身ながら少しガッチリした体躯。後ろに伸ばした髪を長く一本にまとめた長身の男性。
イケメン……ではあるとミライは感じた。失礼ながら自分が今まで暮らしてたスラムにはそこまで顔の良い男性はいなかったが、自分が小さい頃に彼を見たら『王子様みたい』と形容しただろう。
別に見惚れていたわけでは全く無いが、ぼーっと彼の姿を見ているミライに「ちょっと」とリーナが話しかける。
「何?あの男に見惚れていたの?勘弁して頂戴。貴女が少しでも他の誰かに愛を向けたら私……許さないから」
「違うよ。一々重たいんだよなぁ君は」
――というかお前はカードリアンだろ。別にいいだろ人間に愛を向けても。
――恋愛感情とかそんなに持ち合わせてないけど、恋愛くらいは人間相手に自由にさせてくれよ。
クラミはというと、男性に窘められて少し落ち着いたのか、こほん、と咳払いをしてから元通りの表情に戻ると、彼を紹介するように手を差し示した。
「こちらが私の決闘代行人、キンザキ・ヒカルさんよ」
「よろしくお願いします!」
男性――ヒカルは威勢良く頭を下げた。ミヨリに負けず劣らず元気な感じで、見ていて気持ちが良い。
「キンザキ・ヒカル様……。聞いたことがあります!最近ヨサトで頭角を現しているカードマスターだとか……」
ミヨリが言った。
そんなに凄い人だったの?とミライは驚く。
「え?有名人?」
そう尋ねるとクラミが笑った。
「フフフ、今王都で最も勢いがある人間と言っても過言では無いわね。
対してミヨリ、あなたが立てた代行人はどこの誰とも知らない無名のマスター。勝負は既に決まったような物だわ」
「くっ……!」
悔しそうに舌をかむミヨリとレオン。
(そんなヤバい人なの?え?このバトル大丈夫か?)
内心めちゃくちゃビビっているミライに対して、ヒカルは歩み寄ってきた。
な、なんだよ。と思っていると、急に右手を差し出してくる。
「あんたが今回の相手だな。よろしく。俺はキンザキ・ヒカル。あんたの名前は?」
「え?ミライ。シタラ・ミライだけど」
ミライは少々困惑しながら、差し出された右手を軽く握る。
大きくて力強い手だった。
「ミライか。よろしくな!あと、そっちのカードリアンも!」
ミライと握手を交わしながら、ヒカルはその隣に立つリーナへと視線を落とす。
「ベルリーナよ。……あまりうちのマスターにベタベタ触らないでもらえるかしら?ミライの身体を好きにしていいのは私だけよ」
「そんなの認めてないよ。というか、軽く握手してるだけだろ?」
「とにかく、その手を早く離しなさい」
――なんだ?嫉妬してるのか?
ヒカルは「おっと、すまない」と笑って言って、ミライから手を離した。
「随分と懐かれてるんだな、その子に。付き合い長いのか?」
「え?まあ……うーん……。あはは」
流石に出会って3日くらいです、なんて言ったら相手に舐められそうなので適当に笑って誤魔化した。
「ええ。もう3日になるかしら」
……と、いうミライの考えはリーナによってあっさり崩れ去ることになる。
「ちょ、なんで言うんだよ!ボクが素人カードマスターだってことがバレるだろ!?せっかく馬鹿にされないように隠してたのに!」
「あら、そうだったの?ならごめんなさい」
「ミヨリさんの信頼を勝ち取るためにも素人だってバレないようそれなりの態度を取ってたのに!」
「――それ口に出しちゃって大丈夫?」
「――あ」
やべ。
ミヨリの方を見ると、口元を両手で抑えて「あわわわわわわ……」などと言っていた。レオンはその隣で目を丸くしている。
「カードリアンと出会って、3日……!?素人カードマスター……!?」
「……こりゃ、話を聞いてくれただけであっさり代行人に任命したのは間違いだったかな……。もう少し粘って他の人も探すべきだった……!」
……完全に失望されている。
ミライは慌てて弁明した。
「あ、いや、その。なんていうか……いや、カードマスターになりたてっていうのは本当なんですけど、それでも自信はあるんですよ!?ほら、うちのリーナめっちゃ強いし!見た目こんなんだけど、『闇夜に躍る吸血姫』なんて大層な2つ名持ってますから!
