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ロリータ少女と戦姫
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封社山へ。時がきたらって、いつ?
次の日、軍議が終わるのを待って、私は美弥姫と一緒にまた城下町に行った。
前に来た時と同じように露店が並んでいたけれど、どこかみんなそわそわしているように見える。
城下町の人たちは、美弥姫をみつけると一斉に声をかけてきた。
「美弥姫様!また戦が起こるそうですね・・・・・」
「必ずや御無事で・・・・。」
そんな声が聞こえてくる。
「案ずるな、必ず我が桜野城が戦果をあげ、皆の生活はさらに潤うであろう。」
美弥姫が笑顔で、だけど威厳たっぷりに言った。
城下町の人たちがどよめく。
そこには多くの安堵した声があった。
みんな、やっぱり戦は不安なんだ・・・。
そう思いながら、私は美弥姫と一緒に前に行った飾り物のお店に行った。
「美弥姫様!お待ちしておりました!いくつか造ったのですが、お気に召すものがあるか・・・。」
そう言って店主の人が出してくれたのは、沢山の髪飾り。それもとても一つ一つが大きくて、どれも花をかたどっていてとても綺麗だ。
「さすが、どれも素晴らしいな。」
「ありがたきお言葉です。」
「志乃姫、私が戦につけていく髪飾りだ。どれがいいと思う?」
美弥姫が笑って私を見た。
「えっ、これを戦に?」
「あぁ、そうだ。」
「でも・・・こんなに大きい髪飾りつけたら、頭になにもかぶれないんじゃ・・・。」
「そうだな。私は頭に甲冑をつけるのが嫌いでな。それに・・・万が一にも戦で命を落とした時のため、出陣の時には繁蔵様に綺麗な姿を見ていてほしい。」
「・・・・・・。」
私は何も答えられなかった。
私は、生きるとか死ぬとか考えて生きたことなかった。
だけどこの時代では生きていることが奇跡みたいなものなんだ・・・。
「志乃姫?」
「えっ?」
「どうだ?」
「わぁ!綺麗!」
美弥姫が、髪飾りの一つをつけていた。
その姿は本当に可愛くて・・・綺麗で・・・・。
戦とは無縁の、ただの女の子に見えた。
「これもいいな・・・・。」
鏡を見ながら、美弥姫が別の髪飾りをつける。
「どうだ!?」
「うん、こっちもすごく可愛い!」
「そうか、志乃姫にそう言われると、選べなくなるな。」
美弥姫が楽しそうに笑った。
「美弥姫様、良いお友達ができたのですね。」
店主の人が言った。
「志乃姫と私は正室と側室だ。決して友にはなれぬ。だが、本当の友を得たように私は楽しい。おなごとこのように買い物することなんてなかったからな。」
私は美弥姫の言葉に引っ掛かりを覚えた。
美弥姫は、何度も私のことを友のようだと言ってくれる。
私も、こうして一緒にいると美弥姫と友達だと思う。
だけど、美弥姫は一線を引いていて・・・・。
それでも今なら理由が分かる気がした。
美弥姫は、繁蔵様の為、命をかけて生きている。
そんな中、私のような友人をつくってもしょうがないんだ・・・。
そう思うと、なぜかとても悲しくなって、私は加奈を思い出すのだった。
「志乃姫、これとこれだとどちらが良いと思う?」
「えっ・・・。」
美弥姫の両手には、一つずつ髪飾りが握られていた。
どちらもとても綺麗だ。
でも、加奈とショッピングするように軽い気持ちで選べないことはわかっていた。
だって、これはもしかしたら美弥姫が最後につける飾りになるかもしれないのだから・・・。
「志乃姫?」
少し顔をのぞかせて、美弥姫が聞いた。
「あっ・・・あの・・・どちらもとても美弥姫に似合うから選べなくて・・・。」
そう言うと美弥姫はパッと笑顔になった。
「それは嬉しいな。では、志乃姫ならどちらを選ぶ?」
「私?」
「あぁ、そうだ。」
私は二つの髪飾りを見た。
ピンクと青の花の髪飾り。どちらもとても綺麗で・・・・。
