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05 「……っ、佐藤が可愛すぎてヤバいんですけど」
しおりを挟むプチ、プチ、プチ…
「……な、なんかこうしてお互いの服脱がせ合うのって…へ、変な感じするよなっ…へへっ」
「っ……言うな。何だこれ…ボタン開けてるだけだってのに、はっ恥ずい……」
「ほ、ほんとそれなっ…うう、上手くできない…」
「よしっ、全部開けれたっ! ってことで……ゴホン、まっまずはえっと……やっぱ、っ胸か…?」
ちょんっ♡
「ひゃわあぁっっ…!?」
「っ!?」
「なっ…何でいきなりおれのちっ、乳首触ってんだよっ加藤っ…!?」
「え、いやだって……えっちするなら触るだろ…乳首」
「いやそりゃ当たり前でしょ! …じゃなくてっ、えっ……もしかしなくても、お、おれが…女の子の方、やるの…?」
「へっ、むしろ今までの流れからいったら、確実にお前が下だろ?」
「えええっっそうなのっ!? おれ下なの確実なのかよっ…!?」
「だって、オレちんこ突っ込みてぇもん」
「はぁ!? おれだってちんこ入れる方したいしっ!」
「フッ、バカだな佐藤っ。こういうのは、普通ちんこのおっきい方が入れる側なのが常識だろっ? ふふんっ、つまりちんこのおっきいオレが上ってことだぜ!!」
「なに、キリッ! …みたいな顔してんだよっ!? お、おっきいっていってもほんのちょっとだけじゃんか!」
「ほんのちょっとでも、勝ちは勝ちだっ!」
「ぐぬぬっ……」
やっとキスより先の段階にステップアップするのかと思ったら……
ここにきて、どちらがセックスにおける所謂男役―タチか、女役―ネコをするかでごねだすおバカ二人。
謎の「ちんこが大きい方が攻めだっ!!」理論で、
これ以上ないってくらいに勝ち誇った顔を見せるよりおバカ(学業の成績的な意味で)の方の加藤に、
しかしもう一人のおバカも負けじと「でもっでもっ!!」としばらく食って掛かっていたのだが。
「だあぁもうっ!! そんっなにオレにちんこ入れられたくないのかよっ佐藤はさっ!?」
「はっはあっ!? そ、そうは言ってないだろっ…でも、だってっ、たしか男同士だとっちんこって…」
「――っ、じゃあもうっ、オレっ佐藤にちゅうしてやんねーからなっ…!!」
「え、」
男女と違う男同士のセックスについて、何となくだがどこを使って行為をするのかを感じ。
それもあって、キャンキャン吠えていた佐藤に……
加藤は―佐藤に頑なに拒否されてる―と取ったのか、イラつきながら突然の
「もうお前にキスしないっ!!」宣言を気づけば口から飛び出させていた。
シン…と、一瞬の静粛が部屋を駆け抜ける。
すると、
「――か、かとぉ…もうおれに、ちゅうして…くんないのか…?」
「っ、!?」
「そっそんなのやだぁぁ……おれっ、加藤ともっとちゅうしたいよぉっ…!」
「なっ………っ、…はぁ……佐藤、こっち、顔寄せろっ」
「ううっ、何さっ、おれはっ――んむぅっ…」
「ん、……は、ぁ…嘘、さっきのは冗談だから…だから、んなっ泣きそうな顔すんなっつーの…」
「っ……な、泣きそうな顔なんかしてないしっ……でも、もう一回、ちゅうして…加藤」
「! …ったく、じゃあよしよしのオマケもつけてあげますか。ほらっ、首に手ぇ回せっ」
「へへっ、やったぁ…♡ んっ…♡♡」
加藤ともうキスが出来なくなる……と、佐藤は震える声と共に、今にも泣いてしまいそうな表情を見せたため。
自分とキスが出来なることにショックを受ける佐藤が
――何だか悔しいくらいに可愛く感じてしまった加藤は、
『キス』に関しては、やっぱり勝てないなぁ…と、彼の大好きな頭を撫でてあげるのもプラスして、
もう一度ベッドに佐藤を押し倒しながら、長い長いディープキスを彼に送ったのだった。
「……んぁ♡ っ、はふ……ね、加藤?」
「はぁ♡ ……んっ?」
「あのさ……やっぱりおれが下でいいよ」
「へっ……え、いいのかっ…!?」
「うん、いいっていうか……おれが、何だか加藤に…っ、ちんこ入れられたくなっちゃったから、さっ…」
「っっ!? ……はぁ、やべぇ…今のちんこにめっちゃキたんですけどっ……つーか、ほんと佐藤が可愛すぎてヤバい…」
「なっ…ば、バカじゃんっ!?」
「はぁ!? バカはお前もだろっつの!!」
「そういう意味じゃないしっ…!! もぉっ加藤ほんとバカっ!!」
「バカバカ言うなっー!!」
「……ぷっ」
「……ふはっ」
「おれが下になったからには、ちゃぁんとっおれのこと気持ちよくしてくれなきゃダメっ! だからな、加藤っ♡♡」
「はっ、任せろっての! 何せっオレの大事にしてきたどーてーをお前に捧げるんだからなっ!!」
「ええ~何それっあははっ。っていうか、おれだってハジメテの後ろ捧げるしぃ」
「っ、……佐藤がすんげぇ気持ちよくなれるように、オレ、頑張るから…」
「! ……うん、加藤も…おれでいっぱいいっぱい気持ちよくなって…♡♡」
「おうっ♡♡」
……色々右往左往、ドタバタがあったものの。
ようやく、今度こそ本当に――二人はキスのその先、未知の扉を開け始めた。
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