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魔法と、年老いた龍との出会い
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しおりを挟むこの前乗った、ライキさんの龍がいる場所に向かっていると、とても大きな龍が、僕の目にとまった。長の家で見た、あの大きな龍と、同じくらいの大きさだ。
横を通るのが、少し怖いと思ったけれど、その龍の側を通ったとき、僕は、勝手に、立ち止まっていた。
「ロキ?」
ルカが、僕が止まったことに気がついて、足を止める。
僕の目は、龍に、釘付けになっていた。龍も、僕を見ている。
龍は、ゆっくりと、顔を僕に近づけてきた。
「あ、あの、こんにちは」
思わず、挨拶をしたけれど、伝わるのだろうか。
「……珍しいな。爺が、誰かに、興味を持つなんて」
ライキさんの方を見ると、ライキさんが、大きな龍と、僕を、交互に見ていた。
「人族に、興味を持ったんじゃなくて?」
エミリィさんが、そう言って、爺と呼ばれた龍を見た。龍が、エミリィさんを見て、低い声で、小さく鳴く。
「違うのか」
ライキさんが、エミリィさんを見た。
そうか、ライキさんは、龍人族で、エミリィさんは、龍人族と、精霊族の、ハーフだから、龍の言葉が、分かるんだ。
龍は、また、僕を見て、大きな頭を、体にこすりつけてくる。
「……爺は、口数が少ないから、よく分からないけれど、気に入られたようだな」
ライキさんが言った。
「その龍は、ギルドメンバーから、スモ爺と呼ばれている、かなり古株の龍だ。ロキのことを、気に入ったようだから、たまに、声でもかけてやってくれ」
「スモ爺……」
ライキさんの言葉に、小さく名前を呼んでみると、スモ爺が、顔を上げて、僕の顔を見ていた。なんだか、とても安心する。
「行こうか」
歩き始めたライキさんに、声をかけられて、僕は慌てて、スモ爺に手を振った。スモ爺は、じっと僕を見つめていた。
ライキさんに、龍に乗せてもらって、僕たちは、森の中の一角に、到着した。
エミリィさんが、ルカと、僕に、近づく。
「まず、実際に見た方が、早いでしょ」
エミリィさんは、そう言うと、ライキさんを手招きした。そして、腰に下げてある鞄から、ナイフを取り出して、ライキさんの手を取ると、躊躇なく切りつけた。
僕とルカは、驚いて声が出ない。でも、ライキさんは、平然としている。
「今から見せるのが、魔法の中でも、一番難しいと言われている、治癒魔法。まず、魔法は、魔石を媒体として、発動させる。魔石は、要は、自然から採れた石。精霊族の、魔力と、共鳴できるの。精霊族は、自然の石に、魔力を注ぐことによって、魔法を使う。個人の魔力量や、技術、適正や能力で、使えるものも変わる」
エミリィさんが、鞄から、黒い石を取り出して、僕たちに、見せてくれた。
「この石は、シュンガイド。石言葉は、自然が与える治癒の力。文字通り、治癒に効果のある石。ここに、魔力を注いで、魔法を発動させる」
エミリィさんが、血が出ている傷口に、シュンガイドを持った手を、近づけた。近づけたシュンガイドが、光り輝きはじめて、僕とルカは、その光景に、目を奪われる。だって、ライキさんの傷口が、段々と、ふさがっていたのだから。
「こんな感じ」
シュンガイドの光が消えたとき、ライキさんの、傷口は、綺麗に治っていた。
「凄い……」
ルカのつぶやきに、僕は、無言で頷く。
「要は、石に魔力を注いだら、その石のもつ力を、魔法として発動できるのよ」
エミリィさんの言葉に、ルカが、しっかりと頷いた。
それを見た、エミリィさんは、ライキさんに、目で合図をする。ライキさんが、沢山の石が入っていると思われる鞄を、エミリィさんに渡す。
「魔法は、魔石との相性もあるから。色々試してみるしかない。ここに入っているのは、ライキが採取した、魔石。今から、色々試すから、言うとおりにして」
エミリィさんの言葉に、ルカが頷いた。
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