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~海起の本音~
「海って広いよなぁ・・・。」
秋美が海起に言った。
海起が軽くうなずく。
二人は今,とある人間の町の堤防に並んで座って,海を眺めていた。
周りには人間達が行き来しているが,誰一人として二人に気が付かない。
「みんな来れなくて残念だったな~」
秋美が続けた。
海起は一瞬ドキッとした表情を見せたが,すぐにいつものように不機嫌そうな顔をする。
「まぁ,しょうがないさ。大樹さんと水湖さんは大聖堂で仕事があるんだとよ。・・・・・妖精のくせに。草多は,今日から冬美が仕事だから,家のことするとか言ってな・・・。」
海起が言った。
「春美と夏美も,用事があるって言ってたぜ。睡蓮は,水仙さんと出かけるんだってよ。鈴蘭達も来ないって・・・。運が悪かったな。」
秋美がさらっと言った。
「あぁ,残念だ。」
海起はそう言ったが,みんな自分に気を遣って来ないことに気が付いていた。
「秋美・・・。」
「なんだよ?」
「昨日は,なんかごめん。」
海起が少し下を向いて言った。
「びっくりしたぜ。おめぇが人間を見捨てたいなんて言い出したから。けどよう・・・おめぇの言ってることも分かるんだ・・・。だから,あたいも今,自分がどうしたいのか,わけわかんねぇんだよ。」
秋美が海起の肩を叩きながら言った。
海起の顔が赤くなる。
秋美はまったく気が付いていない。
「海起はなんで人間を見捨てる結論を出したんだ?」
秋美が聞いた。
「そりゃぁ・・・仲間が死ぬのが嫌だからに・・・決まってるじゃないか。」
海起が少し焦りながら言った。
「ジェネレーションが人間に攻撃しようとしたときは,共存しようとしてたじゃねぇか。」
「事が違いすぎる。」
海起が秋美を見た。
顔が真っ赤になっている。
「あれ?おめぇ顔赤くねぇか??風邪か?大丈夫か?」
やっと気づいた秋美だが,なぜ赤くなっているかは未だにまったく気が付いていない。
「いや,なんでもない。」
海起が言った。
そして何度か深呼吸をする。
秋美はしばらく黙って考えてから,口を開いた。
「どの道を選んでもリスクがあって,なんか悲しいよな。けど,あたいはやっぱ人間達と共存したい。だってよう,見捨てたくねぇもん。自然だって,人間だって。」
秋美が海起に向けて言う。
「共存の道を選んだら,どういうことになるかまったく分かんねぇ。最悪失敗してみんな死ぬ。ただよ,何もしないであきらめたくねぇんだよ・・・。」
秋美の言葉を聞いて,海起はまた深呼吸をした。
そして,しっかりと秋美を見据えた。
「俺は・・・俺は,秋美・・・お前と生きたい。お前に死んでほしくないし,俺が死んで会えなくなるのも嫌だ。」
海起が秋美にはっきりと言った。
手がかすかに震えている。
「そうかぁ,ありがとな。そんな嬉しいこといいやがって。」
秋美が笑いながら言った。
海起は少し微笑んだが,自分が秋美を好きな気持ちに気が付いてもらえなかったため,内心ではうなだれていた。
「秋美,俺はお前のその前向きな所が・・・・・・・・・好きだぞ。」
必死で分かってもらおうと海起が言った。
「今日はえらい優しいな!!どうしたんだよ!」
秋美がさらに笑顔で答える。
告白されているとは微塵にも思っていないようだ。
海起は笑顔を見せたが,内心ではさらに落ち込んでいた。
(ここまで言っても,気が付かないものなのか・・・?)
