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しんゆうとかたおもい
しおりを挟むどうも、かめです。
本日も「おかあさん」の話し相手になりながら、「ごしゅじんさま」の帰りを待っています。
「おかあさん」は、今日はなにやらせわしなく動いています。
なんでも、「ごしゅじんさま」の「しんゆう」というニンゲンが来るそうで。
「しんゆう」とはなんぞや。
「ただいまー!!」
「おじゃましまあーす!!」
「ごしゅじんさま」の声と、知らないニンゲンのメスであろう声が聞こえた。
きっと「ごしゅじんさま」の「しんゆう」というものだろう。
「真子ちゃんいらっしゃい。ゆっくりしていってね」
「はい!!」
「まこ」……。きっと、「ごしゅじんさま」の「しんゆう」の「なまえ」だ。
かめも最近、少し賢くなったのではないかと思う。
「わぁ!!本物のジェニファーだ!!」
見知らぬ顔が覗き込んできて、かめは驚いた。
多分、これが「まこ」なのだろう。突然住処を覗かれて、かめは固まってしまう。
しかし、本物とはどういうことぞや。
本物じゃないかめがいるのであろうか?
「じゃ、ジェニファー、部屋に行こっか」
かめは、いつものように「ごしゅじんさま」の住処に連れて行かれる。
「まこ」も一緒だ。「まこ」は住処に入れても良いのだろうか。と思うが、「ごしゅじんさま」が良いのなら良いのであろう。
部屋に行くと、かめは、「まこ」にも「すまほぉ」を向けられた。
なんだ、「まこ」も「すまほぉ」を持っているのか。「すまほぉ」はどこにでもいるのだな。
ただ、「ごしゅじんさま」の持っている「すまほぉ」と、「まこ」の持っている「すまほぉ」は柄が違う。種類が違うのであろうか。かめにも、違う種類がいると聞いたことがある。
きっと「すまほぉ」にも、色んな種類がいるのであろう。うむ、奥が深いな「すまほぉ」よ。
「ごしゅじんさま」と「まこ」は、「ごしゅじんさま」の寝床の上に座って、仲良く話し始めた。
うむ、仲が良いことは良いことだ。
そういえば……。かめのあの仲間達は、元気にしているだろうか。
きっとみんな、それぞれの「ごしゅじんさま」のところで幸せになっているのであろうが、かめの「ごしゅじんさま」と「まこ」が話しているのを見ると、ついつい思い出してしまう。
特に、あの賢いかめ。かめに色んなことを教えてくれていた仲間だ。良い「ごしゅじんさま」のところに行けていたら良いな。
そう思ってお昼寝をしようとしたのだが、どうにも「ごしゅじんさま」と「まこ」の声が大きくて寝られない。
「それでね、秀くんと話すのに、ジェニファーの話題を出してるんだ!!そしたら、秀くんも同じ露店で亀釣りしてたことが分かったの!!今度ジェニファーと会わせてみたいねって言ってくれて!!あーーもうどうしよう!!」
「良かったじゃん!!樹里亜、ずっと秀くんに片想いしてるもんねぇ」
「う……だって、どうやって進展させて良いのかとか分からないし……。でも、ジェニファーのお陰で話題が増えたのは凄く嬉しい!!」
なにやらかめの話をしているようだ。
「かたおもい」とは、なんぞや。
どうやら、「ごしゅじんさま」は、「しゅうくん」というニンゲンに「かたおもい」をしているようだ。
「ごしゅじんさま」と「まこ」は、ずっとその話をして笑っている。
かめにはよく分からないが、笑うことは良いことだ。
「あ、そうだ!私もジェニファーに、餌やりしてみたい!!」
「うん、良いよ!!お腹いっぱいだったら食べないかもしれないけれどね」
「まこ」が、かめの住処にまた近づいてきた。
そして、かめの食事を中に入れてくれる。食べたい。食べたいのだが、「ごしゅじんさま」以外に貰った食事を食べても良いのだろうか。
だが肝心の「ごしゅじんさま」は、「まこ」の隣で笑っている。
「ごしゅじんさま」が笑っているのなら、きっと問題ないのであろう。
では、いただきます。
「わぁ!!食べてくれたよ!!」
「まこ」が嬉しそうに叫んでいる。
できれば食事中に住処の側で叫ぶのはやめて欲しい。
しかも、「まこ」は、食事中なのに「すまほぉ」を向けてくる。
なんだ、「すまほぉ」の奴、こっちを見るな。
こうして一通り「すまほぉ」を向けられた後、かめはやっと開放された。
その後、「まこ」は「ごしゅじんさま」と夜の食事を食べて帰って行ったようだ。
ふむ、結局「しんゆう」とは何か分からなかったが、「ごしゅじんさま」が楽しそうだから良いとしよう。
これでやっと静かに眠れそうだ。
……そうだ、「かたおもい」も何か分からなかった。かめにはまだ、わからないことばかりだなぁ。
まぁ、これから勉強していけば良い。
そう思いながら、かめは眠りにつくのだった。
かめの学び
「ごしゅじんさま」の「しんゆう」は「まこ」
「ごしゅじんさま」は「しゅうくん」に「かたおもい」している
「まこ」も「すまほぉ」を連れている
応援ありがとうございます!
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