一進一退夫婦道

Emi 松原

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生きて養え

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私といっとくさんは2年後目標で夫婦間腎移植を目指している。

とはいえその道のりは遠く。

せっかく検査を一つクリアしていたのに、心臓の状態があまり良くなく。
心臓をまずはどうにかしなくてはと、心臓バイパスの予定がこのご時世で後回しになってしまい……。

このままだと2年以上かかってしまうかもしれないが、とにかく夫婦間腎移植が目標だ。


夫婦間腎移植とは、文字通り、夫婦での臓器移植。私の腎臓を一つ、いっとくさんに渡すのである。


移植外科に相談に行くまで、それはそれは修羅場があった。


普段いっとくさんは、私に怒ることがない。付き合ってる時も、結婚した今も、唯一の地雷だったのがこの移植の話なのだ。

だが私としては、それがいっとくさんが生きられる道なので引く気はない。
いくら透析技術が発達しても、延命治療というものに変わりはないのだから。どのくらい生きられるか余命まで言われているのだから。


傷つける為に結婚したんじゃない。

大切な人を傷つけるなんて耐えられない。そんなことまでして生きたくない。

私の父親に合わす顔がなくなる。

自分の体を大切にしてくれ。

絶対に認めない。


この押し問答が続いていた。


そして最後は

「本当に命の危機に晒されてどうしようもなくなったら考える」

といういっとくさんの言葉で終わっていたのだ。



その命の危機が、7月に起こった。


さあ、ここからは私のターン!!


腎臓の先生に移植の話を聞きつつ、もう絶対に譲らないと宣言した。

後から知ったことだが、いっとくさんはこの時先輩さんに

「嫌いになったって嘘ついて離婚した方が良いのかな。そしたら体を傷つけなくて済む」

とまで言っていたらしい。


だがここでまず第一の問題。

ドナーになる為には、数値が正常でなくてはならない。

つまり、正常範囲内に痩せなければならないのだ……!!

超級おデブの私は、20キロ以上痩せねばならなかった……!!


これを知ったいっとくさんは、そんなこと流石に無理だろうと少し気持ちに余裕ができたようで、痩せたら移植する、と言ってしまったのだ。

言質はとったどーー!!


そしてダイエットに勤しむ私。


その本気の姿を見て、いっとくさんもいよいよ本気で移植に向けた方向を見てくれた。


だが今でも言う。

傷つけたくない。と。
いざその時がきたら、俺は何を思いどう動くのだろう、と。


昔はその言葉で私もしんみりしていた。


だが何度もいっとくさんが救急車で運ばれ、その他色々な危機に晒されてきた妻は強くなっていた……!!


一番最近その話になって、私の口から出たのは

「生きて……養え!!」

だ。
その後二人で爆笑した。


勿論、養って欲しいからドナーになる訳ない。

仮に成功してもその後離婚する可能性だってある。(現に私はバツイチだ)

心臓の予後によっては介護が必要となるだろう。

それでも、後悔しない。そこまで覚悟して、移植を目指す。



なんだか真面目で重たい話になってしまったので明るい話題を。


なんとこれを書いている現在、10キロのダイエットに成功しました!!!!

目標までまだ半分も行っていないけれど、希望は見えてきた!!


勿論、まずは心臓が持つか。沢山の検査のクリア。倫理委員会。

ハードルは高いけれど。


挫けそうな時には声高らかに叫ぼうと思う。


生きて、養え!! と。
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