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第三話
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「レティ!どうしたんだ?大丈夫か?」
健在なのはわかったが、何やら問題ありげな声を漏らしていたので、フェイが声をかける。
すると煙の中から四人がいる方に向かって何かが飛んできた。
「な、何?今の?」
「真樹?自分の胸を見てご覧なさい」
一瞬すぎて何が来たのかもわからなかったが、リスティアムに言われ真樹は自分の胸を見る。
「えっ?何これ?」
真樹の胸に張り付いていたのは、羽根の生えた猫にも似た生き物。ふわふわの毛は金色で、目は緑だ。その謎の生き物は真樹に抱きつきすりすりと頭を擦り付けている。
「な、なんだか可愛いんだけど!」
その愛らしい見た目に真樹の心は一瞬にして鷲掴みにされた。
「全く……どうして薬作ろうとしたらそんなのが生まれるのか……僕には理解出来ない!」
ようやく煙が収まってきた。中はめちゃくちゃで、あちこちが煤けて床には瓦礫が散乱する。その中から咳き込みながらレティが出てきたが、煤で真っ黒だ。
「レティ……大丈夫か?」
「これが平気そうに見える?それよりも……魔物がいない場所なのに、なんで猫はここにいるんだよ!」
「確かに魔物は浄化されてますが、普通の害のない動植物までは手を加えていませんからね。猫くらいいるでしょう」
怒るレティとは違い、リスティアムはニコニコしながらそれに答える。どうやらリスティアムは状況判断が出来たみたいだが、真樹達はまだ理解出来ていない。
「要するに、レティの薬作りは失敗したという事になります」
「失敗?」
「ちょっと!大事な所が抜けてる!薬の製作は途中までは成功だよ。だけどどこにいたんだか……足を滑らせた猫が大釜にダイブ。そして生まれたのがこいつだよ」
それは災難だと思ったが、何故猫が落ちてきたのかも不思議なものだ。だが問題はそこではないとレティは言った。
「問題は薬作りに入れてるもの。巨大スライムの体液とトカゲの尾。それからネズミ粉末に……」
あまり聞きたくもない中身だが、猫はネズミ粉末におびき寄せられたのではと、聞いていて思った。
「この薬に入れる最後のアイテム。その前に猫がダイブしたから、猫自身にいろいろなものがくっついてしまったんだよ。それに巨大スライムの体液は興奮剤でもある。つまりそいつはキメラになったと同時に主を君に決めたんだ」
「ぼ、僕?どうして?」
「体液の中に君の残り香が残っていたのかもしれない。それを追って君に飛びついた。つまりそいつの飼い主は真樹だよ」
「えぇ!」
いきなりキメラとなった猫の飼い主になった真樹。猫自身は不幸でしかないだろうが、半モンスターとなってしまったそのキメラは見た目は可愛い。
「なんだかよくわからないけど……でも可愛いからいいよ。僕、この子飼う!」
そのキメラをギュッと抱きしめた真樹を見て、レティは呆れるばかりだ。
「ホント単純……一応そいつは半モンスターだからね。僕達に牙剥けるようなら直ぐ首落とすから」
不慮の事故により誕生した半モンスターとなった猫。真樹は飼う気満々だが、フェイやカイはそれでいいのかと思ってしまった。
健在なのはわかったが、何やら問題ありげな声を漏らしていたので、フェイが声をかける。
すると煙の中から四人がいる方に向かって何かが飛んできた。
「な、何?今の?」
「真樹?自分の胸を見てご覧なさい」
一瞬すぎて何が来たのかもわからなかったが、リスティアムに言われ真樹は自分の胸を見る。
「えっ?何これ?」
真樹の胸に張り付いていたのは、羽根の生えた猫にも似た生き物。ふわふわの毛は金色で、目は緑だ。その謎の生き物は真樹に抱きつきすりすりと頭を擦り付けている。
「な、なんだか可愛いんだけど!」
その愛らしい見た目に真樹の心は一瞬にして鷲掴みにされた。
「全く……どうして薬作ろうとしたらそんなのが生まれるのか……僕には理解出来ない!」
ようやく煙が収まってきた。中はめちゃくちゃで、あちこちが煤けて床には瓦礫が散乱する。その中から咳き込みながらレティが出てきたが、煤で真っ黒だ。
「レティ……大丈夫か?」
「これが平気そうに見える?それよりも……魔物がいない場所なのに、なんで猫はここにいるんだよ!」
「確かに魔物は浄化されてますが、普通の害のない動植物までは手を加えていませんからね。猫くらいいるでしょう」
怒るレティとは違い、リスティアムはニコニコしながらそれに答える。どうやらリスティアムは状況判断が出来たみたいだが、真樹達はまだ理解出来ていない。
「要するに、レティの薬作りは失敗したという事になります」
「失敗?」
「ちょっと!大事な所が抜けてる!薬の製作は途中までは成功だよ。だけどどこにいたんだか……足を滑らせた猫が大釜にダイブ。そして生まれたのがこいつだよ」
それは災難だと思ったが、何故猫が落ちてきたのかも不思議なものだ。だが問題はそこではないとレティは言った。
「問題は薬作りに入れてるもの。巨大スライムの体液とトカゲの尾。それからネズミ粉末に……」
あまり聞きたくもない中身だが、猫はネズミ粉末におびき寄せられたのではと、聞いていて思った。
「この薬に入れる最後のアイテム。その前に猫がダイブしたから、猫自身にいろいろなものがくっついてしまったんだよ。それに巨大スライムの体液は興奮剤でもある。つまりそいつはキメラになったと同時に主を君に決めたんだ」
「ぼ、僕?どうして?」
「体液の中に君の残り香が残っていたのかもしれない。それを追って君に飛びついた。つまりそいつの飼い主は真樹だよ」
「えぇ!」
いきなりキメラとなった猫の飼い主になった真樹。猫自身は不幸でしかないだろうが、半モンスターとなってしまったそのキメラは見た目は可愛い。
「なんだかよくわからないけど……でも可愛いからいいよ。僕、この子飼う!」
そのキメラをギュッと抱きしめた真樹を見て、レティは呆れるばかりだ。
「ホント単純……一応そいつは半モンスターだからね。僕達に牙剥けるようなら直ぐ首落とすから」
不慮の事故により誕生した半モンスターとなった猫。真樹は飼う気満々だが、フェイやカイはそれでいいのかと思ってしまった。
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