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それから
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「ねぇお母さん。いい加減マルディアス様と一緒になったら?」
そう突然言ってきた娘のミリアに、母エリサは「えっ?」という顔を見せた。
「だっていつまでも私を理由に待たせるなんていけないと思うのよ」
「けど……」
「ほとんど事実婚みたいなものなのに何を躊躇してるの?それに私、この春から学校の寮に入るわ」
エリサがエデンワースの屋敷を出てアパートメントで娘のミリアと暮らしてもう十年以上の月日が経った。
女一人で子を育てる傍ら、仕事も忙しかったエリサだが、道にそれる事もなくミリアは立派に成長をしている。初めて経営した園も、今では国に十か所程設ける事が出来た。
そしてエリサと恋人でもあるマルディアスとの関係も良好だ。初めこそはミリアとの関係に心配はあったが、マルディアスなりに気を使ってくれているようで、ぎこちないなりにも良好で、徐々にそれも緩和されていったようにも見えた。そんな日常を送りながらも、エリサとマルディアスの恋も育まれていった。
この日常は変わらない。ミリアが自立するまではまだ時間もあると思っていた時の事だった。ミリアが学校の寮に入ると言ったのは。
物事がわかるようになった頃からミリアは聖女としての役目を授かり、それを遂行している。かつて母が同じように聖女だった事も、エデンワースの血を受け継ぐ者は聖女となる事が決められている。それらもミリアは受け入れた。
案外エリサが思うよりもミリアはしっかりした子に育ったようで、エリサとマルディアスの関係を知っているからこその気づかいだったのかもしれない。
「学校の寮に入るって……」
「大丈夫よ。ちゃんと休みの日には家にも帰るし。それに私に気を使ってばかりで、お母さんの幸せは後回しにしてほしくないのよ。何でマルディアス様がお母さんに指輪なんて渡したと思ってるのよ」
左手の薬指にはめられた指輪は、一年ほど前のエリサの誕生日にマルディアスから贈られたものだ。エリサはそれを肌身離さず着けている。贈った意味も身に着けている意味もミリアにはわかっているからこそだ。
「ねぇ、お母さん。私の事はもういいかしら、今度はちゃんとお母さんが幸せになって」
「ミリア……」
「そうしないと家に帰って来ないから」
そう強く言われてはミリアの言う通りにしないといけないなと思った。
それからしばらくして、エリサはマルディアスと本当の意味で夫婦となった。
そう突然言ってきた娘のミリアに、母エリサは「えっ?」という顔を見せた。
「だっていつまでも私を理由に待たせるなんていけないと思うのよ」
「けど……」
「ほとんど事実婚みたいなものなのに何を躊躇してるの?それに私、この春から学校の寮に入るわ」
エリサがエデンワースの屋敷を出てアパートメントで娘のミリアと暮らしてもう十年以上の月日が経った。
女一人で子を育てる傍ら、仕事も忙しかったエリサだが、道にそれる事もなくミリアは立派に成長をしている。初めて経営した園も、今では国に十か所程設ける事が出来た。
そしてエリサと恋人でもあるマルディアスとの関係も良好だ。初めこそはミリアとの関係に心配はあったが、マルディアスなりに気を使ってくれているようで、ぎこちないなりにも良好で、徐々にそれも緩和されていったようにも見えた。そんな日常を送りながらも、エリサとマルディアスの恋も育まれていった。
この日常は変わらない。ミリアが自立するまではまだ時間もあると思っていた時の事だった。ミリアが学校の寮に入ると言ったのは。
物事がわかるようになった頃からミリアは聖女としての役目を授かり、それを遂行している。かつて母が同じように聖女だった事も、エデンワースの血を受け継ぐ者は聖女となる事が決められている。それらもミリアは受け入れた。
案外エリサが思うよりもミリアはしっかりした子に育ったようで、エリサとマルディアスの関係を知っているからこその気づかいだったのかもしれない。
「学校の寮に入るって……」
「大丈夫よ。ちゃんと休みの日には家にも帰るし。それに私に気を使ってばかりで、お母さんの幸せは後回しにしてほしくないのよ。何でマルディアス様がお母さんに指輪なんて渡したと思ってるのよ」
左手の薬指にはめられた指輪は、一年ほど前のエリサの誕生日にマルディアスから贈られたものだ。エリサはそれを肌身離さず着けている。贈った意味も身に着けている意味もミリアにはわかっているからこそだ。
「ねぇ、お母さん。私の事はもういいかしら、今度はちゃんとお母さんが幸せになって」
「ミリア……」
「そうしないと家に帰って来ないから」
そう強く言われてはミリアの言う通りにしないといけないなと思った。
それからしばらくして、エリサはマルディアスと本当の意味で夫婦となった。
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