いつもの私だったら、間違いなく即決でピンクを選んでいた。それなのに、青い髪飾りからも目が離せなくて・・・それくらい、どちらも魅力的だった。
髪飾りを交互に見つめた後、私は美弥姫を見た。
「私は、やっぱりピンクが好きかな。」
「ぴ・・・?」
「あ・・・・えっと・・・・・・そう、桃色の方だよ。」
「そうか、志乃姫はこっちが好きか。では、この桃色の髪飾りと青い髪飾りをくれ。」
そう言うと、美弥姫は両方の髪飾りを買った。
そして、青い髪飾りの方を私に差し出してきた。
「志乃姫が選んでくれた髪飾りを、私は戦につけていく。だから、私が選んだこの髪飾りは志乃姫にもらってほしい。」
「私に・・・?」
「あぁ、お前にだ。」
私は黙って髪飾りを受け取った。
手の中で、青く光る花。
「ありがとう・・・。人と、それも年の近いであろうおなごと共に買い物をするなど初めてだった。こんなに楽しいとは思わなかった。これも全て、志乃姫のおかげだ。」
「私はなにも・・・。」
私は少しうつむいてしまった。
「私は志乃姫と出会えたことで、今までになかった経験をした。それはとても楽しいものばかりで、初めての事ばかりだ。・・・・感謝の気持ちだと思ってくれ。」
美弥姫を見ると、美弥姫は笑っていた。
私も、この時代に来て最初に美弥姫に出会わなかったらどうなっていたかわからない。
お城で不自由なく過ごせるのも、帰れる方法を調べてもらっているのも、全て美弥姫のおかげだ。
こんな時、なんて言えばいいんだろう・・・?
しばらく考えて、私は美弥姫を見て笑顔で言った。
「美弥姫、本当にありがとう!」
美弥姫は、笑ってうなずいた。
「姫様。」
その時、村人に紛れて林之助さんの声がした。
「何だ?」
美弥姫の顔つきが変わる。
「正道様から文を預かっております。」
「分かった。」
林之助さんは城下町の人に紛れていたのだろうか。
美弥姫が手紙を受け取った瞬間は見たけれど、林之助さんがどの人かは分からなかった。
林之助さんって、忍者なのかな?
今更そんな疑問が湧いた。
「さぁ、良いものも手に入ったし、城に戻るか。文の内容も気になるしな。」
美弥姫の言葉に私はうなずくと、二人でお城に戻ったのだった。
文の内容は、明日の夜封社山へ行くということだけだった。
美弥姫はそのことを伝えに繁蔵様の所へ行ってしまった。
私は、髪飾りを握りしめて自分の部屋まで歩いていたところ、お針子さんに声をかけられた。
「志乃様!着物が出来上がりましたよ。お時間ができたら、どうか取りに来てください。」
「あの・・・今から行きます。」
お針子さんの言葉に私は笑顔を見せると、ついていった。
「すごい・・・・!こんなに短期間で・・・!!」
着物を着せてもらった私は感嘆の声を上げた。
シンプルなのに、とても深い柄で、綺麗で・・・・・。
手に持っていた髪飾りも髪につけてもらう。
ロリータ服を着ていたころの自分とは全く違う自分がそこに立っていた。
大好きな、ふわふわのお姫様服。
それ以外の服を着るなんて、制服以外では考えられなかったのに・・・。
お針子さんがお化粧まで直してくれた。
私はじっと鏡を見つめた。
そして、お針子さんたちに向き直った。
こういう時、なんて言えば良いか、やっと分かった気がする。
「ありがとうございます。」
私は笑顔で頭を下げた。
「そんな、頭を上げてください。」
「そうです、気に入っていただけたならお針子にとってこれほど嬉しいことはありません。」
お針子さんたちは少し慌てていたけれど、満面の笑みで答えてくれた。
私は着物を脱がせてもらうと、髪飾りと一緒に大事に抱えて自分の部屋に戻っていった。
明日の夜、私は帰れるかもしれない。
これは、私がこの時代でみつけた沢山のなかの大事な大事な宝物だ。
次の日、美弥姫は軍議に行ってしまって、私は夜まで部屋の中を行ったり来たりそわそわしていた。
