一進一退夫婦道

Emi 松原

文字の大きさ
45 / 57

お貴族様ごっこを目指して

しおりを挟む


先日、いっとくさんの心臓の術後の受診があった。

結果はとても良く、心臓外科のフォローは終了となり、心臓循環器内科に戻ることに。


これでやっと一つ山を乗り越えたと心からホッとした。


心臓循環器内科の主治医の先生からは

「これで生きられる。あのままだと生きられなかった」
(あくまで心臓の観点から見て。合併症や感染症にならなければ)

とも言って頂け、移植に向けてますます頑張らなければ、と改めて気合いが入る。



そんな移植であるが、今回の手術で輸血をしたため、また検査が全て一からだ。

しかもできるのが半年以上経ってからなので、この期間は良い数値を維持することと、私のダイエットに力を入れる。



そんな中で、私といっとくさんは移植が成功したら、一緒に何をしようかとよく話すようになった。


北海道にのんびり旅行に行きたい。
ディズニーに行って、ベルさんのドレスを着たい。
九州にも行きたいな。


元々、こんな話しをよくしていたし、移植が成功すれば気兼ねなく遠出ができる。


まだまだ先の話で成功するかすらわからないし、検査で引っかかる可能性もあるが、心臓の手術が無事終わって、少し未来に希望が持てた。



そんな時、いっとくさんが

「お船に興味ないの?」

とクルーズを提案してきた。


私は船が怖く、最初はあまり乗り気ではなかったのだが、パンフレットを見たり調べてみたらなんとも楽しそうではないか!!


国内の豪華客船なら安心できそうだし(言葉の面やら)

ドレスコードも厳しすぎないプランがあるし……。


何よりこの豪華客船。


憧れのお貴族様ごっこができるのではないか……!?



胸が高鳴った。



私は自分で書いてはいないが、悪役令嬢ものが大好きだ。

そこから実際の王族について少し勉強したりもした。


そしてたどり着いた。


豪華客船でのお貴族様ごっこに!!



いや、海外の実際のお城にでも行けば? と思われるかもしれないが

「観光」



「お貴族様ごっこ」

は全くの別物なのである。



船の上で優雅な時間を過ごして、夜は少しドレスアップ。

最高ではなかろうか。




さて、いくら貯めれば良いのかな?

そこまでするのならスイートルームが良い!!



と料金表を見た私は、少し遠い目になった。



二泊三日のクルーズで、希望している永代供養の樹木葬の墓所が買えるやんけ!!

安い中古車なら買えるやんけ!!



くっそう、これが庶民の考えなのか……!!



だが、私は諦めない。


去年の6月にいっとくさんの死の窮地を乗り越え、今回心臓を乗り越えたのだ。


移植も乗り越えた暁には、お金を貯めて豪華客船のスイートルームでお貴族様ごっこをしてみせる!!



そう思いながら、ジムに行く準備をしたり、モバ飯を作ったり、通帳と睨めっこをするのである。



手術後に直撃した物価高。生活していれば必ずどこかで起こる予定外出費。

さらにまたあの流行病の拡大。
それによる透析患者さんの死亡率……。


生活するのに手一杯の毎日であるが、一緒に長く生きられるかもしれない希望ができたのだ。



二人でお貴族様ごっこを目指して、今日もできることをやっていこうと思う。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...