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スモ爺のぬくもり
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しおりを挟む「……キ……。ロキ、起きて」
ルカの言葉に、僕は、びっくりして、飛び起きた。
僕は、スモ爺の側で、あのまま、眠ってしまったようだ。スモ爺は、ずっと動かずに、僕を包んでくれていたようで、僕を、じっと見つめていた。
ライキさんと、エミリィさんが、なんだか驚いているけれど、起きた直後だから、頭が上手くまわらない。
「ルカ、僕、寝ちゃってたよ」
「えぇ、とても、気持ちよさそうに、寝ていたわ」
「うん、凄く、心地よかった」
僕の言葉に、ルカが、笑顔で頷いてくれたのだった。
※※※
「……なんだか、とても、嬉しくなる、光景ですね」
フールが、大きな、モニターを見ながら言った。
「それは、向こうの、国の様子にかい?」
老人の声に、フールは、笑って返す。
「ロキくんたちの、様子も含めて、全てにですよ。さて、今日一日で、チィの視点を、こちらにも、流すようにすることが、できました」
「あぁ、ありがとう。さて、ここからが、本番だな」
老人の言葉に、フールが頷く。
「第二王子の、情報によると、国王は、リィノを目覚めさせること、それに、ヴィーヴル王国に、攻め込むことに、考えが集中していて、我々の動きには、見向きもしていないようです。ここ……。レインボーローズも、気がつかれていません。ですが、常に注意をしながら、動かなくては」
「あぁ、そうだな。……この、穏やかな光景も、孫の成長も、また、私は、壊してしまうのか……」
「いいえ。それは違います」
老人の言葉に、フールが、微笑んだ。
「ルカちゃんと、ロキくんが、ヴィーヴル王国に、行かされたことは、予想外で、驚きましたけれど……。だからこそ、ロキくんは、ギア王国ではできない、成長というものを、しているんです。そして、あなたは、そんなかけがえのないものを、守るために、あの時計を、ロキくんに渡した。もちろん、この、レインボーローズを作ったのも、あなたなんですから」
「……フール、ありがとう……」
「それは、こちらのセリフです。あなたが、この、レインボーローズという、組織を作ってくれなければ……。僕たちに、未来は、なかったかもしれないのですから」
フールの笑顔に、老人は、黙って、少し悲しそうに、頷いた。
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