帰れた時に備えて、大事にしまっていた現代のカバンに着物と髪飾りをいれて、準備は万端だ。
私がいなくなって、現代はどうなっているかな・・・。
ふとそんな疑問が湧いた。
お母さん、心配してるだろうな・・・。
最近お父さんと話してないけれど、お父さんも心配するかな・・・。
加奈も・・・。
最後に会っていた加奈は、責められているかもしれない。
そう思うと、胸が締め付けられた。
私はこの短い間で、色んなことを考えた。
その中でも一番考えていたことは・・・
現代が、当たり前ではないということ。
お母さんがいて、お父さんがいて、加奈がいて・・・・。
お母さんと言い合って、加奈と一緒に遊んだり、笑ったり・・・そんな時間は実はとても大切な時間で・・・・。
命のやりとりをまじかで見たからこそ、分かったことだと思う。
この時代で出会った人たちのことも考えた。
繁蔵様は、快く私をお城にいれてくれて、聖花さんはいつも面倒をみてくれて、姿はほとんど見ていないけれど林之助さんも私を守ってくれているのが分かっていた。
それに、封社山のことを調べてくれた正道さんに、全てを手配してくれた美弥姫・・・。
私は、帰ったら現代を生きてくのだろう。戦もなくて、安全な社会で。
でも、みんなは・・・・。
美弥姫は・・・・。
この城は、焼け落ちてしまう。
梅田城も、陥落してしまう。
そんなこと悲しかった。
だけど私にはそれを止める方法なんて思いつかない。
それに自分が何もできないことは、この前の宴でよくわかっていた。
どうしたら・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・・・・そうだ!!
そうだよ!!
簡単な方法があるじゃん!
「志乃姫、待たせたな。思ったより軍議が長引いて・・・・。」
美弥姫が入ってきた。
私は、思わず美弥姫に駆け寄った。
「どうした?そんなに嬉しそうな顔をして・・・。」
「ねぇ!美弥姫も一緒に私の故郷へ帰ろうよ!」
「えっ・・・・?」
美弥姫が驚いた顔をした。
当たり前だ。
だけど私は言葉を続けた。
「もちろん、繁蔵様と正道さんも一緒に!そうすれば、戦なんてない世界で、みんな仲良く暮らせるよ!それに、私とも一緒にいられるし!」
私は、これが一番良い方法だと思った。
みんなで現代に行っても、どこで暮らすのかとか仕事とか、住民票とか難しいことはいっぱいあることは分かっていたけれど、テレビや映画でも現代にタイムスリップしてくる人の話は沢山あるし、私のように、みんななんとか生きている。
繁蔵様の望む世界で、美弥姫と平和に、そして正道さんとも争わずに暮らせる!
みんなが幸せになれる!
意気揚々と話す私を見て、美弥姫が何処か悲しそうに笑った。
「美弥姫・・・?」
「志乃姫、お前は本当に面白い娘だな。」
「えっ・・・・。」
「そうだな。・・・考えておこう。」
美弥姫に笑って言われて、私も笑顔でうなずいた。
夜になって、私と美弥姫は天狗岩の前で正道さんと合流した。
正道さんの手には、美弥姫の持っているものと似たなぎなたを持っていた。
「美弥、陰陽師に頼んで造らせた。対あやかし用のなぎなただ。俺も刀を造ってもらった。封社山は人よりあやかしが多い。必要になることもあるだろう。」
正道さんが美弥姫になぎなたを投げる。
「恩に着る。」
そう言いながら、美弥姫は正道さんからなぎなたを受け取った。
そして私たちは、歩いて封社山に向かった。
山の入り口はとても不気味で、今にも何かでてきそうでとても怖かった。
だけど、私の前には正道さん、隣には美弥姫がいてくれた。
きっと林之助さんもどこかにいるのだろう。
私たちは、山に足を踏み入れた。
「正道、どこへ向かう?」
「頂上を目指そう。そこに、この山全てをつかさどっている木があるそうだ。」
「そうか。志乃姫、大丈夫か?」
「うん・・・なんとか・・・・。」
こういう時、スニーカーがあればいいのに・・・。
