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ブルーローズへ
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しおりを挟む「聞いているかもしれませんが、お二人には、この国が、独自に創った守護ギルド、ブルーローズで、生活して頂きます。守護ギルドとは、文字通り、ヴィーヴル王国に、住む人々を、護るためのギルドです。国民の人々の依頼を、ギルドメンバーがこなしていて、国に関することも、行っているのですよ。ここが一番安全ですし、依頼を見ることで、国のことも、種族のことも、知ることができると思うのです」
ミレイ様が、微笑みながら、どこか楽しそうに、説明してくれる。
「あぁ。それに、世話役は、ブルーローズの中で、トップの実力者である、エミリィと、ライキだ。幅広く色々なものを見たり、知ることができるだろう」
タツナリ様が、隣で頷く。
ライキさんが、無言で頷いた。エミリィさんは、どこか不満そうに、ミレイ様と、タツナリ様を、見ている。
「キラが決めたことには、必ず意味があると分かっているから、引き受けたんでしょう? エミリィ?」
ミレイ様が、変わらない、優しい笑顔で言うと、エミリィさんは、顔を背ける。
やっぱり、エミリィさんは、僕たちの世話役になることを、快く思っていないようだ。
「大変失礼なことをお聞きします。エミリィさんは、世話役になることを、不満に感じているようですが、ロキと、ルカの安全は、保証できるのでしょうか?」
僕は、チィの言葉に、ドキッとなった。だけれど、ミレイ様も、タツナリ様も、変わらず笑っている。
「エミリィの性格ですよ。エミリィは、与えられた役目は、しっかりとこなしますから、心配しないでくださいな」
ミレイ様が、チィに微笑んで言ったけれど、チィの表情は、いつも通り、変わらない。
エミリィさんは、黙ってチィを見つめていた。そこには、さっきまでとは違って、なんの感情も、浮かんでいないように見えて……。なんだか、とても怖い。
「……じゃあ、ギルドに行くか」
ライキさんの一言が、場の空気を変えてくれた。
僕たちは、ミレイ様と、タツナリ様に、頭を下げると、長の家を、後にしたのだった。
「……私、チィちゃんは、ここに来るべきじゃなかったと思うわ」
ライキさんと、エミリィさんについて行きながら、ルカが突然、小さな声で言った言葉に、僕は驚いた。一体、どういう意味だろう。
「ルカ、それは、どのような意味に、捉えれば良いですか。ルカの知識、考え方から、推測できるものが、多すぎます」
「そのままの意味よ」
ルカが、笑って言ったけれど、僕は、笑って返すことが、できなかった。だって、ルカは、よく、チィと、議論をしていることはあるけれど、チィを……いや、誰のことも、否定的に言ったことは、なかったから。
「ロキ、心配しないでください。何を言われても、私は、何も感じませんから」
チィに言われて、僕は、顔を上げた。確かに、チィは、ロボットだし、今までも同じだった。それなのに、チィに何か、違和感を感じてしまうのは、どうしてだろう。
「ロキ、困らせてごめんなさいね。でも私、今、とても楽しいの。今までにないくらい、とても嬉しいの。だからつい、感情的になっちゃっただけなのよ」
「感情的に……」
ルカの言葉で、僕は、チィに感じた、少しの違和感の意味が、分かった気がした。
僕は、王国を出て、初めての景色を見て、今までに、感じたことのない、高揚感があった。きっとこれが、感情が、高ぶっているということなのだろう。だから、チィとの感情の差を、今までにないくらい、感じたのかもしれない。
そんなことを考えていたけれど、周りの声に、僕は我に返った。
どうやら、人通りの多い道に出たようだ。その光景に、僕は、目を奪われた。
僕は、ギア王国にいた時も、ここまで、人が多いところに、行ったことがない。それだけじゃなく、こんなに色とりどりな、光景を、見たことがないのだ。
まず、人が、一人一人、全く違って見える。髪の毛も、目の色も、着ている服も、付けているアクセサリーも、全員それぞれ違って、色んな色に輝いている。当たり前のように龍が歩いているし、何故かそれが、怖いとも思わない。雰囲気のせいだろうか。色んなお店から、声が響いていて、どれがどの店だか、聞き取れないくらいだ。
その中でも、エミリィさんの銀髪は、とても目立っていた。色んな人が、エミリィさんに、笑顔で声をかけている。
僕は、ルカとはぐれないように、手を繋いで、ライキさんと、エミリィさんの、後を追う。
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