心を閉ざした財閥令嬢と話し相手になった庶民?の俺が婚約する話 作者 半魚人

半魚人

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第一章

第9話 高校入学準備

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 【修視点】
 ここ数日ご飯以外は北条さんと御堂で本を読んで過ごしている。
 ただ読むだけではなく本の感想を言ったりしている……俺が一方的にだが。

 北条さんは最初こそは完璧に無視していたが、最近は「ふ~ん」と言うように少しだけ返してくれるようになった。

 こんな感じで過ごして一週間、4月4日の夕食の時に克人さんが、

 「そろそろ修くんに高校の説明をしなくちゃね」

と言った。

 確かに今日は4月4日、普通の高校の入学式は4月7日だからそろそろ話を聞きたいな。と言うかその前に、

 「あの克人さん。俺が行く高校は入学試験とかは必要ないんですか」

 と浮かんできた疑問を聞いてみた。

 「ああ、心配しなくて良いよ。君が通う事になる私立龍皇学園はこう言っちゃなんだけど、上流階級、大物の政治家や大手企業のご子息またはそこから推薦があったものしか入れないんだ。だから人数が増えたりして何人か落とさなければいけない場合は、履歴書で落とされるから試験は必要ないんだよ。その代わり定期試験の成績低かったら退学だからがんばってね」

 最後に爆弾を残して克人さんはニコッと笑った。
 試験か難しそうだな。でも中学の時はそこそこ成績良かったからついていけるだろう。
 と言うか上流階級の学校なんて今の時代にあるんだな。

 「まぁ、今時家柄を見る学校なんて古いと思うんだけどね」

 あ、克人さんも古いと思ってるんだ。

 「まぁ他は普通の学校だから楽しくやっていけると思うよ」
 「はい」
 「そうそう。この学校は中高一貫校で、陽葵は中学校からこの学校に通っているんだ」

 へえ、中高一貫校なんだ。高校から入る俺に友達できるかな。

 「高校から入る人もたくさんいるから心配しなくても大丈夫だよ」

 中高一貫だと聞いて高校から入る俺がやっていけるか不安に思っていたのに気づいたのか、克人さんは心配しなくても大丈夫だと言ってくれた。

 「制服とかの必要なものはすでに届いているよ。後で梓に持って行かせるからサイズとか確認してね」
 「はい。わかりました」

 夕食を食べ終わった俺は自室に戻りテレビを見て、梓さんを待っていた。

 あ、言い忘れてたけど一部屋に一つテレビがあるんだ。それも最新の4Kのテレ
ビで壁が埋まるくらい大きいんだ。
 梓さんに聞いた話では150インチもあるらしい。

 “コンコン”

 そんな馬鹿でかいテレビを見ていると扉がノックされる音がした。

 「はい」
 「修様、梓です。学用品をお持ちしました」

 そう言われて扉を開け、段ボールを二箱抱えた梓さんを招き入れた。

 「こちらの箱に制服と体操服が、こちらの箱にはその他の授業で使用するものが入っております」

 制服と体操服が入っていると言われた方の段ボールを開けて制服を出し、試着してみる。
 制服のサイズはぴったりで結構かっこよく気に入った。体操服の方もぴったりで着心地も良かった。

 制服を着るともうすぐ高校入学だって言う実感が湧くな。みんなすごい家柄の子らしいし……庶民の俺がやっていけるか不安だな。
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