現代って、本当に便利になってるんだな・・・・。
そんなことを思いながら、私は一生懸命山を登った。
あやかしが封印されている山だと聞いていたから、あやかしに襲われるんじゃないかと思っていたけれど辺りは真っ暗で、木々の音だけが響いていた。
万が一あやかしに襲われても、二人が武器を持っているから大丈夫だろう。
私はそう思って、必死で山を登った。
「あったぞ。あれが、例の木だろう!」
しばらく無言で歩いていると、前を歩いていた正道さんが言った。
合図を受けて、私と美弥姫は止まる。
正道さんが木に近づいた。
その時。
木と木の間を、見えないくらいの速さで何かが移動しているのが分かった。
カラン、カランと音がする。
「下駄の音・・・天狗か!」
正道さんと美弥姫が、対あやかし用の武器を構えた。
私のすぐ目の前に、どこからともなく林之助さんが現れた。
カラン、カランという音はどんどん近くなっていく。
木が、風とは別の方向に揺れる。
そして、一番大きな木の上でその音は止まった。
【この山に何の用だ、人間よ。】
木から不気味な声が響いた。
私は怖くなって、思わず美弥姫に抱き着いた。
「俺たちは、この山を荒らしに来たのではない。どうか話を聞いてほしい。天狗よ、このおなごは神隠しによりこの世界に来た。元の世界に帰ることを望んでいる。叶うのであれば、どうかこのおなごを元の世界に帰してやってほしい。」
正道さんがはっきりと言った。
すごいな・・・。怖くないんだろうか・・・。
【何を愚かなことを言っておる。我は、そのおなごの願いを叶えてやったのではないか。】
「えっ・・・?」
三人が一斉に私を見た。
私の願いを叶えた・・・・?
少し考えた私は思い出した。
タイムスリップする前に考えたことを。
いっそ、天狗が私の願いが叶う場所に・・・・・・。
「ご・・・ごめんなさい!」
私は反射的に謝っていた。
「私、あの時はやけになってて・・・・。つい・・・・。」
【では聞こう。元の世界に戻ることがお前の幸せなのか?】
天狗は私に聞いているようだった。
当たり前だ。元の世界に戻った方が・・・・。
戻った方が・・・・・。
「はい!戦もなくて、お母さんもお父さんも友達もいて・・・元の世界の方が幸せだと思います!」
私は必死で言った。
【だが、元の世界に戻ってもお前の悩みは消えないぞ。】
その言葉に、私は何も言えなくなった。
私の世界・・・。奇抜で変わった子で、進路も決められない・・・。
だけどここにいたら、そんな悩みを持つ必要もない。
美弥姫もいる。
私は何も言えなくなって、下を向いてしまった。
「それでも、帰ることが志乃姫の幸せだ、天狗よ。」
美弥姫の声に、私は顔を上げた。
「私は志乃姫の悩みなど分からぬ。その悩みはここにいればとるにたらないことなのかもしれない。しかし生きるということは、悩み続けるということだ。志乃姫には帰るべき場所がある。悩み苦しみ生きる場所がある。そうではないか?天狗よ。」
私は志乃姫を見つめたまま、黙っていた。
私の生きる場所・・・・。
【どうなんだ、志乃よ。】
天狗が私に聞いてきた。
この時代の人たちは、毎日を明るく生きている。
だけどいつも戦があって、死と隣り合わせで・・・・。
自分の生き方も自分で決められなくて・・・。
友達すら敵になってしまって・・・。
それでも、明るく、自分の人生を・・・・。
私はゆっくりとうなずいた。
「私、帰りたいです。」
木が揺れた。
しばらく静寂だけが続いた。
【そうか。では、時が来たらお前を帰すとしよう。】
「時が来たら・・・?」
私の質問に天狗は答えず、またカラン、カランという音と共に遠ざかってしまった。
「時がきたらって・・・いつ・・・?」
私は少し混乱した。
そんな私の手を、美弥姫が握った。
「ここに来た甲斐があったな。帰れることだけは分かった。まさか本当に天狗がいたとは・・・人生とは、本当に面白いものだな。」
暗い中でも、美弥姫が明るい顔をしているのが分かった。