と海起は考えていた。
「どうやったら人間の戦争を止められるのか,まったく思いつかねぇや。」
秋美が海を見ながら言った。
「そうだな・・・」
慌てて海起も言った。
「自然の素晴らしさを分かったら,どれだけ人間はちっぽけなものか,どれだけ戦争がくだらなくて悲惨なものかがわかるんじゃねぇかと思うんだけどな。」
秋美がつぶやく。
「・・・確かに俺は人間を見捨てたいと思ってる。けど,俺はいつでもお前の味方だから・・・お前のためなら,命だって差し出せる覚悟だ。」
海起がまた真っ赤になって言った。
「海起・・・マジであんがとよ。なんか元気出たぜ。」
秋美が微笑んだ。
(これでも駄目か・・・。)
海起は心の中でそうつぶやくと,秋美に微笑んだ。
夕方になって,二人は妖精の国に戻ってきた。
「送るぞ?」
海起が言った。
「んな気にすんなって!!んじゃ!またな!!今日は楽しかったぜ。」
そう言うと,秋美は自分の家に帰って行った。
海起は嬉しいような寂しいような,複雑な気持ちをしていた。
一人で家に帰る気になれなかった海起は,そのまま草多の家へ向かって歩き出した。
海起は草多と冬美の家の前に到着した。
【トントン】
ドアをノックする。
「はい??」
出てきたのは,草多だった。
「・・・・よう・・・。」
海起が言った。
海起の様子を見て,草多は何かを感じ取ったようだ。
「おう。おかえり!飯食ってけよ。なんなら泊まっていけって。」
草多が暖かく海起を家に向かい入れた。
冬美はまだ帰っていないようだ。
海起が椅子に座ると,草多が暖かい飲み物を前に置いて,向かい合って座った。
「冬美も,もう帰ってくるからさ!そしたら飯にしようぜ!!」
草多が笑顔で海起に言った。
その言葉に,海起も微笑んだ。
「悪いな。久々に二人でのんびりできるはずだったろうに・・・。」
海起が申し訳なさそうに言った。
「いいんだって。どうせ俺は少しの間仕事ができないんだし・・・。最近冬美はドレスのカタログばっか見てるんだから。聞いてやってよ。何回着替える気なのかって。」
草多が冗談交じりに笑いながら返す。
海起も笑った。
そんなたわいもない話をしていると,ドアが開いた。
「ただいまぁ~。あー,久々の仕事だったから疲れたぁ!!今日から人間界は冬になったよ♪」
そう言いながら冬美が入ってくる。
「おかえり。お疲れさま。」
草多は微笑みながら立ち上がると,冬美のために飲み物を持ってきた。
「ありがと~。あら,海起!いらっしゃい!!」
冬美が海起に向けて笑顔で言った。
「おう。悪いな。邪魔して。」
海起が冬美にも言った。
「いいって!!それより,どうだったのよ?」
冬美がにやけながら聞いた。
草多が食事を持って戻ってくると,三人で食べながら,海起は今日の出来事をすべて二人に話した。
「あはははは!!!!そこまで言ってんのに秋美は気が付かなかったんだ!!」
冬美が大爆笑しながら言った。
「笑い事じゃねぇよ・・・。なぁ,俺の言い方が悪いのか?」
海起がうなだれながら言った。
「秋美が最高ににぶいだけよ。まぁ,いっそ愛してるから結婚してくれって言ってたらさすがの秋美も分かっただろうけどね。」
冬美はまだヒーヒー言っている。
「冬美・・・笑いすぎだって・・・。まっ,冬美の言うとおり,秋美にはそのくらい言わないと分からないかもな!」
草多が海起に向けていった。
「はぁ~」
ため息をつく海起。
「海起が秋美にアタックするなんて,昔は考えられなかったよね~。」
冬美が口にほおぼりながら言った。
「俺だって,思わなかったさ。けど今は,秋美のことしか考えられないんだよ・・・。」
海起がぼそぼそと言った。
「まぁ,元気出しなさいよ。秋美は告白を流してるわけじゃなくて,本気で気が付いてないだけなんだから。」
冬美が微笑んで言った。
「大丈夫だって。」
草多も海起に微笑んだ。
「二人とも,ありがとよ。」
海起も微笑んだ。
「こんなことで悩まずに,妖精の行く末で悩まなきゃいけないのにな。」
海起が急に真顔になって言った。
「そうだな・・・。」
草多も真顔になる。そしてちらりと心配そうに冬美を見た。
「そんな心配そうな顔をしなくても,もうあの時のような過激なことをする気なんてないわよ。・・・ゆくゆくは・・・精霊になるんだから・・・。」
冬美が軽く微笑んで,草多を見た。
安心したように草多がうなずく。
