異世界に転生して冒険者始めました

さくら

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自宅までの帰り道、僕の後ろを歩くアスール、ヴァイス、ロートの事を街の人達が珍しそうに見ていた。なかには、「珍しいペットだな」「白い虎に白い蛇なんて縁起が悪い」なんて言ってくる人もいたけど、アスール達と兄様が少し威嚇するだけで、スタスタと逃げて行ってしまうような人達だった。
「流石にコイツらを連れて歩くと目立つな」
兄様が顎に右手を当てながら呟く。左手は僕の手を握り締めたままです。
『アル様。我らは見えぬ方が良いのでしょうか?』
アスールが項垂れながら話す姿に、可愛過ぎて僕は胸を“キュン”とさせる。
「もう!他の人なんて気にしなくていいよ!君達は僕の守護獣でしょ?僕は一緒にいたいの!」
「アル、目立ち過ぎるよりは……」
「兄様、僕は皆と一緒にいたいの!友達なんだよ!」
兄様の言葉に被るように話す。
こんなにモフモフでスベスベで可愛いいのに(ロートはまだちょっと怖いけど……)、皆何も解ってない!!
「落ち着け、アル」
鼻息荒い僕に対しドウドウと背中を軽く叩かれる。
「アスール達も、本当に気にしなくていいんだよ!むしろ、僕は自慢したいくらいなんだから!!……あっ!」
興奮し過ぎて周りが見えなくなって、近くを歩いてた人にぶつかっちゃた。
「ごめんなさい」
「こっちこそ悪かったな。怪我はないか?……ん?……珍しい動物を連れているな。白虎に白蛇……もしかしてお前の守護獣か?」
アスール達を見ても驚かないし、悪意も感じない?とぶつかった相手を見ると、イケメンの狼の獣人でした。
ウルフカットの茶髪はボサボサで、瞳は琥珀色。口許に薄く髭が生え、肌は日焼けして浅黒いが、程好く筋肉がついている。
着ている服はあちこち汚れていたり、破れており、引き締まった腰には少し大きめの剣が携えられている。
見た目は怖いけど、ニィと笑う顔が素敵なお兄さんです。
「ラルフじゃなか。久しぶりだな!」
兄様が相手の肩をバシバシ叩きながら話しかける。
「ロイドか、痛いじゃないか。本当に久しぶりだな。元気にしてたか?」
「ああ。元気だったとも。お前はギルドの仕事帰りか?」
「ああ。魔獣討伐に行って、今、街に着いたところなんだ」
兄様の話し方を聞いて、とても親しい仲なのだと感じる。
「兄様?」
「悪いなアル。こいつは親友のラルフ・バーキンだ。強いのに騎士団には入らず、一人で冒険者をしている変わり者だ。……ラルフ、こっちは俺の弟のアルベルトだ。一緒にいるのは守護獣達だ。どうだ、俺の弟は可愛いだろう?」
兄様が紹介してくれたんだけど、僕の事を可愛いって……。む~。今に強く格好いい男になる予定だもん!
「確かに可愛いな。しかも、守護獣を三匹とは……将来が楽しみだな」
ラルフさん、とても良い人だ!
僕は嬉しくて兄様から手を離し、ラルフさんに初対面だけど勢いよく抱き付いてました。あれ、なんか良い匂いがするよ?
「おっと、元気だな。アルベルト君だっけ?俺はラルフだ。ギルドで冒険者をしている。何か困ったことがあったら、会いに来るといい。……あまり街に居ることは少ないんだが、力になるぞ」
「うん。ありがとうラルフさん。僕のことはアルって呼んで下さい」
「分かった。しかし、アル君は本当に可愛いな。それに、いい匂いがする……これは……」
ラルフさんが話をしながら僕を両腕で抱き上げられた。急に地面から足が離れ不安定になった僕はラルフさんの首に両手を回し掴まる。
「ラルフさん、危ないから急に抱き上げないで下さい!」
「すまん。先に断ったら抱っこしてもいいのか?」
「うっ。それなら……」
断るに断れない状況……自分の首を閉めてる?
「そうか!本人がいいと言っているんだから構わないだろう?」
僕を抱き上げたまま、後ろにいるであろう兄様に話しかけてる。
「ラルフ、お前!許せるわけがないだろう!!」
兄様、見なくても分かるくらい怒ってますね?
あの、ラルフさん兄様怒ってるけど無視ですか?いや、それよりも、僕の首筋に顔を近づけて何で匂いを嗅いでいるの?臭いの?
「アルを離せ!」
兄様が、僕の身体を掴みラルフさんから引き剥がそうとする。それに対してラルフさんは、呆気なく僕を離した。
「アル、大丈夫だからな。兄様が必ず守ってやる」
兄様、顔が必死すぎです。そして、僕を抱き締める力が強すぎです。
「兄様、苦しい……」
「ああ、悪い。心配で力加減を忘れてた」
項垂れた兄様の背中をポンポン軽く叩き、落ち着くのを待つ。
ラルフさんは、そんな僕達の事を複雑な表情見ていたんだけど、僕は全く気付いていませんでした。
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