「俺もだ。面白いものを見させてもらった。」
正道さんも嬉しそうだ。
こうして私たちは山をおりてお城に戻ったのだった。
次の日、軍議が終わるのを待って、私は美弥姫と一緒にまた城下町に行った。
前に来た時と同じように露店が並んでいたけれど、どこかみんなそわそわしているように見える。
城下町の人たちは、美弥姫をみつけると一斉に声をかけてきた。
「美弥姫様!また戦が起こるそうですね・・・・・」
「必ずや御無事で・・・・。」
そんな声が聞こえてくる。
「案ずるな、必ず我が桜野城が戦果をあげ、皆の生活はさらに潤うであろう。」
美弥姫が笑顔で、だけど威厳たっぷりに言った。
城下町の人たちがどよめく。
そこには多くの安堵した声があった。
みんな、やっぱり戦は不安なんだ・・・。
そう思いながら、私は美弥姫と一緒に前に行った飾り物のお店に行った。
「美弥姫様!お待ちしておりました!いくつか造ったのですが、お気に召すものがあるか・・・。」
そう言って店主の人が出してくれたのは、沢山の髪飾り。それもとても一つ一つが大きくて、どれも花をかたどっていてとても綺麗だ。
「さすが、どれも素晴らしいな。」
「ありがたきお言葉です。」
「志乃姫、私が戦につけていく髪飾りだ。どれがいいと思う?」
美弥姫が笑って私を見た。
「えっ、これを戦に?」
「あぁ、そうだ。」
「でも・・・こんなに大きい髪飾りつけたら、頭になにもかぶれないんじゃ・・・。」
「そうだな。私は頭に甲冑をつけるのが嫌いでな。それに・・・万が一にも戦で命を落とした時のため、出陣の時には繁蔵様に綺麗な姿を見ていてほしい。」
「・・・・・・。」
私は何も答えられなかった。
私は、生きるとか死ぬとか考えて生きたことなかった。
だけどこの時代では生きていることが奇跡みたいなものなんだ・・・。
「志乃姫?」
「えっ?」
「どうだ?」
「わぁ!綺麗!」
美弥姫が、髪飾りの一つをつけていた。
その姿は本当に可愛くて・・・綺麗で・・・・。
戦とは無縁の、ただの女の子に見えた。
「これもいいな・・・・。」
鏡を見ながら、美弥姫が別の髪飾りをつける。
「どうだ!?」
「うん、こっちもすごく可愛い!」
「そうか、志乃姫にそう言われると、選べなくなるな。」
美弥姫が楽しそうに笑った。
「美弥姫様、良いお友達ができたのですね。」
店主の人が言った。
「志乃姫と私は正室と側室だ。決して友にはなれぬ。だが、本当の友を得たように私は楽しい。おなごとこのように買い物することなんてなかったからな。」
私は美弥姫の言葉に引っ掛かりを覚えた。
美弥姫は、何度も私のことを友のようだと言ってくれる。
私も、こうして一緒にいると美弥姫と友達だと思う。
だけど、美弥姫は一線を引いていて・・・・。
それでも今なら理由が分かる気がした。
美弥姫は、繁蔵様の為、命をかけて生きている。
そんな中、私のような友人をつくってもしょうがないんだ・・・。
そう思うと、なぜかとても悲しくなって、私は加奈を思い出すのだった。
「志乃姫、これとこれだとどちらが良いと思う?」
「えっ・・・。」
美弥姫の両手には、一つずつ髪飾りが握られていた。
どちらもとても綺麗だ。
でも、加奈とショッピングするように軽い気持ちで選べないことはわかっていた。
だって、これはもしかしたら美弥姫が最後につける飾りになるかもしれないのだから・・・。
「志乃姫?」
少し顔をのぞかせて、美弥姫が聞いた。
「あっ・・・あの・・・どちらもとても美弥姫に似合うから選べなくて・・・。」
そう言うと美弥姫はパッと笑顔になった。
「それは嬉しいな。では、志乃姫ならどちらを選ぶ?」
「私?」
「あぁ、そうだ。」
私は二つの髪飾りを見た。
ピンクと青の花の髪飾り。どちらもとても綺麗で・・・・。
いつもの私だったら、間違いなく即決でピンクを選んでいた。それなのに、青い髪飾りからも目が離せなくて・・・それくらい、どちらも魅力的だった。