「私も,どう考えたらいいかわからない。海起の言ってたこと,本当によく分かるのよ。・・・木葉と樹里が死んだこの辛さ・・・。これが,もし草多だったら・・・・・・・・・・・。」
ため息を付きながら冬美が言った。
「人間を止めようにも,戦争をしようとしてる人間に俺達は見えない。けど秋美の言うとおり,何もしないで死ぬのも,何もしないで見捨てるのも嫌なんだよな・・・・。」
草多が答える。
「秋美の言ってることが,一番納得できるのかもな。」
海起が二人に言った。
「俺,今日思ったんだ。俺は秋美の,たとえ失敗しても諦めずになんでも行動できて挑戦できる・・・。誰も見捨てようとしない・・・そんな所に,本気で惚れたんだってさ。」
海起が少し赤くなりながら言った。
冬美が微笑む。
「やっぱり,何か行動してから諦めたいわよね。やってみなきゃ,わからないもの。失敗したって,挑戦しないよりぜんぜんマシよね。」
冬美がそう言うと,二人はうなずいた。
様々なことを語り合っているうちに,夜はふけていった・・・。
「海って広いよなぁ・・・。」
秋美が海起に言った。
海起が軽くうなずく。
二人は今,とある人間の町の堤防に並んで座って,海を眺めていた。
周りには人間達が行き来しているが,誰一人として二人に気が付かない。
「みんな来れなくて残念だったな~」
秋美が続けた。
海起は一瞬ドキッとした表情を見せたが,すぐにいつものように不機嫌そうな顔をする。
「まぁ,しょうがないさ。大樹さんと水湖さんは大聖堂で仕事があるんだとよ。・・・・・妖精のくせに。草多は,今日から冬美が仕事だから,家のことするとか言ってな・・・。」
海起が言った。
「春美と夏美も,用事があるって言ってたぜ。睡蓮は,水仙さんと出かけるんだってよ。鈴蘭達も来ないって・・・。運が悪かったな。」
秋美がさらっと言った。
「あぁ,残念だ。」
海起はそう言ったが,みんな自分に気を遣って来ないことに気が付いていた。
「秋美・・・。」
「なんだよ?」
「昨日は,なんかごめん。」
海起が少し下を向いて言った。
「びっくりしたぜ。おめぇが人間を見捨てたいなんて言い出したから。けどよう・・・おめぇの言ってることも分かるんだ・・・。だから,あたいも今,自分がどうしたいのか,わけわかんねぇんだよ。」
秋美が海起の肩を叩きながら言った。
海起の顔が赤くなる。
秋美はまったく気が付いていない。
「海起はなんで人間を見捨てる結論を出したんだ?」
秋美が聞いた。
「そりゃぁ・・・仲間が死ぬのが嫌だからに・・・決まってるじゃないか。」
海起が少し焦りながら言った。
「ジェネレーションが人間に攻撃しようとしたときは,共存しようとしてたじゃねぇか。」
「事が違いすぎる。」
海起が秋美を見た。
顔が真っ赤になっている。
「あれ?おめぇ顔赤くねぇか??風邪か?大丈夫か?」
やっと気づいた秋美だが,なぜ赤くなっているかは未だにまったく気が付いていない。
「いや,なんでもない。」
海起が言った。
そして何度か深呼吸をする。
秋美はしばらく黙って考えてから,口を開いた。
「どの道を選んでもリスクがあって,なんか悲しいよな。けど,あたいはやっぱ人間達と共存したい。だってよう,見捨てたくねぇもん。自然だって,人間だって。」
秋美が海起に向けて言う。
「共存の道を選んだら,どういうことになるかまったく分かんねぇ。最悪失敗してみんな死ぬ。ただよ,何もしないであきらめたくねぇんだよ・・・。」
秋美の言葉を聞いて,海起はまた深呼吸をした。
そして,しっかりと秋美を見据えた。
「俺は・・・俺は,秋美・・・お前と生きたい。お前に死んでほしくないし,俺が死んで会えなくなるのも嫌だ。」
海起が秋美にはっきりと言った。
手がかすかに震えている。
「そうかぁ,ありがとな。そんな嬉しいこといいやがって。」
秋美が笑いながら言った。
海起は少し微笑んだが,自分が秋美を好きな気持ちに気が付いてもらえなかったため,内心ではうなだれていた。
「秋美,俺はお前のその前向きな所が・・・・・・・・・好きだぞ。」
必死で分かってもらおうと海起が言った。
「今日はえらい優しいな!!どうしたんだよ!」
秋美がさらに笑顔で答える。
告白されているとは微塵にも思っていないようだ。
海起は笑顔を見せたが,内心ではさらに落ち込んでいた。
(ここまで言っても,気が付かないものなのか・・・?)
