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大喧嘩だってするさ、人間だもの
しおりを挟む普段、私といっとくさんはほとんど喧嘩というものをしない。
それもそのはず。
基本的には私がギャーギャー言って、いっとくさんは聞き役に回る、内容によっては受け流してくれるのだから。
そのくらい、いっとくさんのキャパシティは大きい。
自分で自分のキャパシティを自慢するくらいだ。
いっとくさんの性格上、私がギャーギャー言っても、猫がフーフーシャーシャー言っているのと似たようなものなのだ。
私も私で、しばらくギャーギャー言ったら落ち着くので、そこから大事な話し合いが開始、が常である。
だが、滅多に見られないレアいっとくさんがいる。
それが、キャパシティを超えて限界突破した時のいっとくさんだ。
本人によると、私がキャパを越えさせている訳ではないらしく、他のことでキャパを越えているところで私がギャーギャー言い出すと、大喧嘩が発生だ。
そうなるといっとくさんは全てを拒絶モードに移行する。
こうなるとお互い傷つけることしか言わない。
特に私は普段いっとくさんが優しい分、勝手に傷つく。(どう考えても普段からギャーギャー言っているのは私であるのに)
ちなみにいっとくさんの凄いところは、一時間一人でクールダウンすると、もう落ち着いてしまうところである。
そこら辺は、本当に自立した凄い人だなあと思うのだ。
対する私は、感情のコントロールが自分でできなくなる。
感情障害も相まって、混乱状態だ。
だが一時間、なんとか別々の部屋で静かに過ごしたら、いっとくさんのキャパが戻り、いつもの調子に戻るのだ。
その後私のギャーギャーに付き合ってくれる。
ちなみに我が家では、喧嘩は必ずその日のうちに解決させて仲直りするというルールを作っている。
喧嘩して、数日経っても喧嘩中で、急変して終わり、なんてことに絶対ならないため。
そしてその場で解決させることで、尾を引かず、問題を後回しにしないようにだ。
そんなこんなでつい昨日、大喧嘩をしたのだが。
喧嘩発生から約3時間後、無事仲直り。
直後。
「モバ(私)がここ(この家)を出ていくのは、還暦になって老人ホームに行くときだ!!」
と言ってくれた。
それまではここで一緒にいると。それまで絶対生きると宣言して約束してくれたのだ。
ここまで生きると宣言してくれたのは、初めてだった。
普段は常に死を視野に入れている前提で話してしまうから。
今度は嬉し泣きの大号泣である。
そんなこんなで大喧嘩することもある私たちだが、その日のうちに仲直り、が破られたことは一度もない。
お互い傷つけてしまうけど。傷つけたい訳ではないのだから。
その場で言う、その場で解決、大事である。
そんなこんなで落ち着いた今日。
よく考えたら、今の時代、還暦はまだまだ現役じゃないか。
と冷静になり、笑い合ったのであった。
大喧嘩だってするさ。
傷つけるし、傷つくさ。
それだけお互いの前では素で生きているから。
それだけお互い大事だから。
喧嘩せず、どちらかが我慢する関係にはなりたくない。
そう思いながらも、もう喧嘩はしたくないと反省する。
だが。
しばらくしたら、また、私のフーフーシャーシャーが始まるのであった。
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