髪飾りを交互に見つめた後、私は美弥姫を見た。
「私は、やっぱりピンクが好きかな。」
「ぴ・・・?」
「あ・・・・えっと・・・・・・そう、桃色の方だよ。」
「そうか、志乃姫はこっちが好きか。では、この桃色の髪飾りと青い髪飾りをくれ。」
そう言うと、美弥姫は両方の髪飾りを買った。
そして、青い髪飾りの方を私に差し出してきた。
「志乃姫が選んでくれた髪飾りを、私は戦につけていく。だから、私が選んだこの髪飾りは志乃姫にもらってほしい。」
「私に・・・?」
「あぁ、お前にだ。」
私は黙って髪飾りを受け取った。
手の中で、青く光る花。
「ありがとう・・・。人と、それも年の近いであろうおなごと共に買い物をするなど初めてだった。こんなに楽しいとは思わなかった。これも全て、志乃姫のおかげだ。」
「私はなにも・・・。」
私は少しうつむいてしまった。
「私は志乃姫と出会えたことで、今までになかった経験をした。それはとても楽しいものばかりで、初めての事ばかりだ。・・・・感謝の気持ちだと思ってくれ。」
美弥姫を見ると、美弥姫は笑っていた。
私も、この時代に来て最初に美弥姫に出会わなかったらどうなっていたかわからない。
お城で不自由なく過ごせるのも、帰れる方法を調べてもらっているのも、全て美弥姫のおかげだ。
こんな時、なんて言えばいいんだろう・・・?
しばらく考えて、私は美弥姫を見て笑顔で言った。
「美弥姫、本当にありがとう!」
美弥姫は、笑ってうなずいた。
「姫様。」
その時、村人に紛れて林之助さんの声がした。
「何だ?」
美弥姫の顔つきが変わる。
「正道様から文を預かっております。」
「分かった。」
林之助さんは城下町の人に紛れていたのだろうか。
美弥姫が手紙を受け取った瞬間は見たけれど、林之助さんがどの人かは分からなかった。
林之助さんって、忍者なのかな?
今更そんな疑問が湧いた。
「さぁ、良いものも手に入ったし、城に戻るか。文の内容も気になるしな。」
美弥姫の言葉に私はうなずくと、二人でお城に戻ったのだった。
文の内容は、明日の夜封社山へ行くということだけだった。
美弥姫はそのことを伝えに繁蔵様の所へ行ってしまった。
私は、髪飾りを握りしめて自分の部屋まで歩いていたところ、お針子さんに声をかけられた。
「志乃様!着物が出来上がりましたよ。お時間ができたら、どうか取りに来てください。」
「あの・・・今から行きます。」
お針子さんの言葉に私は笑顔を見せると、ついていった。
「すごい・・・・!こんなに短期間で・・・!!」
着物を着せてもらった私は感嘆の声を上げた。
シンプルなのに、とても深い柄で、綺麗で・・・・・。
手に持っていた髪飾りも髪につけてもらう。
ロリータ服を着ていたころの自分とは全く違う自分がそこに立っていた。
大好きな、ふわふわのお姫様服。
それ以外の服を着るなんて、制服以外では考えられなかったのに・・・。
お針子さんがお化粧まで直してくれた。
私はじっと鏡を見つめた。
そして、お針子さんたちに向き直った。
こういう時、なんて言えば良いか、やっと分かった気がする。
「ありがとうございます。」
私は笑顔で頭を下げた。
「そんな、頭を上げてください。」
「そうです、気に入っていただけたならお針子にとってこれほど嬉しいことはありません。」
お針子さんたちは少し慌てていたけれど、満面の笑みで答えてくれた。
私は着物を脱がせてもらうと、髪飾りと一緒に大事に抱えて自分の部屋に戻っていった。
明日の夜、私は帰れるかもしれない。
これは、私がこの時代でみつけた沢山のなかの大事な大事な宝物だ。
次の日、美弥姫は軍議に行ってしまって、私は夜まで部屋の中を行ったり来たりそわそわしていた。
帰れた時に備えて、大事にしまっていた現代のカバンに着物と髪飾りをいれて、準備は万端だ。
私がいなくなって、現代はどうなっているかな・・・。
ふとそんな疑問が湧いた。