と海起は考えていた。
「どうやったら人間の戦争を止められるのか,まったく思いつかねぇや。」
秋美が海を見ながら言った。
「そうだな・・・」
慌てて海起も言った。
「自然の素晴らしさを分かったら,どれだけ人間はちっぽけなものか,どれだけ戦争がくだらなくて悲惨なものかがわかるんじゃねぇかと思うんだけどな。」
秋美がつぶやく。
「・・・確かに俺は人間を見捨てたいと思ってる。けど,俺はいつでもお前の味方だから・・・お前のためなら,命だって差し出せる覚悟だ。」
海起がまた真っ赤になって言った。
「海起・・・マジであんがとよ。なんか元気出たぜ。」
秋美が微笑んだ。
(これでも駄目か・・・。)
海起は心の中でそうつぶやくと,秋美に微笑んだ。
夕方になって,二人は妖精の国に戻ってきた。
「送るぞ?」
海起が言った。
「んな気にすんなって!!んじゃ!またな!!今日は楽しかったぜ。」
そう言うと,秋美は自分の家に帰って行った。
海起は嬉しいような寂しいような,複雑な気持ちをしていた。
一人で家に帰る気になれなかった海起は,そのまま草多の家へ向かって歩き出した。
海起は草多と冬美の家の前に到着した。
【トントン】
ドアをノックする。
「はい??」
出てきたのは,草多だった。
「・・・・よう・・・。」
海起が言った。
海起の様子を見て,草多は何かを感じ取ったようだ。
「おう。おかえり!飯食ってけよ。なんなら泊まっていけって。」
草多が暖かく海起を家に向かい入れた。
冬美はまだ帰っていないようだ。
海起が椅子に座ると,草多が暖かい飲み物を前に置いて,向かい合って座った。
「冬美も,もう帰ってくるからさ!そしたら飯にしようぜ!!」
草多が笑顔で海起に言った。
その言葉に,海起も微笑んだ。
「悪いな。久々に二人でのんびりできるはずだったろうに・・・。」
海起が申し訳なさそうに言った。
「いいんだって。どうせ俺は少しの間仕事ができないんだし・・・。最近冬美はドレスのカタログばっか見てるんだから。聞いてやってよ。何回着替える気なのかって。」
草多が冗談交じりに笑いながら返す。
海起も笑った。
そんなたわいもない話をしていると,ドアが開いた。
「ただいまぁ~。あー,久々の仕事だったから疲れたぁ!!今日から人間界は冬になったよ♪」
そう言いながら冬美が入ってくる。
「おかえり。お疲れさま。」
草多は微笑みながら立ち上がると,冬美のために飲み物を持ってきた。
「ありがと~。あら,海起!いらっしゃい!!」
冬美が海起に向けて笑顔で言った。
「おう。悪いな。邪魔して。」
海起が冬美にも言った。
「いいって!!それより,どうだったのよ?」
冬美がにやけながら聞いた。
草多が食事を持って戻ってくると,三人で食べながら,海起は今日の出来事をすべて二人に話した。
「あはははは!!!!そこまで言ってんのに秋美は気が付かなかったんだ!!」
冬美が大爆笑しながら言った。
「笑い事じゃねぇよ・・・。なぁ,俺の言い方が悪いのか?」
海起がうなだれながら言った。
「秋美が最高ににぶいだけよ。まぁ,いっそ愛してるから結婚してくれって言ってたらさすがの秋美も分かっただろうけどね。」
冬美はまだヒーヒー言っている。
「冬美・・・笑いすぎだって・・・。まっ,冬美の言うとおり,秋美にはそのくらい言わないと分からないかもな!」
草多が海起に向けていった。
「はぁ~」
ため息をつく海起。
「海起が秋美にアタックするなんて,昔は考えられなかったよね~。」
冬美が口にほおぼりながら言った。
「俺だって,思わなかったさ。けど今は,秋美のことしか考えられないんだよ・・・。」
海起がぼそぼそと言った。
「まぁ,元気出しなさいよ。秋美は告白を流してるわけじゃなくて,本気で気が付いてないだけなんだから。」
冬美が微笑んで言った。
「大丈夫だって。」
草多も海起に微笑んだ。
「二人とも,ありがとよ。」
海起も微笑んだ。
「こんなことで悩まずに,妖精の行く末で悩まなきゃいけないのにな。」
海起が急に真顔になって言った。
「そうだな・・・。」
草多も真顔になる。そしてちらりと心配そうに冬美を見た。
「そんな心配そうな顔をしなくても,もうあの時のような過激なことをする気なんてないわよ。・・・ゆくゆくは・・・精霊になるんだから・・・。」
冬美が軽く微笑んで,草多を見た。
安心したように草多がうなずく。
「私も,どう考えたらいいかわからない。海起の言ってたこと,本当によく分かるのよ。・・・木葉と樹里が死んだこの辛さ・・・。これが,もし草多だったら・・・・・・・・・・・。」
ため息を付きながら冬美が言った。
「人間を止めようにも,戦争をしようとしてる人間に俺達は見えない。けど秋美の言うとおり,何もしないで死ぬのも,何もしないで見捨てるのも嫌なんだよな・・・・。」
草多が答える。
「秋美の言ってることが,一番納得できるのかもな。」
海起が二人に言った。
「俺,今日思ったんだ。俺は秋美の,たとえ失敗しても諦めずになんでも行動できて挑戦できる・・・。誰も見捨てようとしない・・・そんな所に,本気で惚れたんだってさ。」
海起が少し赤くなりながら言った。
冬美が微笑む。
「やっぱり,何か行動してから諦めたいわよね。やってみなきゃ,わからないもの。失敗したって,挑戦しないよりぜんぜんマシよね。」
冬美がそう言うと,二人はうなずいた。
様々なことを語り合っているうちに,夜はふけていった・・・。
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