それに初めてのバトルなんか圧勝でしたからね!もうボッコボコ!それはもう自分の2回り3回りほどもある巨体をあっさりと振り回して――」
「――あははははははは!!」
ミライの必死の言葉を遮るように、クラミが高らかに笑った。
静かな朝の庭園に、高笑いが響き渡る。
「はぁー……。もう、朝からこんなに笑わせないでちょうだいよ。どこのだれを捕まえてきたのかと思えば、カードマスターになったばかりの素人を連れて来たですって!?
じゃあそいつめっちゃ雑魚じゃない。バトルの経験もロクに積んでないってことでしょう?そんなのがヒカルさんと、そのカードリアンに勝てると思ってるの!?
ミヨリ、あなたって本当に勢いだけで行動する馬鹿ね!これでお父様の遺産は貰ったも同然。今すぐその執事と荷物をまとめる準備でもしてきたら?」
――笑われた。
素人、無名、経験不足。
どれも事実だ。反論できない。胸の奥が、じわりと冷える。
目の前の敵……ヒカルには遠く及ばないであろうカードマスターとしての経験値の差からくる劣等感、ミヨリを騙した罪悪感、この場から逃げ出したくなる程の黒い感情がミライの心の中でぐるぐると渦巻く。
その時だった。
ミヨリが、こちらを見ていた。
不安そうでも、怯えてもいない。
縋るようでも、諦めてもいない。
そんな目だった。
「――確かに、不安はありますわ」
ミヨリは、そう前置きしてから続けた。
「ですが、あなた達を決闘代行人に選んだのは私です。どのような考えがあろうと、泣き叫ぶ私を心配して話を聞いてくれて決闘代行人を引き受けてくれたのはあなた達しかいませんでした」
真っすぐな視線が、ミライを射抜く。
「だから、私は迷いません。
今の私に出来ることは応援することだけです。私の家と、未来を託したミライ様とベルリーナ様を」
ミヨリは真っすぐにミライとリーナを見据えた。
決意を秘めた眼差しで。そして告げる。
「あなた達を信じます。私のために”勝つ”と言ってくれたあなた達を」
その瞳には、ミライ達に対する失望など一切無かった。
ミライ達の勝利を、一切の不安無く信じるような覚悟。
そうだ。彼女のために勝つと、自分とリーナは言った。
だから応えなくてはいけない。――ボクが不安になってどうする。
「ええ。約束します。必ず勝つと」
「頼みましたわ!」
ミライはミヨリの声援を背に受けて、対戦相手であるヒカルへと向き直った。
「見苦しいところを見せちゃったね。じゃあ……始めようか」
ヒカルはミライが素人と知っても、別に笑う様子はなかった。
彼の表情は握手を求めてきた時と、まるで変わっていない。
「ああ。だけど、俺は相手が誰だろうと全力を尽くすさ。初心者だからって手加減も油断もしない」
そう言ってヒカルはコートのポケットから1枚のカードを取り出した。
碧いショートヘアー、スカートの付いた白銀の鎧に身を包み、細みの長剣と青い宝石が中央に嵌め込まれた円形の盾を装備した、凛々しい表情の女騎士だ。
「出番だぜ。”使用”、サフィア!」
カードから光が放たれ、サフィアと呼ばれた女騎士が彼の傍らに立つ。
女騎士はゆっくりと目を開いた。
「これが、今回の対戦相手ですか」
ミライとリーナを見比べ、落ち着いた声で告げた。
「吸血鬼型……。随分と可愛らしいお嬢さんですね。まあ、可愛さで勝負は決まりませんが」
「そう言う貴女も美しいわね。綺麗な鎧だわ。まあ、美しさで勝負は決まらないのだけれど。
その恰好、動きにくくないかしら?私の動きに翻弄されて、目を回さないようにね」
「ご忠告痛み入ります。あなたこそ、私の身体に傷をつけられないのが悔しくて泣かないように」
「あら、ご心配どうも」
(……既にバトルが始まっている!)
お互いに落ち着いた顔色と口調で淡々と喋っているが、両者の視線の間でバチバチと火花が散っているのが見えるようだった。
ヒカルはそんな2人の様子を見て、楽しそうに笑った。
「ハハ、もう相手のカードリアンと仲良くなったみたいだなサフィア」
「どこをどう見たらそう思えるの!?」
思わずツッコんでしまった。
――うーん……このキンジョウ・ヒカルって人、爽やかっていうか熱いっていうか……ちょっと緊張感の抜けてる人?
いうなれば、正統派主人公タイプってやつか?
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