お母さん、心配してるだろうな・・・。
最近お父さんと話してないけれど、お父さんも心配するかな・・・。
加奈も・・・。
最後に会っていた加奈は、責められているかもしれない。
そう思うと、胸が締め付けられた。
私はこの短い間で、色んなことを考えた。
その中でも一番考えていたことは・・・
現代が、当たり前ではないということ。
お母さんがいて、お父さんがいて、加奈がいて・・・・。
お母さんと言い合って、加奈と一緒に遊んだり、笑ったり・・・そんな時間は実はとても大切な時間で・・・・。
命のやりとりをまじかで見たからこそ、分かったことだと思う。
この時代で出会った人たちのことも考えた。
繁蔵様は、快く私をお城にいれてくれて、聖花さんはいつも面倒をみてくれて、姿はほとんど見ていないけれど林之助さんも私を守ってくれているのが分かっていた。
それに、封社山のことを調べてくれた正道さんに、全てを手配してくれた美弥姫・・・。
私は、帰ったら現代を生きてくのだろう。戦もなくて、安全な社会で。
でも、みんなは・・・・。
美弥姫は・・・・。
この城は、焼け落ちてしまう。
梅田城も、陥落してしまう。
そんなこと悲しかった。
だけど私にはそれを止める方法なんて思いつかない。
それに自分が何もできないことは、この前の宴でよくわかっていた。
どうしたら・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・・・・そうだ!!
そうだよ!!
簡単な方法があるじゃん!
「志乃姫、待たせたな。思ったより軍議が長引いて・・・・。」
美弥姫が入ってきた。
私は、思わず美弥姫に駆け寄った。
「どうした?そんなに嬉しそうな顔をして・・・。」
「ねぇ!美弥姫も一緒に私の故郷へ帰ろうよ!」
「えっ・・・・?」
美弥姫が驚いた顔をした。
当たり前だ。
だけど私は言葉を続けた。
「もちろん、繁蔵様と正道さんも一緒に!そうすれば、戦なんてない世界で、みんな仲良く暮らせるよ!それに、私とも一緒にいられるし!」
私は、これが一番良い方法だと思った。
みんなで現代に行っても、どこで暮らすのかとか仕事とか、住民票とか難しいことはいっぱいあることは分かっていたけれど、テレビや映画でも現代にタイムスリップしてくる人の話は沢山あるし、私のように、みんななんとか生きている。
繁蔵様の望む世界で、美弥姫と平和に、そして正道さんとも争わずに暮らせる!
みんなが幸せになれる!
意気揚々と話す私を見て、美弥姫が何処か悲しそうに笑った。
「美弥姫・・・?」
「志乃姫、お前は本当に面白い娘だな。」
「えっ・・・・。」
「そうだな。・・・考えておこう。」
美弥姫に笑って言われて、私も笑顔でうなずいた。
夜になって、私と美弥姫は天狗岩の前で正道さんと合流した。
正道さんの手には、美弥姫の持っているものと似たなぎなたを持っていた。
「美弥、陰陽師に頼んで造らせた。対あやかし用のなぎなただ。俺も刀を造ってもらった。封社山は人よりあやかしが多い。必要になることもあるだろう。」
正道さんが美弥姫になぎなたを投げる。
「恩に着る。」
そう言いながら、美弥姫は正道さんからなぎなたを受け取った。
そして私たちは、歩いて封社山に向かった。
山の入り口はとても不気味で、今にも何かでてきそうでとても怖かった。
だけど、私の前には正道さん、隣には美弥姫がいてくれた。
きっと林之助さんもどこかにいるのだろう。
私たちは、山に足を踏み入れた。
「正道、どこへ向かう?」
「頂上を目指そう。そこに、この山全てをつかさどっている木があるそうだ。」
「そうか。志乃姫、大丈夫か?」
「うん・・・なんとか・・・・。」
こういう時、スニーカーがあればいいのに・・・。
現代って、本当に便利になってるんだな・・・・。
そんなことを思いながら、私は一生懸命山を登った。
