34 / 57
病院食で駄々っ子に
しおりを挟むいっとくさんは結婚してから3回入院し、現在4回目の入院を控えている。
今回は大きな手術なので不安も大きいものだ。
だがしかし、入院手続きにも慣れてしまったのが、そう、妻の私である。
書類、サイン!
アニメティのレンタルはこのプラン!
手慣れたものだ。
最近のレンタルは凄い。ほとんど家から持っていくものがない。
このご時世で面会もできないし、家族には大助かりである。
さて、いっとくさんにとって入院して一番の問題。
それがご飯である。
前回の検査入院時、1日目の夜から
「モバ(私)のご飯の有り難みがわかった」
と泣きが入るほどである。
致し方ない。以前にも書いたが、腎臓食は不味いことで有名なのだから。
いかに満足させて、血液検査と水分コントロールを保つかを理念に掲げたモバ飯と差が出て当たり前だ。
それでも私としてはそう思って貰えて嬉しいのだが。
さて、病院食にはお粥やお米、パンなど主食が色々ある。
去年死にかけて入院した時、いっとくさんはご飯が不味いとほとんど食べず、毎日のように低血糖を起こしスタッフさんたちに迷惑をかけた。
そこで私が考えたのが、主食を変えて貰うことである。
そもそもいっとくさんは、お米があまり食べられない人でもある。
農家の息子なので大量の米が送られてくるにも関わらず、だ。
そこで3回目の入院時、私は入院センターとの話し合いでパン食にできないか相談してみた。
(1度目、2度目は緊急入院で暇がなかった)
腎臓食なので無理だろうと思っていたが、なんと先生からの許可が出たのだ。
理由は簡単。
3度目の検査入院、そして今回の手術は、主治医が心臓の先生である。
腎臓の先生は、以前も書いたように煙草には厳しすぎないが、食事には厳しい。
逆に心臓の先生は、煙草にはめちゃくちゃ厳しいが、食事は多少多めに見てくれるのである。
もちろんデータに残っているし共有もされているのだが、分野によっての違いというのは大きいのだ。
さて、無事パン食になった3回目の入院時。
いっとくさんは無事に主食を食べてくれ、低血糖にもならなかった。
どうやらパンについていたジャムが良い効果を出してくれたようだ。
これで、今回の入院も食事のことは一安心である。
それでも毎日のように食事への泣きが入ることは覚悟しているのだが。
今回は開胸手術で心臓である。
日が近づくにつれ、いっとくさんは弱気になっている。もちろん私も。
だが、去年からずっと命を助けてくれている病院だ。
私が産まれた病院でもある。
そう先生たちを信じて、入院の準備をするのであった。
ちなみにいっとくさんの煙草合戦(禁煙)であるが、まさかまさかで続いている。
この様子だと、煙草合戦 最終章が書けそうである。
なんとも嬉しいことだ。
このご時世、面会ができないのが一番辛い。
ほんの少し顔が見られるだけでも、本人も家族も心が違うと思うからだ。
だが、検査入院が延期になってしまったように、外から持ち込む訳にはいかない。
今回の入院は、いっとくさんにとっても私にとっても戦いである。
それでも乗り越えた先に、移植を目指せる未来があると信じて。
一緒に生きていける未来を信じて。
せっせせっせと書類を書くのであった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる