暴君王子は恋を知る

まぁ

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 二人が話をしていると、料理が次々と運ばれて来た。シーフード専門店という事で、シーフードを使ったパスタやピザなどが運ばれ来た。この料理に合わせてか、和史がチョイスしたお酒は白ワイン。魚介の塩気ととても合う組み合わせだ。
「アンリはお酒に強くないみたいだし飲みすぎるなよ」
「べ、別に弱くない!っていうかお前……」
「和史だ。そんなに俺にキスされたいのか?まぁ、ここでは出来ないからな。後で覚えておけ」
「誰が覚えておくか!それよりもどうして仕事中と態度が違うんだよ!
「何で仕事外でもいい顔してなきゃならないんだ。こっちの顔が本当だ。お前は人のいい俺がいいのか?」
 そりゃ悪い人間よりもいい人間の方がいいに決まってるだろう。しかしアンリからしたら、何故和史はここまで自分に自信があるのか。それにアンリと和史が恋人同士の体で話す。
「オレはお前の彼氏じゃないぞ!」
「はいはい。その強がりもいつまでもつか」
「強がってない!」
 キーっとなりながらワインを豪快に飲むアンリを見て、和史は「やれやれ」とため息を漏らす。この勢いだとまた酔うだろう。そうなったらまた介抱するのは自分だ。


 二人での食事はおおよそ二時間近く楽しんだ。とはいえ和史が一方的に楽しんでいたのだが。案の定アンリは酔っている。
「ほら、ちゃんと歩けるか?」
「うるさい……オレに触るな」
「そのまま放置出来るか。ホテルまでもう少しだから我慢しろ」
 アンリの腕を自身の首に回し、腰の辺りを掴んでほぼ歩いていないアンリを運ぶ。一度ならず二度も。頭はいいのに学習能力がないやつだと思った。
(ま、そこも可愛いんだがな)
 和史がアンリに会ったのは、まだアンリが五歳くらいの時だ。その時はアンリやアレンのファミリーで日本へ家族旅行をしに来た時だ。もちろんその時にアンリを気に入ったとかではないが、両親よりも兄にべったりな姿や、年齢のわりに傲慢な姿は記憶に残った。
 それからしてアレンが日本に長期出張でやって来た。その後を追うかのようにしてやって来たアンリの印象は、相変わらず傲慢そうだなという印象だった。
 こちらはホテル側の人間なので、いちいち気にも留めてないアンリの事を和史は目で追った。見た目だけならば好みの顔だ。小さすぎず華奢すぎずで今時の中性的とは違い、イギリス男らしいそのスタイルもまた和史の心をくすぐった。
 そのアンリが和史の行くボーイズバーにいたのは運命なのではと思った。話してみると見た目の割に初心でいてプライドが高い。普通の男女ならめんどくさいと言って恋愛から除外するだろうが、和史には好意的だった。
「こんな風に無防備なのも考え物だがな」
 ホテルに着き、アンリを部屋まで運ぶと、アンリはベッドにダイブする。
「こら、そのまま寝るな。水を飲め」
「うぅ……」
 飲めと言っても手渡そうとするペットボトルを手に取ろうとしない。大きなため息を漏らした和史はキャップを開け、水を口に含むと、そのままアンリに口移しした。
「これでキスのカウントなゼロだな」
 冷たい水を飲んだアンリが息を吹き返したように和史に言う。だが和史は意地の悪い表情を見せる。
「バカか。こんなのカウントの内に入らない」
 そう言うと和史はペットボトルをサイドテーブルに置き、アンリの顎を掴んで唇を奪った。
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