あやかしが封印されている山だと聞いていたから、あやかしに襲われるんじゃないかと思っていたけれど辺りは真っ暗で、木々の音だけが響いていた。
万が一あやかしに襲われても、二人が武器を持っているから大丈夫だろう。
私はそう思って、必死で山を登った。
「あったぞ。あれが、例の木だろう!」
しばらく無言で歩いていると、前を歩いていた正道さんが言った。
合図を受けて、私と美弥姫は止まる。
正道さんが木に近づいた。
その時。
木と木の間を、見えないくらいの速さで何かが移動しているのが分かった。
カラン、カランと音がする。
「下駄の音・・・天狗か!」
正道さんと美弥姫が、対あやかし用の武器を構えた。
私のすぐ目の前に、どこからともなく林之助さんが現れた。
カラン、カランという音はどんどん近くなっていく。
木が、風とは別の方向に揺れる。
そして、一番大きな木の上でその音は止まった。
【この山に何の用だ、人間よ。】
木から不気味な声が響いた。
私は怖くなって、思わず美弥姫に抱き着いた。
「俺たちは、この山を荒らしに来たのではない。どうか話を聞いてほしい。天狗よ、このおなごは神隠しによりこの世界に来た。元の世界に帰ることを望んでいる。叶うのであれば、どうかこのおなごを元の世界に帰してやってほしい。」
正道さんがはっきりと言った。
すごいな・・・。怖くないんだろうか・・・。
【何を愚かなことを言っておる。我は、そのおなごの願いを叶えてやったのではないか。】
「えっ・・・?」
三人が一斉に私を見た。
私の願いを叶えた・・・・?
少し考えた私は思い出した。
タイムスリップする前に考えたことを。
いっそ、天狗が私の願いが叶う場所に・・・・・・。
「ご・・・ごめんなさい!」
私は反射的に謝っていた。
「私、あの時はやけになってて・・・・。つい・・・・。」
【では聞こう。元の世界に戻ることがお前の幸せなのか?】
天狗は私に聞いているようだった。
当たり前だ。元の世界に戻った方が・・・・。
戻った方が・・・・・。
「はい!戦もなくて、お母さんもお父さんも友達もいて・・・元の世界の方が幸せだと思います!」
私は必死で言った。
【だが、元の世界に戻ってもお前の悩みは消えないぞ。】
その言葉に、私は何も言えなくなった。
私の世界・・・。奇抜で変わった子で、進路も決められない・・・。
だけどここにいたら、そんな悩みを持つ必要もない。
美弥姫もいる。
私は何も言えなくなって、下を向いてしまった。
「それでも、帰ることが志乃姫の幸せだ、天狗よ。」
美弥姫の声に、私は顔を上げた。
「私は志乃姫の悩みなど分からぬ。その悩みはここにいればとるにたらないことなのかもしれない。しかし生きるということは、悩み続けるということだ。志乃姫には帰るべき場所がある。悩み苦しみ生きる場所がある。そうではないか?天狗よ。」
私は志乃姫を見つめたまま、黙っていた。
私の生きる場所・・・・。
【どうなんだ、志乃よ。】
天狗が私に聞いてきた。
この時代の人たちは、毎日を明るく生きている。
だけどいつも戦があって、死と隣り合わせで・・・・。
自分の生き方も自分で決められなくて・・・。
友達すら敵になってしまって・・・。
それでも、明るく、自分の人生を・・・・。
私はゆっくりとうなずいた。
「私、帰りたいです。」
木が揺れた。
しばらく静寂だけが続いた。
【そうか。では、時が来たらお前を帰すとしよう。】
「時が来たら・・・?」
私の質問に天狗は答えず、またカラン、カランという音と共に遠ざかってしまった。
「時がきたらって・・・いつ・・・?」
私は少し混乱した。
そんな私の手を、美弥姫が握った。
「ここに来た甲斐があったな。帰れることだけは分かった。まさか本当に天狗がいたとは・・・人生とは、本当に面白いものだな。」
暗い中でも、美弥姫が明るい顔をしているのが分かった。
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